金融機関の会計政策―時価会計・利害調整・情報操作
- 書籍品切れ中
- 本の紹介
- 政策的要素が介入しやすい金融機関の事例をもとに、会計に期待される役割を利害調整機能・意思決定機能などから考察。技術面にとらわれがちな会計の諸問題を普遍的な理論に導く。
目次
金融機関の会計政策
―時価会計・利害調整・情報操作
目次
はしがき
序章 経済社会と財務会計
1 市場における評価
2 順序づけと優勝劣敗
3 市場の失敗と政策の失敗
4 騙すことと騙されること
第?部 時価会計の意義とその影響
第1章 金融危機と時価会計― その因果性と関連性―
1 金融機関へのリスク集中
2 金融機関の機能的特性
3 金融危機の歴史的教訓
4 金融危機の会計的意義
5 金融会計の構造的特性
6 時価会計の制度的特徴
7 時価会計の経済的意義
第2章 アカウンティング・ジレンマ
―時価会計の凍結法案と減損会計の適用延期をめぐって―
1 財務会計と経済社会
2 連鎖反応―ルール・行動・影響・圧力
3 ジレンマの正体
4 三竦みの構造
5 立法者の驕り―会計ルールの設定プロセス
6 経済政策からの侵食現象
第3章 時価会計における相殺と表示
― 総額主義と純額主義の再検討―
1 会計処理とディスクロージャー
2「相殺」のパターン
3 持分証券と負債証券の区別
4 キャピタル・ゲインとキャピタル・ロス
5 総額主義と純額主義
6 「相殺」と「表示」の関連性
7 展開可能性
第?部 利害調整の機能とその背景
第4章 金融機関による債権放棄における利害調整機能
―財務会計における利害関係者の特性と関連性―
1 疑心暗鬼
2 分析的枠組みとその特性
3 金融機関の「多重人格性」
4 債権放棄時の利害調整
5 債務の株式化(DES)の特性
6 認識と解釈――税務上の課題
7 経済産業政策としての側面
8 責任転嫁
第5章 融資の資本金への「転換」行為にかんする会計学的考察
―東京相和銀行による偽装増資事件をめぐって―
1 玉石混淆
2 事実としての行為
3 偽装としての理解
4 転換としての理解
5 関係としての認識
6 阿の呼吸
第6章 保護対象としての債権者間における優先順位
― 米国預金保険制度におけるD epo s ito r P reference
を中心にして―
1 債権者保護
2 制度的な前提
3 Depositor Preferenceの定義とその影響
4 Depositor Preferenceの法律的側面
5 管理費用の意義
6 影響と対策
7 優先順位の決定
第?部 会計情報の操作とその意義
第7章 クリエイティブ・アカウンティングの合理性と社会性
― その存在意義と実態的背景に着目して―
1 絶対性と相対性
2 緊急避難的な措置
3 クリエイティブ・アカウンティングの手法
4 相殺の可能性
5 保険機能―不確実性への対応策
6 永続性と必要悪
第8章 プロフォーマ会計の合理性と社会性
― 会計情報操作の新形態とその含意―
1 規制と自由
2 経常性と異常性の狭間
3 「EBITDA」の意義と特性
4 四半期報告書の功罪
5 自発的な開示の功罪
6 説明責任と自己責任
7 誤導と誤解
第9章 バイアスとメッセージ―会計情報における恣意性と有用性―
1 比較可能性と会計世界観
2 「恣意性」の有用性
3 「多様性」の弁護論
4 会計情報の「メッセージ性」
5 「解釈」の可能性
6 カンニング
終章 経済的合理性と政治的妥協
1 会計基準設定と会計情報作成
2 意思決定機能と利害調整機能
3 市場の効率性と政策の効果性
4 説明理論と規範理論
むすび
初出掲載雑誌一覧
索引
著者プロフィール
星野一郎(ほしのいちろう)
1956年広島県豊田郡本郷町(現三原市本郷町)にて出生
1991年中央大学大学院商学研究科博士課程後期満期退学
1992年信州大学経済学部講師,その後,助教授を経て,
教授(2000年まで)
1998年博士(会計学)(中央大学)の学位取得
2000年広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻教授
(現在にいたる)
[主要著書](単著の学術書のみを記載)
『金融危機の会計的研究―米国S &L 危機と時価評価―』(同文舘,1998年)
『会計政策の法則―会計行動の特性と背景―』(同文舘,1999年)
『金融機関の時価会計―背景・役割・影響―』(東洋経済新報社,2001年)