海外M&Aに役立つグローバル戦略の勘どころ
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- 海外ビジネスを展開する企業、将来の海外進出を検討している企業を対象に、事業成功のための戦略の立て方や、事業展開に当たっての考え方を、豊富な事例を交え解説します。
目次
海外M&Aに役立つ
グローバル戦略の勘どころ
目次
はじめに
序 章 グローバル企業の海外での実情
1 日本のグローバル企業が利益率を下げてきているという現実
2 心もとない日本企業の海外現地の状況
3 そもそも,どうして海外で事業展開する必要があるのだろうか?
ケース1大手食品メーカーB社の場合
第1章 なぜ日本企業は海外事業に失敗するのか
第1節 海外事業に失敗する8つのパターン
1 海外M&A“買いっぱなし”の失敗:作ったは良いが放置される
海外拠点
2 海外事業の戦略意図の不明確性とそれと一貫しない進出の
実行の失敗
3 ターゲット企業のKFS(成功要因)の読み違えの失敗
4 ガバナンスの組成の失敗
5 縮み志向の日本人ビジネスパーソンゆえの失敗
6 リーダーシップ不在から生じる失敗
7 企業の競争力の源泉を社員でなくプロダクトに求めてしまう失敗
8 海外事業に常に付いてまわるリスク対応の失敗
第2節 日本式マネジメントが海外事業を潰す12の理由
1 日本式マネジメントが引き起こす「合成の誤謬」という特徴
2 「ムラ社会」から出られない日本企業
3 進出した先の国々の「国富」や現地人社員の幸福を考えたこと
があるのか?
4 考えることは誰でもできる,やりきる力(=徹底力)が大切
5 「権限はポストに帰属する」という大いなる誤解
6 日本企業の海外M&Aから炙り出されるもの
7 グローバル化はイノベーションの入り口というセンス
8 海外参入してもグルーバル化できない理由
9 グローバル企業に求められる海外リスクへのスタンス
10 根本的な帰属の認知の誤り
11 海外参入の失敗に世間がやさしいのはどういうこと?
12 株主重視の姿勢と配当政策
第2章 海外事業成功のためのポイント
第1節 成功のための7つの基本ポイント
1 海外事業展開で成功する企業の4つの特長
2 「成長性」と「収益性」を求める海外経営の意思決定の
プロセスが大切
3 「経済合理性」の制約があるからこそ,経済合理性が創造される
4 クリティカルシンキングという有効な方法
5 日本本社による一元的管理体制から,海外本社との二元的な
双本社体制を確立へ
6 大事にしたい「企業は従業員のもの」という日本企業の考え方
7 ステージに見合った役者がいる:予期しない「劇薬」の副作用・
副産物
第2節 戦略策定のための9つのポイント
1 グローバリゼーションの中での戦略の構造化
2 経営者から従業員まで:戦略方針のチューニングの大切さ
3 戦略ターゲットの陳腐化を防ぐための意図的なストレッチ
4 これだけは譲れない―ルーツ(DNA)に忠実であること
5 日本の強みといわれる技術を価値化するための高度な戦略が
必要
6 「合意形成のためのルール形成」の重要性
7 成否のカギはガバナンスにある
8 どのような競争優位を構築するのかというブレない戦略のうえで
の目的指向型のガバナンス
9 ショートターム・ヘゲモニーにこだわってはいけない
第3節 ファイナンスにおける5つのポイント
1 自社が満足できる利回りを把握すること:海外事業を何年で
回収させると考えるか
2 パートナー探しの際は,相手の財務諸表では現れない価値を
探る
3 事業規模の勘定の仕方を変える
4 黒字の『見える化』計画を立てるには?
5 有効に活用したい邦銀からの資金調達条件
第4節 企業価値向上のための5つのポイント
1 財務的指標と非財務的指標に基づく価値の連鎖
2 常にモニタリングされるべき価値連鎖
3 新たなる『価値創出』を目する―というブレない命題作り
4 M&Aは最も有効な手段の一つ
5 目的は「買う」ことではなく早期の収益化である
第5節 マーケティングにおける5つのポイント
1 “メイド・イン・アメリカ”の復活をどう見たらいいのか?
2 ブレないバリュープロポジション(Value Proposition)の再確認
3 マーケット(市場位置)のモザイク化
4 次代の海外展開に相応しいマーケットを選択していくこと
5 たんなる売買差益型の「フロー・ビジネス」の限界性からの脱却
第6節 成功する組織を作る6つのポイント
1 ボーディングスクールやフィニッシングスクールのような組織
2 組織が業績に及ぼす影響
3 現地法人トップに求められる望ましい行動のスタンスは?
4 緊張感を持続できる企業組織の醸成が重要
5 価値を創出できる組織とは?
6 真のグローバル人材の育成の具体案
第7節 イノベーションを達成する2つのポイント
1 海外でのイノベーション活動を進めるうえでのジレンマ
2 海外事業においてイノベーションを起こせないわけがない
第3章 これからのグローバル戦略
第1節 グローバル化という現象をどう見ていくか?
1 中小・零細企業のグローバル化をどう考えたらいいのか?
2 グローバル化の中で変質する資本主義
3 国際競争力とはなんぞや?
4 比較優位による国際分業や規模の経済性
5 対“現地でのマーケット”においてはすべての企業がローカル
企業という再認識
第2節 海外事業スキームの組織編制はどうするか?
1 双本社体制で海外本社が現地事業を管理することの意義
2 期待される双本社体制での世界標準的な管理手法の導入
3 経験曲線とスケールメリット(規模の経済)を得やすいJV形態に
よる参入スタイル
4 日本国内への外資導入誘致によるJV形態
第3節 海外事業の再生とIPO
1「企業再生ファンド(ターンアラウンダー)」の利用
2 海外現地法人の事業再生・企業再生の現状
3 手段と目的はしっかり区別すること
【参考文献】
著者プロフィール
小林 一郎(こばやし・いちろう)
M&Aコンサルタント,青山学院大学特任教授。
1960年生まれ。
岡山県倉敷市生まれ。
慶應義塾大学経済学部卒。
味の素株式会社,国際会計事務所プライスウォーターハウス(現プライスウォーターハウス クーパース)を経て,
98年より㈱E.C.A代表取締役CEOとして,戦略コンサルティングを提供。
主にM&A助言,インキュベーション(事業開発)や企業再生のミッションをもって,活動している。
大学院での研究専門領域は,コーポレート・ファイナンス,M&A,ワールドワイドなビジネスモデルや海外事業開発である。
青学コンサルティンググループ取締役,タイ王国国立チュラロンコン大学大学院客員教授。
欧州復興開発銀行(EBRD)元ターンアラウンドマネジメントチーム(TAM)シニアインダストリアルアドバイザー。
【主要著書】
『現場で役立つM&Aの勘どころ』(2009年,中央経済社)
『e時代のマネジメントモデルがわかる本』(2000年,かんき出版)
『企業価値を高める戦略財務シナリオ』(共著・2002年,かんき出版)
『英語のできない人は仕事ができる』(2010年,PHP研究所)
『脱・社内奴隷』(共著・2010年,ユナイテッド・ブックス/阪急コミュニケーションズ)
『イケダハヤト×イチロー教授 新旧ソーシャルエコノミスト対談 会社について』[Kindle版](共著・2013年,ユナイテッド・ブックス)