解説外国公務員贈賄罪─立法の経緯から実務対応まで

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北島 純

定価(紙 版):4,180円(税込)

発行日:2011/08/05
A5判 / 408頁
ISBN:978-4-502-04580-6

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本の紹介
ドキュメント形式で不正競争防止法改正により外国公務員贈賄罪成立までの経緯を描き、逐条解説とケース分析で実務対応策を示す。海外事業での不正利益供与摘発リスクが増加するなかで貴重な書。

目次


解説 外国公務員贈賄罪
立法の経緯から実務対応まで
目次

 序章 外国公務員贈賄罪という新たなリスク

第1部 外国公務員贈賄罪の歴史
 第1章 外国公務員贈賄罪の起源
  第1節 ワシントン,ロッキード事件とFCPA
   1.プロクシマイヤーという政治家
   2.プロクシマイヤー法案の提出
   3.フォード大統領の海外支払公表法案 ……ほか
  第2節 冷戦とFCPA
   1.執行状況
   2.日本での報道,ミスリーディング
   3.グローバルスタンダード化の欲動 ……ほか
  第3節 パリ,OECD条約の成立
   1.OECDとは何か
   2.クリントン政権の誕生(1993年)
   3.カンターの策動 ……ほか

 第2章 日本への導入
  第1節 霞が関,日本政府の対応
   1.刑法改正
   2.法務省刑事局の反応
   3.通産省知的財産政策室 ……ほか
  第2節 永田町,国会での審議
   1.第142回通常国会(1998年)
   2.第143回臨時国会(1998年)
  第3節 国会での審議内容
   1.OECD条約締結承認の提案理由
   2.刑罰の妥当性
   3.属地主義と属人主義 ……ほか

 第3章 OECDによる監視と法改正
  第1節 OECDフェーズ1審査
   1.OECDの監視体制
   2.フェーズ1審査(1999年)
   3.第1次改正(2001年) ……ほか
  第2節 OECDフェーズ2審査
   1.フェーズ2審査の実施(2004年)
   2.第3次改正(2005年)
   3.第4次改正(2006年) ……ほか
  第3節 OECDフェーズ3審査
   1.OECDフェーズ3審査(2011年)
   2.国連腐敗防止条約
   3.小  括 ……ほか

第2部 外国公務員贈賄罪の解釈
 第4章 刑法における賄賂罪
  第1節 賄賂罪の変遷
   1.現行刑法の賄賂罪規定
   2.旧刑法の賄賂罪(明治13年)
   3.現行刑法の第1段階(明治41年刑法) ……ほか
  第2節 賄賂罪の判例法理
   1.刑法の解釈
   2.保護法益
   3.職  務 ……ほか
  第3節  刑法の賄賂罪と外国公務員贈賄罪
   1.特別刑法,行政刑法,経済刑法
   2.外国公務員贈賄罪の法的性質
   3.場所的適用関係の違い ……ほか

 第5章 比較法的検討
  第1節 アメリカFCPA
   1.FCPAの基本構造
   2.「発行者」(issuer)
   3.「国内関係者」(domestic concern) ……ほか
  第2節 OECD条約の内容
   1.前  文
   2.第1条(外国公務員に対する贈賄の犯罪化措置)
   3.第2条(法人の責任) ……ほか
  第3節 イギリス贈賄法とその他の法制度
   1.イギリス贈賄法の概要
   2.外国公務員贈賄罪(6条)
   3.一般贈賄罪(1・2条) ……ほか

 第6章 不正競争防止法コンメンタール
  第1節 18条1項「外国公務員贈賄罪の実行行為」
   1.本条の趣旨(①)
   2.「何人も」(②)
   3.「外国公務員等」(③) ……ほか
  第2節 18条2項「外国公務員等の定義」
   1.条文の趣旨(①)
   2.「外国」(②)
   3.「政府又は地方公共団体」(③) ……ほか
  第3節 21条・22条「罰則」
   1.「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し,
     又はこれを併科する」(①)
   2.「刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条の例に従う」(②)
   3.「行為者を罰するほか,その法人に対して三億円以下の罰金
     刑を,その人に対して本条の罰金刑を科する」(③) ……ほか

第3部 外国公務員贈賄罪の対策
 第7章 ケースの検討
  第1節 有罪確定ケース[ 九電工事件とPCI事件]
   1.九電工事件の概要
   2.九電工事件の評価
   3.PCI事件の概要 ……ほか
  第2節 起訴なしケース[三井物産事件など]
   1.三井物産・中国贈賄事件(2001年)
   2.外国公務員贈賄罪の適用可能性
   3.三井物産・国後島ディーゼル発電設備入札「偽計業務妨害」
      事件(2002年) ……ほか
  第3節 3つのケースの考察
   1.構成要件該当性
   2.贈賄の結果
   3.捜査主体 ……ほか

 第8章 いかに外国公務員贈賄罪に対応するか
  第1節 政府における対策の実例
   1.国家公務員と倫理規定
   2.ODAに関する外務省の実務
   3.ODAに関するJICAの実務 ……ほか
  第2節 企業・団体における対策の実例
   1.商  社
   2.建設業界
   3.国際商業会議所日本委員会(ICC JAPAN)のマニュアル
     ……ほか
  第3節 企業の対策マニュアルをどう作るか
   1.企業法務部の使命とJBITリスク
   2.取締役の義務
   3.取締役の責任 ……ほか

 第9章 現行不正競争防止法の問題と提言
  第1節 現行法の評価
   1.現行不正競争防止法の評価
   2.「不正の利益」
   3.会計処理条項 ……ほか
  第2節 改正案の提言は可能か
   1.少額支払条項の導入について
   2.不正競争防止法という受け皿
   3.刑法改正の可能性(α) ……ほか
  第3節 外国公務員贈賄罪とは何か
   1.賄賂と民主政
   2.本書の企図
   3.本書の総括

 あとがき

 参考文献

 column
  日米の立法過程の比較
  政府とは何か
  二つの法制局
  アメリカにおける経営判断の原則
  賄賂と政治資金


著者プロフィール 北島 純(きたじま じゅん)
1971年(昭和46年)生まれ。
東京都出身。東京大学法学部卒業,九州大学大学院修了。
外資系法律事務所リサーチャーを経て,
2009年(平成21年)平野博文内閣官房長官(当時)の秘書に就任。
現在,安全保障委員長平野博文衆議院議員の公設第一秘書。






















著者紹介

北島 純(きたじま じゅん)