品質コストの管理会計

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梶原 武久

定価(紙 版):3,740円(税込)

発行日:2008/03/27
A5判 / 256頁
ISBN:978-4-502-28240-9

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本の紹介
日本企業はなぜ品質コストを利用するのか?品質コストの利用によって何がもたらされるのか?日本的品質コストの現状や課題を管理会計の観点から解明する本格的実証分析。

目次


品質コストの管理会計
目次



第1章 本書の問題意識と研究課題
 1. 日本的品質管理の特徴
 2. 日本的品質管理限界論
 3. 日本的品質管理をめぐる動向
 4. 日本企業における品質コストの普及
 5. 品質コストを検討することの管理会計研究上の意義
 6. 「品質コスト」の観点からみる日本的品質管理
 7. 本書の構成

第2章 先行研究のレビュー
 1. 品質コストの基礎概念
  1.1 品質コストとは?
  1.2 品質コストの経済性
  1.3 品質コストのメリット
  1.4 品質コストの問題点
  1.5 品質管理大家の見解
  1.6 Ittner(1992)によるフィールド・スタディ

 2. 日本企業と品質コスト
  2.1 日本への品質コスト概念の導入
  2.2 進まない日本企業への普及
  2.3 品質管理領域における反応
  2.4 管理会計領域における品質コスト研究
  2.5 なぜ日本企業に品質コストの普及が遅れたのか?

 3. 日本的品質管理と非財務的業績指標
  3.1 オペレーション・マネジメントと非財務的業績指標
  3.2 無形資産と非財務的業績指標
  3.3 日本的管理会計としての非財務的業績指標の活用
  3.4 経験的先行研究

 4. 小 括

第3章 日本企業による品質コスト測定・利用の実態
 1. サーベイデータにみる品質コストの測定・利用状況
  1.1 郵送質問票調査の実施概要
  1.2 品質コストの測定・利用状況の把握方法
  1.3 品質コストの測定・利用状況
  1.4 品質管理コストの測定・利用状況
  1.5 失敗コストの測定・利用状況

 2. フィールド・スタディにみる品質コスト測定・利用の実態
  2.1 フィールド・スタディの概要
  2.2 品質コスト実践例

 3. 小 括

第4章 品質コスト測定・利用の決定要因に関する分析
 1. 問題の所在

 2. 品質コスト測定・利用に影響を及ぼす要因:仮説の構築
  2.1 品質コストの増加傾向の強まり
  2.2 検査活動の強化
  2.3 品質相互依存性の高まり
  2.4. 業績の低迷

 3. 研究方法
  3.1 調査方法
  3.2 測定尺度

 4. 分析結果
  4.1 品質コスト測定の有無の決定要因
  4.2 品質コスト測定項目数の決定要因
  4.3 失敗コスト重要度の決定要因

 5. 分析結果の検討

 6. 小 括

第5章 品質コスト測定の効果に関する分析
 1. 問題の所在

 2. 品質コスト測定の効果:仮説設定
  2.1 品質コスト測定の直接的効果
  2.2 品質と財務業績の関係の正確な把握がもたらす3つの効果
  2.3 予防コスト増加がもたらす効果
  2.4 品質業績と財務業績の関係

 3. 研究方法
  3.1 調査方法
  3.2 測定尺度

 4. 分析結果と考察

 5. 小 括

第6章 品質指標の情報内容に関する分析
 1. 問題の所在
  1.1 ROQの低下
  1.2 品質指標の情報内容

 2. Nagar and Rajan(2001)

 3. 研究方法

 4. 分析結果

 5. 結果の考察
  5.1 内部失敗コストによる影響
  5.2 クレーム件数による影響
  5.3 外部失敗コストによる影響

 6. 小 括

第7章 品質コスト・ビヘイビアに関する分析
 1. 問題の所在
  1.1 品質コスト・ビヘイビア解明の必要性
  1.2 競合する2つの品質コストモデル
  1.3 経験的な証拠

