法律家が書いた子どもを虐待から守る本
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- 愛情を注ぐべき存在である親が子どもを虐待死させる事件が頻発している。学校、教師、病院、医師など社会が子どもを救うための対応を提言した関係機関必見の書。警察の早期介入を大胆に主張。
目次
法律家が書いた
子どもを虐待から守る本
目次
はじめに
Ⅰ 虐待される子どもたちの現実
1 虐待の現状
⑴ 数字でみる子ども虐待
⑵ 虐待の種類、傾向
2 子ども虐待に至るリスク要因
⑴ 考えられるリスク要因
⑵ 虐待する親の心理と傾向
⑶ 虐待の世代間伝達
3 虐待が子どもに与える深刻な影響
⑴ 身体的発育への影響
⑵ 知的発達への影響
⑶ 心理的な影響
4 児童虐待防止法などにおける虐待防止の仕組み
⑴ 虐待を防止する法の全体像
⑵ 児童虐待防止法の意義―「法は家庭に入らず」を覆す
⑶ 児童虐待防止法の問題点①
―権限や強制力がほとんど与えられていない ……ほか
5 山積みする問題
⑴ 少なすぎる虐待の通報
⑵ 不十分な学校、病院、警察等の取組み
6 事例にみる虐待対応機関の失敗例
⑴ 虐待から救う機会を逃した事例
⑵ 事例から導き出せる問題点
Ⅱ Q&Aで考える機関別の虐待への対応
1 社会全体で取り組むべき問題
2 学校・幼稚園・保育所ができること
Q1 期待される役割
Q2 対応の失敗例
Q3 担当の先生の対応
Q4 児童相談所との連携
Q5 チェックポイント ……ほか
3 病院ができること
Q1 病院の役割
Q2 対応の失敗例
Q3 虐待の可能性を読みとる
Q4 出産前からの対応
Q5 自宅に帰してはいけない場合 ……ほか
4 市町村保健センター・保健所ができること
Q1 虐待防止へのかかわり方
Q2 保健機関の取組み
Q3 乳幼児健診で発見する
Q4 虐待の疑いがあったとき
Q5 児童相談所との連携
5 警察が行うべきこと
Q1 期待される役割
Q2 通報を受けたときの対応
Q3 疑わしい家庭への対応
Q4 対応の失敗例
Q5 捜査が必要な場合 ……ほか
6 福祉事務所、児童委員、民生委員、地域の住民のできること
Q1 福祉事務所の役割
Q2 児童委員・民生委員の役割
Q3 住民がはたす役割
Ⅲ 虐待のない社会への提言
1 きわめて不十分な制度面からの保護
2 虐待の発見・救出に必要な施策
⑴ 事案の発見・通報を励行させる制度の整備
⑵ 虐待情報の共有と連携した対応ができる体制の整備
⑶ 安否を確認し、一時保護し、施設入所させることができる制度の
整備 ……ほか
3 虐待を受けた子どもの治療とケアの実施
4 虐待を繰り返させない、虐待に至らしめない支援・監視システム
⑴ 親に対して虐待予防プログラムの受講などの措置を強制的に
受けさせる制度の整備
⑵ 虐待してしまうリスクのある親に対する支援
⑶ 「虐待は犯罪」であるとの強いメッセージで虐待を抑制する
法制度の整備
5 警察、児童相談所の体制強化と取組みの可視化
⑴ 警察の執行体制の強化
⑵ 児童相談所、児童養護施設の体制の強化
⑶ NGOとの連携
6 社会の風潮の改善
⑴ 子どもに冷たい法制度・風潮を変える
⑵ 期待される企業による支援
⑶ 子どもの安全を優先することを国、自治体、企業の活動の
原則とする
おわりに
資 料
1 児童虐待の防止等に関する法律
2 児童福祉法(抄)
3 平成23年民法改正新旧対照表
著者プロフィール
後藤 啓二(ごとう けいじ)
弁護士 昭和34年生
東京大学法学部卒業後,昭和57年4月警察庁入庁。
内閣法制局参事官補佐,警察庁生活安全局理事官,大阪府警察生活安全部長,内閣参事官(安全保障・危機管理担当)等を歴任し,平成17年警察庁退職。
現在,後藤コンプライアンス法律事務所代表。
警察庁勤務時,ストーカー,DV,トラフィッキング,子ども虐待等子どもと女性を守るための対策を警察が積極的に取り組むことを打ち出し,ストーカー規制法,児童ポルノ禁止法,大阪府安全なまちづくり条例等の立案・制定に携わる。
弁護士となってから,男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会,東京都青少年問題協議会の委員を歴任し,第三次男女共同参画基本方針の策定や子どもの性行為等を描いた漫画の販売を条例で規制することを内容とする答申の策定に関与。
このほか,経済産業省,外務省,警察庁の各委員会の委員を歴任。
企業・官庁・病院・学校などのコンプライアンスやリスク管理,反社会的勢力対策等の企業法務のほか,「全国犯罪被害者の会(あすの会)」顧問弁護団,「児童ポルノを許さない社会を実現するための弁護士フォーラム」代表幹事を務め,犯罪被害者支援,子ども虐待・児童ポルノ問題などに取り組む。
著書
「日本の治安」(新潮新書)
「企業コンプライアンス」(文春新書)
「会社法・施行規則が定める内部統制」(中央経済社)
「なぜ被害者より加害者を助けるのか」(産経新聞出版)
「リスク要因からみた企業不祥事の実務対応」(中央経済社)
「実践・病医院コンプライアンス」(中央経済社)