- 本の紹介
- 2011年９月に成立した米国の改正特許法。長年の懸案事項であった先願主義への移行など大幅な改正がなされた。日本の特許実務にも影響を及ぼす改正の概要を解説する。
目次
改正・米国特許法のポイント
目次
第１部米国特許法改正の要点
１ 改正の経緯
２ 改正前特許法の概要
⑴ 発明とは（101条⒜）
⑵ プロセスとは（101条⒝）
⑶ 「米国」「この国」（101条⒞）
⑷ 特許権者（100条⒟）
⑸ 特許の対象（101条） ……ほか
３ 主な改正点 15
⑴ 先願主義への移行（Sec. ３）
⑵ 新規性，非自明性の改正（Sec. ３）
⑶ 発明者決定手続（改正291条）
⑷ 発明者の宣誓または宣言（Sec. ４）
⑸ 先使用権の改正（Sec. ５） ……ほか
１ 先願主義の導入（Sec. 3“First inventor to file”）
1 先願主義と１年の猶予期間
2 発明者等の定義 ……ほか
２ 新規性（USC35 102）および非自明性（USC35 103）の改正
（Sec. 3）
1 新規性
2 非自明性（non-obviousness）
３ 発明者決定手続（改正291条 Derived Patents）
1 改正291条
2 改正135条 ……ほか
４ 発明者の宣誓または宣言
（SEC. 4. INVENTOR’SOATH OR DECLARATION）
1 代替陳述
2 改正118条 ……ほか
５ 先使用に基づく侵害に対する抗弁（SEC. 5. DEFENSE TO
INFRINGEMENT BASED ON PRIOR COMMERCIAL USE）
1 先使用権発生の要件
2 立証責任 ……ほか
６ 当事者系レビュー（SEC. 6“inter partes review”）の導入
1 現行法の当事者系再審査と査定系再審査
2 査定系再審査の手続 ……ほか
７ 付与後異議申立手続（Sec. 6 Post-grant review proceedings）
1 付与後異議申立とは
2 請願の要件 ……ほか
８ 第三者による発行前提出
（SEC. 8 PREISSUANCE SUBMISSIONS BY THIRD PARTIES）
1 122条の改正
2 発効日
９ 料金設定権限（SEC. 10. FEE SETTING AUTHORITY）
1 USPTOの料金設定権限
2 小規模事業者等の減額 ……ほか
10 特許業務の料金（SEC. 11. FEES FOR PATENT SERVICES）
1 出願料金
2 調査料金 ……ほか
11 補充審査（SEC. 12. SUPPLEMENTAL EXAMINATION）
1 257条の新設
2 補充審査の効果 ……ほか
12 ベストモード要件（Sec. 15 BEST MODE REQUIREMENT）
1 改正282条
2 他の条文の改正
13 仮想表示（SEC.16 Virtual Marking）
1 改正287条
2 発効日 ……ほか
14 弁護士の助言（SEC. 17 ADVICE OF COUNSEL）
1 298条の新設
2 弁護士の助言に関する判例 ……ほか
15 ビジネス手法特許の暫定的プログラム（SEC. 18.
TRANSITIONAL PROGRAM FOR COVERED BUSINESS
METHOD PATENTS）
1 ビジネス手法特許の暫定的異議申立プログラムとは
2 「保護されたビジネス手法特許」の定義 ……ほか
16 管轄権と訴訟の併合
（SEC. 19. JURISDICTION AND PROCEDURAL MATTERS）
1 管 轄
2 訴訟の併合
17 資金拠出の合意（SEC. 13. FUNDING AGREEMENTS）
1 改正された202条⒞⑺Eⅰの概要
2 発効日
18 優先審査（Prioritized Examination）
19 先行技術の範囲内とみなされる税務戦略（SEC. 14. TAX
STRATEGIES DEEMED WITHIN THE PRIOR ART）
1 納税義務の定義
2 例 外 ……ほか
20 サテライトオフィス（SEC. 23. SATELLITE OFFICES）
21 サテライトオフィスの指定（SEC. 24. DESIGNATION OF
DETROIT SATELLITE OFFICE）
22 重要な技術についての優先審査（Sec. 25 Priority
Examination forImportant Technologies）
23 施行に関する検討（SEC. 26 STUDY ON IMPLEMENTATION）
24 遺伝子テストに関する検討
（SEC. 27 STUDY ON GENETIC TESTING）
25 小規模事業者に関する特許オンブズマン（SEC. 28 PATENT
OMBUDSMAN PROGRAM FOR SMALL BUSINESS
CONCERNS）
26 出願人の多様性を検討する方法の確立（SEC. 29
ESTABLISHMENT OF METHODS FOR STUDYING THE
DIVERSITY OF APPLICANTS）
27 議会の意義（SEC. 30. SENSE OF CONGRESS）
28 小規模事業者のための国際特許保護に関するUSPTOによる
検討（SEC. 31 USPTO STUDY ON INTERNATIONAL
PATENT PROTECTIONS FOR SMALL BUSINESSES）
29 PRO BONO（無料）プログラム
（SEC. 32 PRO BONO PROGRAM）
30 特許発行の制限
（SEC. 33 LIMITATION ON ISSUANCE OF PATENTS）
31 特許訴訟に関する検討
（SEC. 34 STUDY OF PATENT LITIGATION）
32 予算の効果（SEC. 36. BUDGETARY EFFECTS）
33 特許期間の延長申請の60日の計算（Sec. 37 CALCULATION
OF 60-DAY PERIOD FOR APPLICATION OF PATENT
TERM EXTENSION）
第２部 米国特許法改正を理解するための改正前の制度
１ 米国特許の対象
⑴ 実用特許
⑵ 意匠特許
⑶ 植物特許
２ 特許サーチ
⑴ PatFT: Patents
⑵ AppFT: Patents
⑶ Public PAIR
３ 米国特許出願の必要書類
⑴ 通常出願
⑵ 仮出願
４ 米国特許の特徴的な制度
⑴ 情報開示陳述書（IDS: Information Disclosure Statement）
⑵ 継続審査請求（Request for Continued Application）
⑶ 継続出願（Continuation Application）
⑷ 一部継続出願
⑸ オフィスアクションに対する応答 ……ほか
著者プロフィール
奥田 百子（おくだ ももこ）
奥田国際特許事務所・弁理士・特許翻訳者
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。国際特許事務所にて外国クライアントのわが国における特許実務を行う。
また同時に知的所有権の企業研修，講義，執筆を行う。
現在は，フリーで特許翻訳を行うと共に奥田国際特許事務所にて，日本人クライアントの国際特許出願を扱い，海外における権利化のための外国代理人との通信，交渉，知的所有権に関する講演活動を行っている。
2005〜2007年 工業所有権審議会臨時委員（弁理士試験委員）
著書・論文：
「誰でも弁理士になれる本（第１版〜第４版）」（中央経済社）
「こんなにおもしろい弁理士の仕事」（中央経済社）
「なるほど図解 特許法のしくみ」（中央経済社）
「なるほど図解 商標法のしくみ」（中央経済社）
「なるほど図解 著作権法のしくみ」（中央経済社）
「国際特許出願マニュアル」（中央経済社）
「弁理士が基礎から教える 特許翻訳のテクニック」（中央経済社）
｢Googleで検索するだけ！ ネイティブに笑われない英文ビジネスEメール｣（中央経済社）
「知的所有権の担保化に関する研究報告書」（共著，㈱東京リーガルマインド）など。
