地方自治体の内部統制―少子高齢化と新たなリスクへの対応

石川 恵子

定価(紙 版):3,520円(税込)

発行日:2017/10/27
A5判 / 192頁
ISBN:978-4-502-24381-3

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本の紹介
少子高齢化が進行する地方自治体が、今後持続可能なサービスを維持しつづけるために行うべき内部統制の整備・運用のあり方を提示。2017年改正地方自治法に対応。

著者紹介

石川 恵子(いしかわ けいこ)

担当編集者コメント
2017年6月に公布された「地方自治法等の一部を改正する法律」で新たに義務付けられた内部統制の整備・運用。

本書はまさに帯に書かれているように、「地方自治体が今まさに構築すべき内部統制の羅針盤!」という内容です。

本書の問題意識は、「はしがき」で次のように示されています。

「本書を執筆する動機づけとなっているのは、内部統制の整備・運用が求められる地方自治体が現に組織内に設けられている統制のしくみと統制活動を顧みることなく、民間企業の内部統制のしくみに倣って整備・運用に取り組むことへの懸念からである。
すでに述べたとおり、地方自治体には統制のしくみと統制活動がある。既存のしくみと統制活動を顧みることなく、単に民間企業の内部統制の整備・運用を導入することは、「二重の統制」となる。これは、地方自治体の負担を増すだけでなく、行政活動の効率性の妨げになる。
今後、内部統制の整備・運用を構築しようと計画している地方自治体がまず実行すべきことは自らの組織の統制のしくみと統制活動の実態を明らかにすることである。そのうえで、既存の統制活動にはどのような課題があるのか、新たに設ける内部統制のしくみは既存の統制活動の何を補完するものとなるのか、それぞれの機能が効果的に運用されるためにはどのようなしくみを設けるかを検討することが求められる。これにより、無意味な「二重の統制」の構築を避けることができる。
確かに、地方自治体の内部統制にとって、民間企業の手法は倣うべきものが多くある。なかでも、事務手続の可視化ならびにリスクの可視化の方法は民間企業に多くの実績があることから、これを参考に、その適合性を判断し、取捨選択することが必要となろう」。

つまり、石川先生の問題意識・提言としては、①地方自治体の内部統制の整備・運用に企業会計の考え方に倣って取り組むことは絶対に避けるべき、②実態把握したうえでそれに即した整備・運用をすべき、③サブタイトルに「少子高齢化と新たなリスクへの対応」とあるが、これにはICT・AIの活用が必要ではないか、ということだと思います。

地方自治体担当者の喫緊の課題について、有益なヒントを提示する本書。
ぜひ、ご覧ください!


<お詫びと訂正>
http://www.biz-book.jp/amendments/link_file/503