会社法改正後のコーポレート・ガバナンス
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- 平成26年会社法改正で、監査等委員会設置会社制度・多重代表訴訟制度の創設等などの規制強化が行われた。本書は、自らが社外取締役でもある研究者が全体像を詳説する。
目次
会社法改正後のコーポレート・ガバナンス
目次
第1章 会社法改正でかわるガバナンス体制
Ⅰ 会社法改正の経緯
Ⅱ 新しいガバナンス体制の登場
Ⅲ 社外取締役の確保
Ⅳ 監査等委員会設置会社の新設
第2章 改正法下の株式会社の機関構造
Ⅰ 総 説
Ⅱ 株式会社における各種の類型に応じたガバナンス
1 取締役会・監査役会・会計監査人設置会社
2 指名委員会等設置会社 ……ほか
第3章 会社役員等の種類
Ⅰ 会社役員等の種類
1 総 説
2 取締役 ……ほか
Ⅱ 会社役員等の選任・選定・解任・解職・辞任
1 取締役の選任
2 代表取締役の選定・解職 ……ほか
第4章 監査等委員会設置会社の機関構造
Ⅰ 総 説
Ⅱ 監査等委員
Ⅲ 監査等委員会
Ⅳ 監査等委員会設置会社の取締役会の職務・権限
Ⅴ 監査役・監査委員・監査等委員の比較
第5章 役員等の業務執行
Ⅰ 取締役の業務執行
Ⅱ 代表取締役の業務執行
Ⅲ 取締役会の業務執行
Ⅳ 執行役の業務執行
Ⅴ 代表執行役の業務執行
Ⅵ 監査役の業務執行
Ⅶ 会計参与の業務執行
Ⅷ 会計監査人の業務執行
第6章 会社役員等の一般的義務と行為規制
Ⅰ 役員等の一般的義務
Ⅱ 善管注意義務 ……ほか
Ⅲ 経営判断の原則
Ⅳ 経営判断の原則に関する裁判例
Ⅴ 忠実義務
Ⅵ 善管注意義務違反等が認定された裁判例
Ⅶ 善管注意義務違反等が認められなかった裁判例
Ⅷ 忠実義務違反関連の裁判例
Ⅸ 競業避止義務と利益相反取引規制
Ⅹ 取締役の報告義務
第7章 社外取締役の義務と責任
Ⅰ 総 論
Ⅱ 日本取締役協会の提言
1 総 説
2 提言内容
Ⅲ 日本弁護士連合会のガイドライン
1 社外取締役にふさわしい者について
2 社外取締役の善管注意義務の法的分析 ……ほか
Ⅳ 総 括
第8章 役員等の会社に対する責任
Ⅰ 任務懈怠責任
Ⅱ 競業取引責任
Ⅲ 利益相反取引責任
Ⅳ 剰余金配当等に関する責任
Ⅴ 違法な利益供与に関する責任
Ⅵ 買取請求に応じて株式を取得した場合の責任
Ⅶ 期末欠損塡補責任
Ⅷ 資本充実責任
Ⅸ 会計参与の会社に対する責任
Ⅹ 会計監査人の会社に対する責任
Ⅺ 責任の一部免除・限定
第9章 役員等の第三者に対する責任
Ⅰ 会社法429条1項の責任
Ⅱ 不実の情報開示責任
Ⅲ 役員等の連帯責任
Ⅳ 会計参与の第三者に対する責任
Ⅴ 会計監査人の第三者に対する責任
Ⅵ 虚偽の財務書類をめぐる会社法以外の法律による責任
Ⅶ 粉飾決算・虚偽記載をめぐる近時の裁判例
第10章 親子会社をめぐる責任問題
Ⅰ はじめに
Ⅱ 子会社の株主または債権者による親会社または親会社の
取締役に対する責任追及
1 債権侵害による不法行為責任を追及する立場
2 法人格否認の法理により責任追及する立場 ……ほか
第11章 会社役員等の違法行為に対する措置
Ⅰ 業務執行に関する検査役の選任
Ⅱ 監査役による取締役の行為の差止め
Ⅲ 株主による取締役の行為の差止め
