- 本の紹介
- 会計基準の導入により誘発された企業行動や市場における評価を明らかにするため、退職給付会計情報を用いて分析。市場の動きと経営者の意思決定との関連等を実証的に検証。
目次
退職給付会計情報の分析
目次
まえがき
第1章 退職金制度と会計情報
1. 企業年金制度以前の退職金制度
2. 企業年金制度と積み立て
3. 退職金に関する会計制度
4. 本書の目的と構成
第2章 企業年金の積み立てと企業業績
1. 企業年金制度の現状
2. 企業年金モデルとその問題点
(1) 三菱信託モデル
(2) Tepper and Affleck モデル
3. 「企業年金評価モデル」と仮説
(1) 「企業年金評価モデル」の定立
(2) モデルの含意と問題提起
(3) 仮説の提起
4. データと分析方法
5. 分析結果
(1) 一変量テスト(予備的分析)
(2) 採用企業の分析
(3) 新規採用企業の分析
6. 結び
第3章 企業年金の積み立てと労働組合
1. 問題の所在
2. 労働組合と企業年金制度
(1) 労働組合の態度変更
(2) オプションモデルを用いた企業年金の評価
3. 仮説の提起
4. 実証方法
(1) サンプルとデータ
(2) 代理変数と分析方法
5. 実証結果
(1) 労使の協調関係と企業年金採用
(2) 採用企業の分析
(3) 新規採用企業の分析
6. 結び
第4章 税制,労働組合と年金積み立て
1. 序
2. 積み立てに関する先行研究
(1) 税金をとりあげた研究
(2) 労働市場における研究
3. 税制と労働組合の仮説
4. 分析方法
5. 分析結果
(1) 記述統計と相関係数
(2) 積み立ての要因分析
(3) 追加分析
6. 結び
第5章 米国基準による企業年金情報と株価の分析
1. 序
2. 米国基準による年金情報
3. 積立不足の変動要因と仮説
(1) 積立行動の影響
(2) 運用成果の影響
4. 分析方法
5. 分析結果
(1) 積立行動と株価
(2) 運用仮説の分析変数と株価モデル
(3) 運用損益と株価
6. 結び
第6章 退職給付会計情報と株価
1. 序
2. 積立不足と掛金情報の関係
3. 仮説
4. サンプルと分析方法
5. 分析結果
(1) 記述統計
(2) 会計情報と株価の分析
6. 結び
第7章 財務上の特約と積立不足の償却
1. 財務上の特約と会計行動
2. 退職給付会計基準の導入と目標利益
3. 仮説
4. 実態調査
5. 実証分析
(1) 分析方法
(2) 積立不足の償却要因分析
6. 結び
第8章 財務上の特約と割引率の選択
1. 序
2. 割引率に関する会計基準
3. 先行研究と検証仮説
(1) 先行研究
(2) 仮説
4. 分析方法
5. 分析結果
(1) 記述統計と相関係数
(2) 割引率の要因分析
6. 結び
第9章 総括
1. 企業年金の積み立て
2. 積立不足と株価
3. 新会計基準導入時の企業行動
4. 割引率の決定要因
5. 新しい企業年金制度
■巻末付録
? 企業年金年表
? 退職給付会計データ統計表
■参考文献
■索引
著者プロフィール
吉田和生(よしだかずお)
[略歴]
1964年愛知県生まれ。
名古屋市立大学経済学部卒業。
同大学大学院経済学研究科博士後期課程中退後,弘前大学人文学部助手,米国チューレーン大学及び豪州ニューサウスウェールズ大学客員研究員等を経て,
現在,名古屋市立大学大学院教授。
証券経済学会学会誌編集委員(2001-04年)。
ディスクロージャー研究学会副会長(2005年−)。
日本経営財務研究学会学会誌編集委員(2006年−)。
[主要論文]
“Japanese corporate pension plans and the impact on stock prices”,Journal of Risk and Insurance, Vol.70, No.2, pp.249-268, 2003.
“Determinants of Japanese corporate pension coverage”, Journal of Economics
and Business, Vol.54, No.5, pp.537-555, 2002.
「SEC 基準による企業年金情報と株価の分析」『経営財務研究叢書20 経営財務戦略の解明』日本経営財務研究学会編,中央経済社, 119-142頁,2001年。