不正会計調査の実務マニュアル―計画立案から報告書作成まで
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- 証券取引特別調査官等で経験した調査ノウハウを惜しみなく公開。考え方→説明→設例→Q&Aの解説により、証拠収集やヒアリングのしかたなどの調査実務が具体的にわかる。
目次
不正会計調査の実務マニュアル
―計画立案から報告書作成まで
目次
はじめに
第1章 調査計画の立案
1 全体の流れ
⑴ 設 例
⑵ 調査プロセス
⑶ 本書が対象とする不正事案
2 調査着手の判断
3 具体的な計画立案方法
⑴ 基本的な考え方
⑵ 調査範囲および調査方針の決定
⑶ 日程と人員
⑷ 調査チームの人選
4 情報管理
⑴ 情報の共有
⑵ 情報漏えい対策
第2章 証拠収集
1 考え方
⑴ 民間調査には強制権限がない
⑵ 実務慣行の蓄積
⑶ 任意性
⑷ 違法収集証拠排除原則
⑸ 迅速性
2 証拠収集の優先順位
⑴ 優先順位を付ける必要性
⑵ 嫌疑の確実さと不正嫌疑者からの距離
⑶ なるべく少ない箇所で収集する
⑷ 証拠収集状況管理表の作成
3 証拠物の保全および整理
⑴ コピーではなく原本を入手
⑵ 書き込みや変形・変造は厳禁
⑶ 同意書を得る
⑷ 証拠目録の作成
4 証拠物の分類
5 社内での証拠収集
⑴ 従業員の調査協力義務
⑵ 帳簿類
⑶ その他社内で収集できる証拠
6 電子データの収集とデジタル・フォレンジック技術の活用
⑴ 必要性
⑵ 不正会計事案で収集を目指す電子データ
⑶ 電子データの保全方法
⑷ 抽出条件の記録
⑸ 電子メールの収集 ……ほか
7 不正嫌疑者本人の管理物の確保
⑴ 本人に調査協力を求めるタイミング
⑵ 特段の迅速性
⑶ 隔離措置
⑷ 任意性
⑸ 礼儀正しい態度 ……ほか
8 社外での証拠収集
⑴ 社外で証拠収集を行う意義
⑵ 反面調査
⑶ 公的情報の照会
⑷ 実地調査
第3章 証拠分析
1 考え方
2 不正会計事案に共通する証拠分析の方法
⑴ 筋の見立て
⑵ 物読み表
⑶ 時系列表
3 粉飾事案の証拠分析
⑴ 粉飾事案の類型
⑵ 証拠分析の基本ステップ
4 業務上横領事案の証拠分析
⑴ 業務上横領事案の類型
⑵ 証拠分析の基本ステップ
⑶ 入出金状況表
5 電子データの分析とデジタル・フォレンジック技術
⑴ 必要性
⑵ 分析方法
⑶ 留意点
⑷ 電子メールの分析
⑸ 電子データ取扱い上の注意
6 科学的鑑定
⑴ 筆跡鑑定
⑵ 指紋鑑定
⑶ DNA鑑定
第4章 ヒアリング
1 考え方
⑴ 不正調査におけるヒアリング
⑵ 伝聞法則
⑶ 任意性
⑷ ラポールの構築
⑸ 記憶を過信しない ……ほか
2 不正嫌疑者本人へのヒアリング
⑴ 準 備
⑵ 態 度
⑶ 進め方
⑷ 自 白
⑸ 供述の変遷 ……ほか
3 不正嫌疑者以外へのヒアリング
⑴ ヒアリングは2段階で行う
⑵ 事実から乖離した証言がなされるリスク
4 供述の証拠化
⑴ 概 要
⑵ ヒアリングメモの作成
⑶ 供述録取書の作成
第5章 調査報告書の作成
1 考え方
2 結論の形成
⑴ 報告書の利用目的
⑵ 証拠の吟味
⑶ 公正・中立的な判断
⑷ 結論づけ・責任の所在の特定
⑸ 結論を保留する場合
3 報告書の形式
⑴ 全体の構成
⑵ 不正形態図
⑶ 書き方・表現法
参考文献
著者プロフィール
藤本 一夫(ふじもと・かずお)
藤本公認会計士事務所代表 公認会計士
昭和48年,広島県福山市生まれ。
平成8年,岡山大学経済学部卒業。
平成11年,公認会計士第2次試験合格後,プライスウォーターハウス青山監査法人入所。
平成15年,公認会計士登録。
平成16年,金融庁・証券取引等監視委員会証券取引特別調査官。
平成18年,わが国で初めてとなるフォレンジック専門の会計事務所,藤本公認会計士事務所を開設。
不正会計事案の調査,再発防止体制の構築支援など,会計不正への対応に高い実績がある。