病院管理会計―持続的経営による地域医療への貢献

荒井 耕

定価(紙 版):5,060円(税込)

発行日:2013/10/22
A5判 / 368頁
ISBN:978-4-502-08090-6

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本の紹介
医療の質と採算性を両立するには、管理会計の活用が有効である。責任センター別のマネジメント手法が可能にする病院の持続的経営、それによる地域医療への貢献を示唆する。

目次


病院管理会計
持続的経営による地域医療への貢献

目次

 まえがき

第1章 病院管理会計の必要性と全体像
 1 病院界における管理会計の必要性の高まり:研究の背景
 2 病院管理会計の全体像
 3 病院管理会計の各種手法間の相互関係
 4 本研究の方法と構成

第2章 設備機器投資の経済性計算の実態
 1 問題意識と方法
 2 経営管理に積極的な病院群における諸事例
 3 分析結果:経営管理に積極的な病院群における実態
 4 考察とまとめ

第3章 事業計画の実態:バランスト・スコアカードとの高い親和性
 1 問題意識:事業計画とバランスト・スコアカード
 2 DPC 関連病院の事業計画の実態
 3 病院運営医療法人の事業計画の実態
 4 まとめ:バランスト・スコアカードと高い親和性を持つ事業計画の
   重要性
 5 事業計画バランスト・スコアカードの事例

補論1 採算改善を巡る諸見解の検証:
     業務実績と採算性との相関分析

 1 問題意識
 2 DPC 対象病院群全般を対象とした検証
 3 国立DPC 関連病院群を対象とした検証
 4 公立DPC 関連病院群を対象とした検証
 5 まとめ

第4章 責任センター別管理会計の意義と普及状況:
     アンケート調査を基に

 1 責任センター別管理会計とは
 2 DPC 関連病院調査に基づく実施状況
 3 病院運営医療法人調査に基づく実施状況
 4 責任センター別管理会計の効果132

第5章 責任センター別管理会計の定性的実態:
     インタビューによる事例調査を基に

 1 研究方法
 2 未活用法人での状況
 3 財務限定一貫型法人の諸事例
 4 施設財務・部門多面型法人の諸事例
 5 多面業績一貫型法人の諸事例
 6 まとめ

第6章 医療サービス価値企画の現状と効果:
     診療プロトコル開発によるプロセスマネジメント

 1 診療プロトコル開発活動の価値企画としての性質
 2 医療サービス価値企画の登場の背景
 3 診療プロトコル価値企画の普及度
 4 価値企画を支援する組織とツール
 5 診療プロトコル価値企画の最新状況
 6 価値企画の効果
 7 価値連鎖考慮範囲拡張の兆候
 8 価値企画の課題と今後

補論2 医療界の伝統的二律背反観の検証:
     質と採算性との相関分析

 1 問題意識
 2 国立DPC 関連病院群を対象とした検証
 3 公立DPC 関連病院群を対象とした検証
 4 まとめ

第7章 原価計算の実態:影響機能の重視化
 1 問題意識
 2 DPC 関連病院における原価計算の実態
 3 病院運営医療法人における原価計算の実態
 4 影響機能焦点原価計算の病院原価計算体系における位置づけ
 5 原価計算の評価視点と最適性

第8章 現場の経営的自律性を促す損益管理システム:
     テナント式原価計算に焦点を当てて

 1 問題意識
 2 佐賀大学病院におけるテナント式原価計算
 3 テナント式原価計算の他病院での導入
 4 「基本思考」導入の困難性

第9章 管理会計の必要性と実践能力:
     法人規模と多角化状況の影響

 1 管理会計実践と法人属性
 2 法人規模別の管理会計実践
 3 経営多角化状況別の管理会計実践
 4 まとめ

 参考文献

 索引



著者プロフィール 荒井耕(あらいこう)
一橋大学大学院商学研究科教授
1971年東京都生まれ
1994年一橋大学商学部卒業
2001年富士総合研究所勤務を経て,
一橋大学大学院商学研究科博士課程修了博士(商学)取得
大阪市立大学大学院経営学研究科専任講師,助教授.准教授を経て,
2008年一橋大学大学院商学研究科准教授
2012年一橋大学大学院商学研究科教授,現在に至る
専門分野:管理会計,原価計算.医療管理会計,公会計

主要著書・論文
『医療バランスト・スコアカード:英米の展開と日本の挑戦』中央経済社,2005年5月(日本原価計算研究学会学会賞受賞).
『医療原価計算:先駆的な英米医療界からの示唆』中央経済社,2007年2月(日本会計研究学会太田・黒澤賞受賞).
『病院原価計算:医療制度適応への経営改革』中央経済社,2009年1月(日本管理会計学会・文献賞受賞).
『医療サービス価値企画:診療プロトコル開発による費用対成果の追求』中央経済社,2011年7月.
Reforming Hospital Costing Practices in Japan: An Implentation Study, Financial Accountability &
Management, Vol. 22, No. 4, November 2006.






















著者紹介

荒井 耕(あらい こう)
[プロフィール]
一橋大学大学院経営管理研究科教授

1994年 一橋大学商学部卒業
2001年 富士総合研究所勤務を経て,一橋大学大学院商学研究科博士課程修了 博士(商学)取得
    大阪市立大学大学院経営研究科専任講師,助教授,准教授を経て,
2008年 一橋大学大学院商学研究科准教授
2012年 一橋大学大学院商学研究科教授,現在に至る
    中央社会保険医療協議会公益委員(2015年~2021年)
    厚生労働省・医療法人の経営情報のデータベースの在り方に関する検討会・座長代理(2022年)
専門分野:管理会計,原価計算,医療管理会計,公会計

[主な著作]
『医療バランスト・スコアカード:英米の展開と日本の挑戦』中央経済社,2005年5月(日本原価計算研究学会 学会賞受賞)
『医療原価計算:先駆的な英米医療界からの示唆』中央経済社,2007年2月(日本会計研究学会太田・黒澤賞受賞)
『病院原価計算:医療制度適応への経営改革』中央経済社,2009年1月(日本管理会計学会・文献賞受賞)
『医療サービス価値企画:診療プロトコル開発による費用対成果の追求』中央経済社,2011年7月
『病院管理会計:持続的経営による地域医療への貢献』中央経済社,2013年11月(日本公認会計士協会学術賞-MCS賞受賞)
『病院管理会計の効果検証:質が高く効率的な医療の実現に向けて』中央経済社,2019年9月
『診療所の財務実態:多角化・多拠点化の財務的効果』中央経済社,2020年1月
『病院の財務実態:多角経営時代の医療法人』中央経済社,2021年1月