実験制度会計論―未来の会計をデザインする

田口 聡志

定価(紙 版):3,740円(税込)

発行日:2015/03/17
A5判 / 288頁
ISBN:978-4-502-13731-0

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本の紹介
①会計基準のコンバージェンス、②会計不正をはじめとした制度の失敗の問題について、ゲーム理論と経済実験をベースに制度を分析し、新たな制度会計論を構築する意欲作。

著者紹介

田口 聡志(たぐち さとし)
[プロフィール]
同志社大学大学院商学研究科後期博士課程教授,博士(商学・慶應義塾大学),公認会計士
慶應義塾大学商学部助手(有期),新日本監査法人(現:EY 新日本有限責任監査法人),多摩大学経営情報学部助教授などを経て現職。現在,株式会社スペース社外取締役(監査等委員会委員,独立役員),株式会社GTM 総研取締役,グローリー監査法人社員。

[主な著作]
『デリバティブ会計の論理』(税務経理協会,2005年)
『心理会計学―会計における判断と意思決定』(監訳,中央経済社,2012年)
『実験制度会計論―未来の会計をデザインする』(中央経済社,2015年)(第58回日経・経済図書文化賞,第44回日本公認会計士協会学術賞,2017年日本ディスクロージャー研究学会学会賞)
『教養の会計学―ゲーム理論と実験でデザインする』(ミネルヴァ書房,2020年)(日本経済会計学会2021年度教育賞)
『企業会計の本質を巡って―プロトタイプとデジタル社会』(税務経理協会,2025年)

担当編集者コメント
本書は、近年、会計制度の性質ないし位置づけが大きく変容しており、人間の意図や行動が極めて重要となっているとの認識のもと、このような新しい制度環境に対処する新しい制度会計論の構築を目的とするものです。具体的には、人間の意図や行動を捉えるための分析ツールとして、近年大きく注目されている(そして、ノーベル経済学賞などでも高い評価を受けている)ゲーム理論と経済実験を用いて、会計制度をめぐる人間の意図や行動に踏み込んで分析しています。

日本のみならず「世界で戦う」ことを目指した研究であり、先生の研究への情熱がみなぎっている研究書ですね。
まずは、序文、そして本論をお読みいただき、田口先生の想いを感じ取っていただければと思います。
そして、本論の内容はもちろんですが、特に私がご覧いただきたいのは、終章の補論。
会計研究における今回の「実験制度会計論」の位置づけを、特に日本では膨大な研究の蓄積のある計算構造論等との関係を主軸に相対化・整理されている点です。
これは、「実験?関係ないかな~」という方にとっても非常に有益な示唆が得られるのではないでしょうか。
内容的にも財務会計・監査の研究者の方々にはもちろん、先生が以前日本管理会計学会で「管理会計こそ実験研究になじむ」とおっしゃっていましたので、管理会計ご専門の先生方にもぜひ読んでいただきたいです。
さらに、「会計のイメージを変える」研究だけに他分野の学者や実務家の方々にも手にとっていただければうれしいです。