会計職業倫理の基礎知識―公認会計士・税理士・経理財務担当者・FPの思考法
スティーブン・デラポータス 著
スティーン・トムセン 著
マーティン・コンヨン 著
浦崎 直浩 監訳
菅原 智 監訳
定価(紙 版):5,060円(税込)
発行日:2016/03/18
A5判 / 276頁
ISBN:978-4-502-18251-8
- 本の紹介
- 近年頻発する会計不正問題は、倫理の欠如が大きな要因の1つといえる。本書では、会計士、税理士、経理財務担当者、FPに必要な会計職業倫理の基本的な考え方を解説。
- 担当編集者コメント
- 本書は、スティーブン・デラポータス他により2012年に出版されたPrinciples of Ethics and Corporate Governance in Financial Servicesの日本語版です。原著は、大学・大学院における会計倫理のテキストですが、会計職業倫理について扱った類書と比較して倫理哲学の理論を重視した体系となっていることが特色です。原著は、倫理哲学の理論を出発点として、会計プロフェッションが個人として働く場合の職業倫理、会計プロフェッションが組織に帰属して働く場合の職業倫理、経済社会におけるビジネス倫理へと展開し、さらに職業倫理規程や企業行動規程を有効に機能させるためのガバナンスの問題へとつなげています。そのような体系をもち、かつ、理論的側面を重視した会計倫理に関するテキストは日本ではみられず、日本語版の意義はそこにあるといえるでしょう。
会計不正問題が発生するたびに、制度の見直しによりこれを防止することが議論され、先般公表された「会計監査の信頼性確保のために-会計監査の在り方懇談会提言」でもその方向が垣間見られますが、小手先の制度の見直しにどれほど効果があるか疑問に感じます。つまり、問題の根本にある倫理の欠如に対応せず真の問題解決はないと思われます。したがって、東芝問題などの会計不正について盛んに議論されている今この時期に会計プロフェッションに対する倫理的思考や意思決定の基礎知識を提供する本書の意義は大きいのではないかと考えております。
会計プロフェッションの皆様には、本書を業務遂行する上でぜひお役立て・ご参考にしていただけると大変うれしいですね。
また、本書は大学・大学院向けのテキストですので、会計学を学ぶ学生の方にも是非読んでいただきたい1冊です!