- 本の紹介
- 法務部門、コンプライアンス部門担当者向けに、昨今多発する企業のコンプライアンス違反や不正調査を法的側面から解説する。過去の不正調査事例や裁判例、関係書式も掲載。
目次
コンプライアンス違反・不正調査の法務ハンドブック
目次
はじめに
第1章 組織と不正調査
1−1 経営者へのメッセージ「疲弊したコンプライアンスから攻めの
コンプライアンスに」
1−2 法務部・コンプライアンス部門による不正調査
1) 不正調査とリーガル部門
2) 公認会計士協会「不正調査ガイドライン」
3) 日本弁護士会
「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」 ……ほか
第2章 不正リスクをめぐる状況
2−1 事例から見る企業が直面する不正・不祥事
1) 不正・不祥事の意味
2) 不祥事のパターン
2−2 不正リスク対応の強化の動き
1) 不正リスク対応基準について
2) 不正リスクに対応した監査事務所の品質管理
2−3 不正調査の実態と第三者委員会
1) 内部調査委員会か第三者委員会か
2) 不正調査と公表
3) 第三者委員会のリスクと限界
2−4 国際ビジネスとコンプライアンス/法律の域外適用
1) FCPAとは
2) 英国における状況
3) 日本法に基づく海外不正行為に対する捜査
第3章 なぜ企業で不正・不祥事が起こるのか
3−1 不正のトライアングル理論についての概論
3−2 不正のトライアングル理論によるシミュレーション
1) 不正リスクのインパクト
2) 不正のトライアングル理論の事例シミュレーション
3−3 不正予防対策と発見
1) 不正対策は予防から
2) 不正発見のプロセス
3) IT技術による不正防止
第4章 不正調査の実務
4−1 有事の緊急対応
1) 有事に取り組む基本的な考え方
2) 有事の端緒
3) 有事の緊急対応から不正調査への移行
4−2 不正調査の全体像
1) 社内不正に有効な調査とは何か
2) 不正調査の全体像
3) STEP1:リスク特定(情報収集) ……ほか
4−3 有効な不正調査の取り組みに向けて
1) 予兆情報の収集
2) デジタル・フォレンジック調査
3) ヒアリング(聴取) ……ほか
第5章 法的側面から見た不正調査
5−1 調査概論
1) 不正調査を妨げる理由
2) 不正調査の目的
3) 不正調査の主体 ……ほか
5−2 不正調査と労働法
1) 労働法の観点から見た不祥事対応・社内調査
2) 懲戒事実の調査方法
3) 社内の処分
第6章 社内体制構築と懲戒処分
6−1 懲戒処分の運用
1) 懲戒処分とは
2) 懲戒処分の決定方法
3) 懲戒処分通知の作成 ……ほか
6−2 懲戒処分の実例
1) 横領・背任等の金銭着服の事例
2) セクシャル・ハラスメント
3) 私生活上の非違行為
第7章 調査結果の開示
1) 社内不祥事の分類と公表
2) 社内不祥事の公表事例に学ぶ
3) 社内不祥事調査結果報告
4) 危機管理広報の必要性
5) マニュアル運用調査
6) ソーシャルメディアによる実況中継
第8章 企業不正・不祥事予防策
8−1 予防のための方針と規範
1) はじめに
2) 方針の策定とトップからのメッセージ
3) 規範の策定
8−2 体制の構築
1) コンプライアンス体制の構築
2) コンプライアンスに関する組織の例
8−3 トレーニング
1) トレーニングの立案と内容
2) トレーニングの手段
8−4 ホットライン
1) ホットラインの設置
2) ホットライン設置の留意点
第9章 不正調査のケーススタディ
1) Channel Stuffingの代償―押し込み販売が見抜かれないケース
2) 米国におけるカルテルのケース
3) 不適切な発注―利益相反取引が見抜かれないケース
4) 外国籍従業員が機密情報を持ち出して退職するケース
5) 退職勧告の代償―社外労働組合が関与したケース
6) ワンマン社長の会社での古典的な不祥事処理の方法が
破綻したケース
7) 従業員が警察に身柄拘束されたが容疑が会社には不明なケース
8) 従業員が取引先から不正なリベートを受領していたケース
9) 日本人海外出向者がベトナム子会社で巨額横領を行ったケース
第10章 元銀行支店長による「攻めのコンプライアンスのための
組織マネジメント5箇条」
1) 組織マネジメントの重要性
2) 攻めのコンプライアンスのための組織マネジメント5箇条
3) むすび―「危機管理(クライシス・マネジメント)と
全社的マネジメントを視野に」
著者プロフィール
【編著者紹介】
吉川達夫(よしかわ たつお)
略歴
ニューヨーク州弁護士。
伊藤忠商事株式会社法務部,Apple Japan 法務本部長を経て,外資系企業法務本部長。
駒澤大学法科大学院,二松学舎大学大学院国際政治経済学研究科,国士舘大学21世紀アジア学部非常勤講師。
元Temple Law School 日本校客員教授。
上智大学法学部,Georgetown Univ. Law School 卒。
主な著書
『英文契約書の作成実務とモデル契約書[第4版]』(編著,中央経済社,2013年),
『電子商取引法ハンドブック[第2版]』(編著,中央経済社,2012年),
『ハンドブック アメリカ・ビジネス法』(編著,レクシスネクシス・ジャパン,2013年),『ライセンス契約のすべて 基礎編[第2版]』(編著,レクシスネクシス・ジャパン,2011年),
『ライセンス契約のすべて 実務応用編』(編著,レクシスネクシス・ジャパン,2009年),
『国際ビジネス法務』(編著,レクシスネクシス・ジャパン,2009年)
平野高志(ひらの たかし)
略歴
弁護士(1985年登録),サイバー大学専任教授(法律)。
日本ならびに米国法律事務所勤務を経て, 1990年ブレークモア法律事務所入所。
マイクロソフト日本法人(法務政策企画担当執行役等) (2000年-2006年)。
ブレークモア法律事務所に復帰(2006年-現在),社団法人コンピュータソフトウェア協会理事 (2006年-現在),財団法人ソフトウェア情報センター評議員(2006年-現在),特定非営利法人日本ライフデザインカウンセラー協会理事長(2009年-2012年),同理事(2012年-現在),国際IT財団理事(2011年-現在),著作権法学会員,日本工業所有権法学会員,日本経済法学会員。
専門分野
企業法務一般(契約・訴訟・紛争解決・労働問題・会社法・独占禁止法・知的財産権)