第12章 株主代表訴訟制度
Ⅰ 総 説
Ⅱ 会社への提訴請求
Ⅲ 株主の提訴
Ⅳ 不提訴理由の通知
Ⅴ 担保の提供
Ⅵ 代表訴訟の対象となる取締役の責任の範囲
Ⅶ 株式交換・株式移転の場合の特例
Ⅷ 訴訟参加
第13章 多重代表訴訟制度
Ⅰ 総 説
Ⅱ 最終完全親会社等への提訴請求
Ⅲ 「完全親会社等」,「最終完全親会社等」,「完全子会社等」
Ⅳ 株式保有要件
Ⅴ 発起人等の「特定責任」
Ⅵ 特定責任追及の訴えの手続
第14章 会社役員賠償責任保険
Ⅰ 総 説
Ⅱ 会社役員賠償責任保険約款の概要
1 保険会社の支払責任
2 保険金を支払わない場合 ……ほか
第15章 会社役員等の報酬
Ⅰ 取締役の報酬
Ⅱ ストック・オプション制度
Ⅲ 会計参与・監査役の報酬
Ⅳ 会計監査人の報酬
Ⅴ 指名委員会等設置会社における取締役・会計参与・執行役の
報酬
Ⅵ 役員報酬の開示
Ⅶ 近時の関連裁判例
第16章 企業買収(M&A)
Ⅰ 総 説
Ⅱ 敵対的企業買収
1 総 説
2 買収防衛策 ……ほか
索 引
著者プロフィール
石山 卓磨(いしやま たくま)
1947年 釧路市に生まれる
1970年 早稲田大学第一法学部卒業
1975年 早稲田大学大学院法学研究科博士課程満期退学
獨協大学法学部教授,英国国立エセックス大学法学部客員教授,オックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ上級研究員,早稲田大学商学部教授等をへて,
現 在 日本大学法科大学院教授,弁護士(第一東京弁護士会),法学博士
沖電気工業株式会社取締役(社外)
主要著書
『事実上の取締役理論とその展開』(成文堂,1984年)
『論文試験会社法』(編著)(学陽書房,1991年)
『公開会社と閉鎖会社の法理』(酒巻俊雄先生還暦記念)(共編著)(商
事法務研究会,1992年)
『アメリカの協同組合と相互会社』(監訳)(成文堂,1996年)
『商法総則・会社法』(論文式問題演習)(中央経済社,1996年)
『現代会社法・保険法の基本問題』(成文堂,1997年)
『短答式商法演習』(第3版)(中央経済社,1998年)
『集中講義会社法』(第2版)(成文堂,1999年)
『みぢかな商法入門』(共編著)(不磨書房,2000年)
『ワークスタディ商法・会社法』(編著)(不磨書房,2002年)
『21世紀の企業法制』(酒巻俊雄先生古稀記念)(共編著)(商事法務研究会,2003年)
『現代会社法講義』(第2版)(成文堂,2009年)
『最新判例にみる会社役員の義務と責任』(中央経済社,2010年)
『現代保険法』(第2版)(編著)(成文堂,2011年)
『ハイブリッド会社法』(共著)(法律文化社,2012年)
『事例演習会社法』(法学書院,2012年)
- 担当編集者コメント
- 平成26年改正後の会社の機関制度について解説しています。
今回の改正では、監査等委員会設置会社という新制度の導入が注目されます。さらに社外取締役の義務づけの議論が、熱を帯びるなどの会社役員を取り巻く環境の変化に対応した内容となっています。
研究者として判例の分析を充分に行いながら、著者は見津からも社外取締役をつとめていらっしゃるので、その実務経験が活きるコメントが随所にみられます。