- 本の紹介
- 争族を防ぐとの視点から、財産の配分を定めた法律面での決めごとと、相続税対策・事業承継対策のポイントを解説。「こころ」と「お金」から考える争いを招かない相続の心得。
目次
相続の法律・税金と事業承継
■争族が心配な経営者・資産家のための基礎知識
目次
はじめに
序章 「相続」はなぜ「争族」となるのか
1 争族の悲劇
2 争族を招く5つの理由
3 争族にしない「相続」の準備
第1章 法律が定める遺産の分配
1 法律が定める相続人と順位
2 相続時に「持戻し」される特別受益
3 貢献者に認められる「寄与分」
4 最低限の相続額を定める「遺留分」
5 「遺留分」を侵害された場合
6 争族になったときの法的手続
7 相続の放棄と限定承認
8 日本に居住している外国人の相続
第2章 生前の争族対策①―遺言
1 話合いと遺言
2 遺言能力と認知症
3 遺言書はどう作る?
4 どの遺言の方法を選ぶべきか
5 遺言書作成の費用
6 気が変わったときの遺言の変更
7 相続する財産の範囲
8 遺産分割の方法を指定する
9 不動産の分割方法
10 相続分を指定する
11 相続による債務の承継
12 相続人以外への遺贈
13 受け取る人に負担を課す遺贈
14 相続させたくない人を「廃除」する
15 故人の遺志を実行する遺言執行者
第3章 生前の争族対策②―贈与
1 相続を前倒しする生前贈与
2 受け取る人に負担を課す贈与
3 亡くなった時に効果が生じる死因贈与
4 「持戻し」の免除
5 財産の売買と相続
第4章 相続税対策の第一歩
1 ここからスタート―財産目録
2 相続税がかかる人,かからない人
3 節税のかたち
4 不動産の共有を解消する
5 教育資金の一括贈与
6 迷走した相続税改正
第5章 事前に行える相続税対策
1 会社を作ろう―法人化が有利な場合
2 マンションを建てて相続税対策
3 保証以外にも使える生命保険
4 相続税対策の王道「贈与」
5 問題になりやすい名義資産
6 養子縁組
7 土地の評価とその対策
8 自社株評価および対策
第6章 事後でも可能な相続税対策
1 遺産の分け方で変わる相続税の額
2 相続人全員が負う連帯納付義務
3 難しくなった延納と物納
4 税務調査
5 海外の資産にもかかる相続税
第7章 ビジネスを受け継ぐ事業承継
1 事業承継と後継者選び
2 後継者への権力や資産の承継
3 複数の会社をそれぞれの後継者に承継
4 後継者に株式を集中する
5 会社法を活用した株式の集約
6 事業承継への組織再編の活用
7 経営承継円滑化法に基づく遺留分の特例
8 信託を活用した事業の承継
9 事業承継税制
10 重要なことは親子の関係
著者プロフィール
〔編者紹介〕
加藤 真朗
弁護士,関西学院大学・同大学院非常勤講師。
神戸大学法学部卒業。
主に,企業法務,不動産関係,相続等を多く取り扱っている。
相続に関しては,遺言作成,遺言執行,遺産分割,遺留分減殺請求,事業承継対策支援等多数の案件の依頼を受けてきた。
銀行,証券会社,建設会社,各種団体等において,相続,事業承継等の講演も行っている。
著書(共著)
『わかりやすい会社法の手引き』(会社法実務研究会・新日本法規),
『判例法理・経営判断原則』(中央経済社)がある。
末永 雄一郎
公認会計士,税理士。
平成13年公認会計士試験2次試験に合格後,大手アカウンティングファームに勤務し,上場企業を含む様々な業種,規模のクライアントに会計監査,BPR支援,財務DD,タックス・プランニング等幅広い会計,税務サービスを行っていた。
しかし平成16年に当時60歳だった父を亡くし,実家の不動産賃貸業を相続。その時,会計事務所は作業代行業ではなく,人的サービス業であり,顧客個々にあった対策,対応を親身に行うことが求められていると実感。
平成18年に「説明をあきらめない」を理念に掲げて独立開業以後,法人税や所得税の申告代行,タックス・プランニングや業務改革支援,事業承継対策,相続税申告業務等の税理士業務を中心に行っている。
〔著者紹介〕
太井 徹
弁護士,関西学院大学非常勤講師。
関西学院大学法学部法律学科卒業,関西学院大学大学院法学研究科博士課程前期課程修了,関西学院大学法科大学院修了。
相続全般,成年後見,介護施設関係の事件,会社に関する紛争などに精力的に取り組んでいる。
池田 聡
弁護士。
大阪大学理学部卒業,大阪市立大学法科大学院修了。
相続・事業承継,特許権や著作権など知的財産権に関する問題,会社に関する紛争などに精力的に取り組んでいる。
著書(共著)
「最新 商標権関係判例と実務」(知的所有権問題研究会・民事法研究会)がある。
吉田 真也
弁護士。
立命館大学法学部卒業,立命館大学法科大学院修了。
主な取扱い分野は,民事,商事,行政事件等の訴訟案件全般である。
相続に関しては,訴訟案件から予防法務としての争族対策まで,幅広く取り扱っている。
- 担当編集者コメント
- 相続関係書籍は、ブームともいえるくらい刊行されていますが、本書では遺産の配分の共通ルールである民法の規定を比較的詳細に解説しています。
また、税金を扱う章では、理屈の上の節税技術に厳しく、実現可能な対策とその考え方を示しています。
弁護士・税理士の双方の立場から、争族防止を真摯に説いた書籍で、専門家の知識の整理にも最適です。