- 本の紹介
- EDINETによる電子開示制度は、近年XBRLを媒介に財務分析等の利用可能性を飛躍的に発展させた。ビジネスリポーティングのこれまでを眺望し、今後のあり方を提言する。
目次
電子情報開示のフロンティア
目次
序
第1章 会計ディスクロージャーの新機軸
? はじめに
? 会計ディスクロージャーの変化の諸相
? 包括的ビジネスレポーティングとその展開
1 ジェンキンス報告書の意義
2 会計ディスクロージャー拡大の新展開
―ビジネスレポーティングの拡張
? Webベース・ビジネスレポーティングの概念モデル
? Webベース・ビジネスレポーティングの特質と課題
1 Webベース・ビジネスレポーティングの特質
2 Webベース・ビジネスレポーティングの課題
? むすび
第2章 e‐ディスクロージャーとネットワーク倫理
? はじめに
? アメリカにおけるディスクロージャーの新展開
1 拡張ビジネスレポーティングの構想
2 EBRのコンセプト
3 EBRの概念的フレームワーク
? ディスクロージャーにおける役割期待の構造
? 会計行為とネットワーク倫理
? むすびにかえて
第3章 電子開示制度の発展過程
? はじめに
? EDGARシステムの発展
1 EDGARシステム開発の経緯
2 基本構成
? EDGARシステムの近代化
1 近代化の背景
2 近代化の目標
3 近代化の成果
? 関係機関および諸外国への影響
1 カナダにおける電子開示システムの開発
2 自主規制機関の電子開示システム
? むすび
第4章 EDINETの現状と課題
? はじめに
? 電子開示手続の概要
1 EDINETの概要
2 EDINETのメリット
? 電子開示手続および任意電子開示手続
1 電子開示手続
2 任意電子開示手続
3 証券取引所等への通知
? EDINET使用の例外
1 提出会社側のシステムダウン
2 金融庁側のシステムダウン
? 電子開示手続による公衆縦覧の方法
1 法定開示書類の公衆縦覧
2 EDINET縦覧サブシステム
3 EDINET情報公開サブシステム
4 本店および主要な支店における縦覧
? EDINETの課題
1 EDINETのシステム見直し
2 EDINETの機能拡充
? むすび
第5章 電子開示制度の制度的課題
? はじめに
? わが国における電子開示制度
? 米国における電子開示制度
? 課 題
1 電子開示システムのXBRL対応による高度化
2 リアルタイム・ディスクロージャー
? むすび
第6章 電子情報開示とインターネットIR戦略モデル
? はじめに
? IRの定義の変遷
1 アメリカの全米IR協会によるIRの定義
2 アメリカのSECレギュレーションFDとSOX法の影響
? インターネット株式取引を行う個人投資家の台頭
1 わが国の株式売買委託手数料の完全自由化
2 わが国の口座数と取引高の傾向分析
3 情報通信技術とコミュニケーション形態の多類型化
? インターネットIR戦略
1 物的なモノのデジタル化は実現可能か
2 イギリスのICAEWのデジタル報告
3 インターネットIRのフレームワーク
? むすび
第7章 電子情報開示とコーポレート・ガバナンス
? コーポレート・ガバナンスをめぐる制度改革
? コーポレート・ガバナンスのタイポロジー
? コーポレート・ガバナンスを支えるアカウンタビリティー
? アカウンタビリティーのステージと電子情報開示
1 強制されたアカウンタビリティーと電子情報開示
2 自発的なアカウンタビリティーと電子情報開示
? ダイアローグ型アカウンタビリティーの可能性
第8章 XBRLと会計ディスクロージャー
? はじめに
? XBRLの基本概念
1 タグ付け言語としてのXBRLの特徴
2 XBRLの基本概念―タクソノミ
3 XBRLの基本概念―インスタンス
? 会計ディスクロージャーへのXBRL導入の意義
1 データの二次利用
2 リアルタイム化
3 信頼性の向上
? XBRL導入の状況と今後の課題
1 XBRL導入の状況
