税務調査で使える内部統制のつくり方―税務コーポレート・ガバナンス

本の紹介

企業不祥事が絶えない理由の１つに法律で強制された内部統制の機能不全がある。積極的に、税務分野まで内部統制を活用できないかとの思いから企画された異色のガバナンス本。

税務調査で使える内部統制のつくり方
目次

序 章　 社長室長のアジェンダ①

第1章　税務コーポレート・ガバナンス
　１　税務コーポレート・ガバナンスの目的
　（１）税務コンプライアンス　……ほか
　２　優良なコーポレート・ガバナンスの例
　（１）トップマネジメントの適切な関与　……ほか
　３　全社的な税務ネットワークの整備
　（１）経営者の意思表示　……ほか

第2章　税務リスクと内部統制
　１　会計基準と税法の定め
　（１）利益と所得　……ほか
　２　利益と所得の要件
　（１）財務会計の適正性の要件　……ほか
　３　税務リスクの識別
　（１）税務リスクの意味　……ほか
　４　内部統制の構築
　（１）指示適当制　……ほか
　５　内部統制の運用
　（１）意　味　……ほか
　６　内部統制のモニタリング

第3章　メリットと限界
　１　会社にとってのメリット
　２　税務調査においてのメリット
　（１）構築状況の調査　……ほか
　３　内部統制の限界
　（１）内部統制の故障　……ほか

第4章　収益の過少計上リスクと内部統制
　１　商品等の販売
　（１）業務の内容　……ほか
　２　委託販売
　（１）業務の内容　……ほか
　３　工事請負契約
　（１）業務の内容　……ほか
　４　作業くず・試作品の売却
　（１）業務の内容　……ほか

第5章　費用の過大計上リスクと内部統制
　１　マーケティングの活動の外注
　（１）業務の内容　……ほか
　２　アルバイトの人件費
　（１）業務の内容　……ほか
　３　貸倒損失
　（１）業務の内容　……ほか
　４　修繕費
　（１）業務の内容　……ほか
　５　固定資産の除却損
　（１）業務の内容　……ほか

第6章　費用の区分誤りリスクと内部統制
　１　寄附金
　（１）業務の内容　……ほか
　２　交際費等
　（１）業務の内容　……ほか
　３　使途不明金等
　（１）使途不明金　……ほか

第7章　資産の過少計上リスクと内部統制
　１　売掛金の貸倒引当金
　（１）業務の内容　……ほか
　２　商品等の期末棚卸高
　（１）業務の内容　……ほか
　３　商品等の評価損
　（１）業務の内容　……ほか
　４　有価証券の評価損
　（１）業務の内容　……ほか
　５　固定資産の減価償却
　（１）業務の内容　……ほか
　６　負担金等の償却
　（１）繰延資産の取扱い　……ほか

第8章　負債の過大計上リスクと内部統制
　１　買掛金
　（１）業務の内容　……ほか
　２　未払金
　（１）業務の内容　……ほか
　３　予約販売
　（１）業務の内容　……ほか

終 章　 社長室長のアジェンダ②

　資料　国税当局の確認票

　参考文献



著者プロフィール 土田義憲（つちだ　よしのり）
千葉商科大学非常勤講師，公認会計士。
新日本監査法人シニアパートナー，東北工業大学教授を経て現職。

《主な著書》
『内部統制の実務』（第32回日本公認会計士協会学術賞受賞，中央経済社）
『財務報告に係る内部統制の実務』（中央経済社）
『法令等順守の内部統制』（中央経済社）
『取締役・監査役の内部統制』（中央経済社）
『監査役の新仕事』（中央経済社）
『内部監査の実務』（中央経済社）
『これからの内部監査部門の仕事』（中央経済社）
『実践ビジネス・リスク・マネジメント』（大蔵財務協会）

土田 義憲（つちだ よしのり）

担当編集者コメント

会計の世界では、あれだけ騒がれた内部統制なのに、なぜ、税務の世界にはないのか、という疑問を長年抱いていました。それを土田氏にぶつけたところ、この度の企画になりました。
偶然、不祥事が頻発し、この本を待っていたかのような雰囲気にちょっとハイテンションです。

著者から

本書は、税務コンプライアンスを維持・向上させるのに有効なコーポレート・ガバナンスの体制と、収益の計上漏れや架空経費の計上などを予防・発見する税務上の内部統制について、具体的なケースを掲げながらわかりやすく解説したものです。「