ゲーム理論で考える企業会計―会計操作・会計規制・会計制度
- 本の紹介
- 複数の経済主体がお互いに相手の行動を読みあって行動する場合、どのような結果がもたらされるのか?利益操作から会計規制の強化、コンバージェンスなど具体的な問題をゲーム理論を用いて検討。
目次
ゲーム理論で考える企業会計
会計操作・会計規制・会計制度
目次
はじめに
第1章 ゲーム理論は会計に有効なツール
Ⅰ ゲーム理論とは?
Ⅱ 本書の目的
Ⅲ 企業会計におけるゲーム的状況
Ⅳ ゲーム理論を用いた分析の手順
Ⅴ 本書の読み方
Ⅵ 各章のあらまし
第Ⅰ部 会計操作
第2章 企業による利益の操作(その1)
─企業とメインバンクによるゲーム─
Ⅰ はじめに
Ⅱ ルールの表現方法
Ⅲ 利益操作をしない場合
Ⅳ 利益操作をする場合
Ⅴ まとめ
第3章 企業による利益の操作(その2)
─企業と一般投資家によるゲーム─
Ⅰ はじめに
Ⅱ ゲームのルール
Ⅲ 投資家の判断とプレーヤーの行動
Ⅳ 結果の解釈
Ⅴ 利益操作は常に行われるのか?
Ⅵ まとめ
第4章 会計が企業行動に及ぼす影響
Ⅰ はじめに
Ⅱ 利益操作の手段
Ⅲ 基本モデル
Ⅳ 裁量行動のコスト
Ⅴ 会計基準の経済的影響
Ⅵ 会計の政治化
Ⅶ まとめ
第5章 中小企業が行う大胆な利益操作
Ⅰ はじめに
Ⅱ ゲームのルール
Ⅲ プレーヤーの行動
Ⅳ ゲームの一部変更(その1)
Ⅴ ゲームの一部変更(その2)
Ⅵ まとめ
第6章 企業会計における情報インダクタンス
Ⅰ はじめに
Ⅱ 情報インダクタンスの概要
Ⅲ 企業が会計情報を修正する場合
Ⅳ 企業が会計事実自体を修正する場合
Ⅴ まとめ
補論 完全ベイジアン均衡の求め方
第7章 税務申告と税務調査
Ⅰ はじめに
Ⅱ 企業課税制度の概要
Ⅲ 過少申告が許される場合
Ⅳ 過少申告が許されない場合
Ⅴ 純粋戦略と混合戦略
Ⅵ まとめ
第Ⅱ部 会計規制
第8章 会計規制の必要性
Ⅰ はじめに
Ⅱ 会計規制が存在しない場合
Ⅲ 会計規制の導入
Ⅳ 会計規制が不要なケース
Ⅴ 継続開示と会計情報の信頼性
Ⅵ まとめ
第9章 会計規制の強化(その1)
─規制強化は企業にとって有利になるのか?─
Ⅰ はじめに
Ⅱ 規制強化の例
Ⅲ 基本モデル
Ⅳ 会計規制のレベル
Ⅴ 規制強化の受入可能性
Ⅵ 規制強化の経済的評価
Ⅶ まとめ
第10章 会計規制の強化(その2)
─規制強化は投資家にとって有利になるのか?─
Ⅰ はじめに
Ⅱ 会計に関するゲーム的状況
Ⅲ 規制強化が有効である場合
Ⅳ 規制強化が有効でない場合
Ⅴ 会計規制と裁量行動
Ⅵ 会計規制の緩和
Ⅶ 会計の基本原理に関する若干の考察
Ⅷ まとめ
第11章 会計規制の最適レベル
Ⅰ はじめに
Ⅱ モデル
Ⅲ 結果の解釈
Ⅳ 最適規制レベル
Ⅴ まとめ
第Ⅲ部 会計制度
第12章 会計基準についての2つの見方
Ⅰ はじめに
Ⅱ 制度の見方
Ⅲ 会計基準はゲームのルールである(第1の見方)
Ⅳ 会計基準はゲームの均衡である(第2の見方)
Ⅴ 基準設定機関の行動原理
Ⅵ 会計基準の変更
Ⅶ まとめ
第13章 会計基準のコンバージェンス
Ⅰ はじめに
Ⅱ 企業会計に関するゲーム的状況
Ⅲ 基本モデル
Ⅳ 応用モデル
Ⅴ 数値例による検討
Ⅵ まとめ
補論 均衡の求め方
第14章 会計と税務の関係
Ⅰ はじめに
Ⅱ 法人税の概要
Ⅲ 会計と税務の相互関連性
Ⅳ 特徴的なアプローチ
Ⅴ 基本モデル
Ⅵ 数値例による検討(その1)
Ⅶ 数値例による検討(その2)
Ⅷ まとめ
第15章 会社法における配当規制と開示規制
Ⅰ はじめに
Ⅱ 会社法会計の動向
Ⅲ 配当規制と開示規制がともに存在しない場合
Ⅳ 配当規制だけが存在する場合
Ⅴ 開示規制だけが存在する場合
Ⅵ 配当規制と開示規制の比較検討
Ⅶ まとめ
付録 均衡概念について
Ⅰ ナッシュ均衡
Ⅱ サブゲーム完全均衡
Ⅲ 完全ベイジアン均衡
おわりに
著者プロフィール
田村 威文(たむら たけふみ)
1965年 兵庫県生まれ
1988年 大阪大学経済学部卒業
1991年 公認会計士登録
1993年 大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程中退
同年 大阪国際大学経営情報学部助手
専任講師・助教授を経て
2002年 中央大学経済学部助教授
2004年 中央大学経済学部教授(現在に至る)
2008年 公認会計士試験委員(2011年に至る)
〔主要著作〕
『わが国における会計と税務の関係』(単著,清文社,2006年)
『イントロダクション財務会計』(共著,同文舘出版,1995年)
『イントロダクション国際会計』(共著,同文舘出版,2000年)