- 本の紹介
- 企業の生命線であるキャッシュを扱う財務部門は、決裁機能だけでなく、グループ全体のキャッシュやリスクを把握し、経営の意思決定に直結した機能を持つ必要があること示す。
目次
トレジャリー・マネジメント
■ CFOと財務担当者のための「資金管理」の教科書
目次
はじめに
第1章 トレジャリー・マネジメントの概要
1 トレジャリー・マジメントとは
2 企業経営の考え方とトレジャリー・マネジメント
3 連結会計とトレジャリー・マネジメント
4 グローバル・キャッシュ・マネジメントの背景
5 CMSからGCMSへの移行
6 GCMSの基本構造
7 GCMSの現状の問題点
第2章 トレジャリー関連業務
1 トレジャリー対象項目の定義
2 キャッシュ関連業務
3 日次資金繰り管理業務
4 月次,四半期資金繰り管理業務
5 資金計画業務
6 現在行われているリスク・マネジメント業務
第3章 経営責任とトレジャリー・マネジメント
1 Treasuryに対する認識
2 直接金融資本主義への移行の歴史的背景と課題
3 トレジャリー・マネジメントにおける税務戦略
4 トレジャリー・マネジメントにおけるリスク
5 経営管理とトレジャリーの意義
6 グローバル経営管理とトレジャリー
7 資本コストと経営戦略事例紹介:GEフィナンシャル・エンジン・
モデル
第4章 銀行とキャッシュ・マネジメント
1 キャッシュ・マネジメントと銀行の役割
2 メインバンクとグローバル・キャッシュ・マネジメント
3 キャッシュ・マネジメント銀行選択のポイント
4 グローバル・キャッシュ・マネジメントと個別銀行の戦略
5 事例研究:花王株式会社
6 銀行CMSの選択と課題
第5章 トレジャリー・マネジメントとシステム
1 トレジャリー・ソリューションの導入環境
2 TMSのビッグバン:クラウドは何を変えたのか
3 クラウドに死角はないのか
4 アジア・パシフィック企業の財務テクノロジー導入トレンド
5 日本企業の目指すべき「トレジャリー・マネジメント」とは
6 トレジャリー・マネジメント高度化と課題解決
第6章 トレジャリー・マネジメントと人材育成
1 トレジャリー・マネジメントで要求される人材要件
2 最高経営責任者のトレジャリーに関する役割と責任
3 CFOのトレジャリーに関する役割と責任
4 トレジャリーに求められる人材
5 経理・財務部門の必須知識区分
6 教育システムの現状
7 トレジャリー人材育成への提言
第7章 トレジャリー・マネジメントと財務リスク
1 事例に見るキャッシュ・フローの重要性
2 従来のリスク・マネジメント・モデルの問題
3 財務リスクの視点から見た負債・資本構造
4 財務リスク・マネジメントの基本的考え方
5 財務リスクに対する具体的対応
6 健全な財務リスクを取るために
第8章 トレジャリー・マネジメントと不正リスク
1 経営の影響が深刻な不正リスク
2 不正リスクの発生条件と事例
3 不正に対する内部統制と組織管理
4 リスクの「見える化」とビッグデータを活用する情報インフラ整備
5 不正リスクの根絶に向けて
あとがき
索 引
著者プロフィール
岸本 光永(きしもと こうえい)
1943年生まれ。ソニー㈱,コスモ証券㈱エコノミスト,㈱日本金融システム研究所社長,Ernst & Young Consultingを経て,大阪経済大学教授,立教大学大学院教授などを歴任。現在は,企業役員を務めるほか,執筆活動や社会人教育(クリティカル・シンキング,アントレプレナー育成)などを精力的に活動。
昆 政彦(こん まさひこ)
1959年生まれ。早稲田大学商学部卒業,シカゴ大学経営大学院修士課程(MBA)修了。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程修了,博士(学術)。GE横河メディカルシステム㈱CFO,㈱ファーストリテイリング執行役員,GEキャピタルリーシング㈱最高財務責任者(CFO)等を歴任。現在は,スリーエム
ジャパン㈱代表取締役副社長執行役員のほか,経済同友会幹事,グロービス経営大学院教授,早稲田大学商学研究科(MBAコース)非常勤講師などを務める。
大田 研一(おおた けんいち)
1947年生まれ。1971年一橋大学社会学部卒業。日本電気㈱に入社後,米国CMSの構築,金融子会社設立の企画および実行責任者を務める。投資銀行マネージング・ディレクター,ベンチャー企業CFO,戦略コンサルティング会社ディレクター,財務研修講師,山口大学専門職大学院(MOT)教授,社外監査役(上場会社2社),㈱アコーディア・ゴルフ取締役常務執行役員(CFO)などを歴任。現在は,
日本CFO協会主任研究委員,International Treasury Committee Member,International Association
of Financial Executive Institute,投資信託会社の社外取締役,大学の非常勤講師を務めるほか,財務コンサルティングおよび研修業務などを精力的に活動。
田尾 啓一(たお けいいち)
1951年生まれ。1973年京都大学理学部卒業。三井情報開発㈱に入社後,企業の情報システム構築ならびに調査研究業務を担当。監査法人トーマツ代表社員,デロイトトーマツコンサルティング㈱(現アビームコンサルティング㈱)常務取締役,プリンシパルなどを歴任。現在,立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科教授,同研究科長のほか,社外監査役(3社)などを務める。公認会計士。