- 本の紹介
- 知財活用の成果であるロイヤルティについて、その契約上の留意点や会計・税務処理、料率の決定方法から、近時注目を浴びているロイヤルティ監査の具体的手法まで総解説。
目次
ロイヤルティの実務詳解
─ライセンス契約をめぐる法務・会計・税務と監査手法
目次
序 章 オープンイノベーションの時代
1 オープンイノベーション
2 オープンイノベーションをもたらす外部環境の変化
3 仲介市場の整備・仲介事業者の登場
4 新興するアジアの市場
5 オープンイノベーションとロイヤルティ監査
第1章 知的財産の種類と活用
1 知的財産の種類
2 知的財産の活用方法
⑴ 内部実施
⑵ 売買,リース ……ほか
3 知的財産を活用するスキームの利用状況
第2章 ライセンス契約の法務
1 ライセンス契約の意義
⑴ ライセンス契約とは
⑵ ライセンス契約締結の目的 ……ほか
2 ライセンスの付与
⑴ 独占性
⑵ 主たる実施権と再実施権 ……ほか
3 ロイヤルティの規定方法
⑴ ロイヤルティの種類
⑵ 算定方式 ……ほか
4 ロイヤルティ支払の担保
⑴ ロイヤルティ報告書
⑵ 帳簿の保管 ……ほか
5 ロイヤルティ監査についての規定
⑴ ロイヤルティ監査の実施
⑵ ロイヤルティ監査の内容 ……ほか
第3章 ライセンス契約の会計・税務
1 ライセンス契約に関する会計
⑴ 無形資産の会計
⑵ ロイヤルティ収益の会計処理 ……ほか
2 ライセンス契約に関する税務
⑴ ライセンス契約に関する税務
⑵ 寄附金 ……ほか
第4章 ロイヤルティの決定
1 ロイヤルティ決定の理論
⑴ インカムアプローチ
⑵ コストアプローチ ……ほか
2 ロイヤルティ決定のファクター
3 裁判所によるロイヤルティの認定
4 ロイヤルティ算定の最近の考慮要素
⑴ 知財価値評価の手法
⑵ 移転価格税制 ……ほか
5 ロイヤルティ価値シミュレーション
⑴ ロイヤルティ価値シミュレーションの意義
⑵ ロイヤルティ価値シミュレーション ……ほか
6 ロイヤルティ決定の留意点
⑴ 特許権無効の場合
⑵ 損害賠償との関係 ……ほか
第5章 ロイヤルティ監査の実務
1 ロイヤルティ監査の現状
⑴ 契約締結後の活動に対する不十分な意識・配慮
⑵ ロイヤルティ監査の実務プロセスや効果に対する理解不足
……ほか
2 ロイヤルティ監査の重要性
⑴ 適切なロイヤルティ支払の検証─直接的効果
⑵ ロイヤルティ監査によりもたらされるその他の効果
─間接的効果
3 ロイヤルティ金額および監査実施に影響のある ライセンス契
約条項
⑴ 受取ロイヤルティの最大化・支払ロイヤルティの最少化
⑵ 将来の監査権行使時に損をしないために
4 ロイヤルティ報告において間違いが起こる理由
⑴ ライセンス契約に存在する曖昧な表現や定義
⑵ ライセンシー側の契約内容・遵守事項に対する不十分な
理解 ……ほか
5 ロイヤルティ監査事例
6 ロイヤルティ監査実施に向けた検討項目
⑴ ロイヤルティ監査対象案件の選択および検討
⑵ ロイヤルティ監査の実施可能性の検討 ……ほか
7 ロイヤルティ監査のプロセス
⑴ 事前準備
⑵ 立入監査の実施 ……ほか
8 ロイヤルティ監査に伴う費用
⑴ 時間制
⑵ 成果型報酬
9 早期・継続的監査によるロイヤルティ収入の最大化
10 ライセンシーによるロイヤルティ監査対応および内部管理活動
⑴ 監査対応体制の整備および確認
⑵ 監査対象資料および対象期間 ……ほか
11 日本におけるロイヤルティ監査の実情
⑴ 監査条項の重要性と実務活用
⑵ ロイヤルティ監査実務の海外比較
第6章 ロイヤルティと独占禁止法
1 知的財産と独占禁止法に関する指針
2 新指針の概要
⑴ ライセンス契約と私的独占
⑵ ライセンス契約と不当な取引制限 ……ほか
3 ロイヤルティと不公正な取引方法
⑴ 技術の利用と無関係なロイヤルティの設定
(一般指定第11項,13項)
⑵ 権利消滅後の制限(一般指定第13項) ……ほか
4 独占禁止法違反に対する措置
5 海外の競争法規制
⑴ EU
⑵ 米国
第7章 ロイヤルティに関する紛争
1 紛争の種類
⑴ ロイヤルティの計算
⑵ ミニマム・ロイヤルティ ……ほか
2 紛争解決の方法
⑴ 裁判か仲裁か
⑵ 準拠法 ……ほか
3 損害額の算定
⑴ 米国訴訟における知的財産権の侵害およびライセンス
契約違反への対応
⑵ 損害賠償(逸失利益アプローチ)の事例
4 和解によるライセンス
参考文献
巻末資料
1 知的財産権等ライセンス保険
2 特許通常実施権許諾契約書
3 [英和対訳]ライセンス契約
4 販売及びロイヤルティ報告書フォーム
索 引
著者プロフィール
淵邉 善彦
吉野 仁之
寺内 章太郎
長谷部 智一郎
- 担当編集者コメント
- 知的財産のライセンスを付与し,その対価であるロイヤルティを得るというビジネスは,いまや多くの企業で実行されています。しかし,そのロイヤルティをどう決めるのか,どう契約書に落とし込むのか,そして支払われたロイヤルティが本当に契約どおりに計算されているのかをどう調べるかなど,さまざまな実務論点があります。その道の第一人者の方々に,ロイヤルティをめぐる問題を解説していただきました。
2008年刊行の『ロイヤルティの実務』のパワーアップバージョンです。