会社の目的と取締役の義務・責任―CSRをめぐる法的考察
- 本の紹介
- 会社の営利目的と社会的責任との関係や、取締役の義務・法的責任について、これまでに発表した論文を中心にまとめ直した研究書。
目次
会社の目的と取締役の義務・責任
―CSRをめぐる法的考察
目次
第1部 会社の目的と社会的責任
第1章 会社の目的と社会的責任の法理論に関する総論的考察
1 はじめに
2 会社の営利性の意味の再検討
3 会社の営利目的と株主利益最大化の原則との関係
4 企業の社会的責任論の展開と近時の社会的責任の定義
5 企業の社会的責任に関する裁判例と会社法上の
一般規定の是非
6 結 び
第2章 株主第一規範の形成・展開と変容
1 はじめに
2 アメリカにおける株主第一規範の形成
3 アメリカにおける株主第一規範の展開と変容
4 わが国における会社制度の変遷と株主の地位
5 結 び
第3章 取締役による会社関係者の利害の調整
―アメリカの利害関係者制定法(Constituency Statutes)
を中心として―
1 はじめに
2 理論的背景および立法の沿革
3 利害関係者制定法の是非に関する論議
4 利害関係者制定法の分類とその要件等の個別的考察
5 利害関係者制定法をめぐる裁判例の検討
6 取締役の従来の伝統的な信任義務に与える影響
7 結 び
第4章 社会的利益を追求する営利会社
―アメリカの社会的営利会社(Benefit Corporation)
を中心として―
1 はじめに
2 アメリカにおける会社制度の変遷と社会的責任論
3 近時のアメリカにおける営利企業の社会的企業への展開と
その種類
4 社会的営利会社(B Corp)に関する制定法
5 社会的営利会社(B Corp)に関する制定法上の具体的規定の
検討
6 結 び
第2部◆取締役の義務と責任
第5章 企業買収の際の企業価値基準による取締役の義務と責任
―募集株式・新株予約権の不公正発行を中心として―
1 はじめに
2 主要目的ルールから企業価値基準へ
3 敵対的企業買収防衛策に関する判断の主体について
4 企業買収における取締役の義務と責任
5 結 び
第6章 取締役の対第三者責任の本質に関する序論的考察
1 役員等の対第三者規定
2 取締役の対第三者責任規定をめぐる従来の学説と最高裁大
法廷判決
3 取締役の対第三者責任の本質の再検討の必要性
4 取締役の対第三者責任規定の立法の沿革・判例の分析と私見
第7章 取締役の対第三者責任の立法の沿革に関する一考察
1 はじめに
2 立法の沿革
3 比較法的考察
4 結 び
第8章 取締役の対第三者責任の本質の再検討
―大審院・最高裁判例の分析を通して―
1 はじめに
2 判例の変遷
3 類型別考察
4 結 び
第9章 未公開株式の売買の場合における発行会社とその発行
会社の取締役の責任
1 はじめに
2 事案の概要
3 判 旨
4 先例・学説
5 評 論
事項索引
判例索引
著者プロフィール
畠田 公明(はただ こうめい)
1953年 福岡県生まれ
1976年 福岡大学法学部法律学科卒業
1982年 福岡大学大学院法学研究科民刑事法専攻博士課程後期単位取得満期退学
1998年 福岡大学法学部教授
2004年 福岡大学大学院法曹実務科法務専攻(専門職学位課程)教授
現在 福岡大学法学部教授,副学長,博士(法学)
米国カリフォルニア大学バークレー校ロー・スクール客員研究員(1991〜92年),米国コロンビア大学ロー・スクール客員研究員(2001〜02年)
〈主要著書〉
『コーポレート・ガバナンスにおける取締役の責任制度』(法律文化社,2002年)
『プリメール会社法』(共著,法律文化社,2006年)
『商法・会社法総則講義』(中央経済社,2008年)
『なるほど!法律学入門』(共編著,法律文化社,2009年)
『会社法講義・Ⅰ,Ⅱ』(中央経済社,2009年,2010年)
『商取引法講義』(中央経済社,2011年)