 2. X工場品質コストデータに基づく分析:時系列データの分析
  2.1 研究サイトと使用するデータ
  2.2 分析モデル
  2.3 分析結果
  2.4 分析結果のまとめ

 3. サーベイデータによる分析:クロスセクション・データの分析
  3.1 品質コストの推移
  3.2 品質管理コストと失敗コストの関係性
  3.3 分析結果のまとめ

 4. 小 括

第8章「品質コスト」にみる日本的品質管理の現状と課題
 1. 分析視角としての「品質コスト」

 2. 品質管理コストと失敗コストの関係性の検討
  2.1 X工場担当者の見解
  2.2 「TQM」,「トレード・オフ」,「火消し」の特徴

 3. パフォーマンス・フロンティア理論仮説

 4. パフォーマンス・フロンティアへの接近がもたらす弊害

 5. パフォーマンス・フロンティアに接近した状況での対応

 6. パフォーマンス・フロンティアへの接近と業績指標の選択
  6.1 非財務的業績指標の問題点
  6.2 品質コスト情報の有用性

 7. 小 括

第9章結論とインプリケーション
 1. 各章における発見事実

 2. 本書のインプリケーション
  2.1 日本的品質管理のもとでの財務的業績指標としての品質コスト
     の有用性
  2.2 戦略的コスト・マネジメントとしての品質コスト・マネジメント
  2.3 日本的品質管理に対する実践的インプリケーション

 3. 本研究の限界と今後の課題

 参考文献

 巻末付録
  [A] わが国製造業における品質管理活動の現状に関する
      アンケート調査

  [B] 回答企業一覧

 索  引
著者プロフィール 梶原 武久(かじわら たけひさ)
1970年 福岡県に生まれる
1994年 神戸大学経営学部卒業
1996年 神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了
1997年 小樽商科大学商学部講師
1999年 小樽商科大学商学部助教授
2006年 神戸大学大学院経営学研究科准教授(現在に至る)

〔主要著書〕
『成功する管理会計システム:その導入と進化』中央経済社,2004年(共著)
〔主要論文〕
「日本企業における品質コストマネジメント実践の多様性とその規定要因」『原価計算研究』第29巻第2号,2005年(日本原価計算研究学会論文賞受賞)
「品質指標が出荷額に及ぼす影響に関する実証分析」『原価計算研究』第31巻第1号,2007年
「品質コスト・ビヘイビアに関する実証研究:X工場におけるケーススタディ」『会計プログレス』第8号,2007年
「「品質コスト」にみる日本的品質管理の現状と課題」『會計』第172巻第6号,2007年
「品質コスト測定がもたらす効果に関する実証研究:サーベイデータに基づく分析」『原価計算研究』第32巻(近刊)

























著者紹介

梶原 武久(かじわら たけひさ)
[プロフィール]
神戸大学大学院経営学研究科教授 博士(経営学)神戸大学
1970年生まれ。1994年神戸大学経営学部卒業、1997年神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程退学。1997年小樽商科大学商学部講師、1999年同助教授、2006年神戸大学大学院経営学研究科准教授を経て2013年より現職。

[主な著作]
『品質コストの管理会計』中央経済社、2008年(日本原価計算研究学会文献賞・日本管理会計学会賞・日経品質管理文献賞受賞)
『管理会計研究のフロンティア』(共編著)、中央経済社、2010年
『管理会計入門(第2版)』(共著)、日経文庫、2017年
“Measuring the cost of individual disruptions in multistage manufacturing systems” Journal of Management Accounting Research,28(1),2016(共著)
“Cultural Challenges in Mitigating International Supply Chain Disruptions” IEEE Engineering Management Review,46(1),2018(共著)
“Value of new performance information in healthcare: evidence from Japan” International Journal of Health Economics and Management,20,2020(共著)