2 XBRLリポジトリ・データベース構築の必要性
第9章 XBRLの現状と課題
? はじめに
? XBRLの現状
1 第12回 XBRL International Conference
2 世界におけるXBRLの動向
3 日本におけるXBRLの動向
4 XBRLの技術基盤
5 XBRLの拡張性
6 XBRL応用上の規定
7 タクソノミ
8 組 織
? XBRLの課題
1 タクソノミの開発と保守
2 電子申告データの再利用
3 「開かれた報告環境」の実現
4 XBRL GLの普及促進
5 ソフトウェア製品のXBRL対応の推進
? むすび
第10章 Webサイトの技術的課題
? はじめに
? Web上でのビジネスレポーティングの事例
? ビジネスレポーティングを電子化するための技術
1 電子化に利用される基本的な技術
2 電子化に利用されるその他の技術
? 技術上の問題とその将来像
第11章 IT監査の理論展開
? はじめに
? XBRLの導入が監査とコントロールに及ぼす影響
1 電子開示制度へのXBRLの導入と国際的動向
2 XBRLがコントロールに及ぼす影響
3 XBRLが保証業務に及ぼす影響
4 XBRLの導入と監査のあり方
? 保証業務の拡張とXBRL / XARLの役割
1 XBRLと拡張された事業報告(EBR)
2 XBRLと拡張可能な保証報告言語(XARL)
? IT監査研究の課題
第12章 情報セキュリティ対策の信頼性保証
? はじめに―電子取引における信頼構築の段階
? 情報セキュリティ対策の設定とその信頼性保証
1 情報セキュリティ対策の設定
2 情報セキュリティ対策の保証
? 情報セキュリティ対策の開示とその信頼性保証
1 情報セキュリティ対策の開示
2 情報セキュリティ対策開示の保証
? むすび
第13章 IT監査(検証)の実践的課題−Trustサービスの実践
? はじめに
? WebTrust
1 WebTrustの背景
2 WebTrustの概要
3 WebTrust検証の意義
? 認証局のためのWebTrust
1 認証局のためのWebTrustの概要
2 認証局のためのWebTrust原則および規準
? SysTrust
1 SysTrustの概要
2 SysTrust原則と規準
? プライバシーフレームワーク
1 プライバシーフレームワークの概要
2 プライバシーの概念
3 プライバシー原則と規準
? むすび
■索 引
著者プロフィール
《編著者紹介》
河? 照行(かわさき てるゆき)
1950年 山口県に生まれる
1979年 神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了
1992年〜1993年 米国テキサス大学客員研究員
2004年〜2006年 甲南大学副学長
現 在 甲南大学大学院教授。甲南大学会計大学院院長。
経営学博士(神戸大学)
・税理士試験委員を歴任し,公認会計士試験委員
・日本会計研究学会理事,税務会計研究学会理事,日本IR学会理事,日本簿記学会監事
・経済産業省中小企業政策審議会臨時委員,XBRL Japan特別会員
〔主要著書・論文〕
『情報会計システム論』(単著,中央経済社,1997年)
『デリバティブ会計とヘッジ戦略』(共訳,東洋経済新報社,2000年)
『eディスクロージャー:電子情報開示の理論と実践』(編著『企業会計6月別冊』,中央経済社,2001年)
『リスクマネジメントと会計』(編著,同文舘,2003年)
『新会社法と中小会社会計』(共著,中央経済社,2006年)
『中小会社の会計指針』(共著,中央経済社,2006年)
『21世紀の財務報告:XBRLの本質』(共訳,同文舘,2007年)
「『会計方針の変更』に関する概念的枠組みと実態分析」(『會計』1988年10月・11月,日本会計研究学会賞受賞)
「財務会計の研究動向と将来展望:会計ビッグバン後の財務会計」(『會計』2006年12月)
「会計ディスクロージャー拡大化の動向とXBRL」(『産業経理』2007年1月)