負債と資本の会計学―新株予約権・複合金融商品・ストック・オプションの検討
- 本の紹介
- 負債と資本の区分、払込資本の測定と負債の評価の接点、米国ストック・オプションの費用認識の歴史的根拠と税効果会計等について、会計基準の考え方と根底にある理論を検討。
- 担当編集者コメント
- 負債と資本の区分、払込資本の測定と負債の評価の接点、米国のストック・オプションの費用認識の歴史的根拠と税効果会計等について、会計基準の考え方とそれを支える理論を究明した研究書です。
1.目次
第1章 本書の問題意識と各章の構成
第2章 転換社債など複合金融商品の発行の会計―区分処理と払込資本の測定
第3章 取得条項付転換社債型新株予約権付社債の会計問題―一部現金決済の可能性のある取得と消却
第4章 自社株式による決済の会計と負債・資本の区分
第5章 米国のストック・オプションの会計基準の変遷にみる費用認識の根拠と税効果会計
第6章 日本企業のストック・オプションの特徴と自己新株予約権の処理
第7章 結論と今後の課題
2.本書の趣旨と検討している論点
<本書の趣旨>
本書では、負債と資本について、新株予約権を用いた資金調達とストック・オプションの検討を通じて議論する。
その際、議論の中心は、新株予約権の行使に伴う株式発行時の払込資本がどのように測定されるかという問題であり、さらに、新株予約権の性質に関する問題である。特に、社債が株式に転換される場合の測定も、負債と資本をめぐる問題である。
加えて、新株予約権の性質をめぐっては、日本では、かつて、負債の部の仮勘定に新株予約権が行使されるまで計上され、権利行使が行われた時点で、払込資本に算入されていた。現在では、新株予約権は純資産の部に計上されており、負債と資本の区分に関する動きも改めて問い直している。
<本書の論点>
①負債と資本の会計学という観点から、新株予約権の性質が特に権利行使前に払込資本と同じものといえるか?
②社債部分の拠出による代用払込や転換、取得条項に基づく取得の際に、株式発行が行われる場合、負債部分をどのように評価し、払込資本の増加金額を測定するか?
③現金払込を伴う新株予約権の発行は、単独発行と社債に付して発行されるケースがあるが、そこでの新株予約権の議論と、ストック・オプションとして無償で付与する場合の新株予約権の議論が同じものか否か?
ぜひご覧ください!