企業結合会計の論点―持分プーリング法容認を考える

  • 書籍品切れ中

齋藤 雅子

定価(紙 版):4,620円(税込)

発行日:2008/12/16
A5判 / 308頁
ISBN:978-4-502-29010-7

ただいま品切れ中です

入荷をお待ちの方は、
お気に入りリストへご登録ください

  • ただいま品切れ中です

    入荷をお待ちの方は、
    お気に入りリストへご登録ください

本の紹介
会計基準のコンバージェンスの進展により持分プーリング法は廃止されることとなった。いまあえて現行制度容認の立場から検討を加えた国際的な流れにも一石を投じる詳細な研究。

目次


企業結合会計の論点
─持分プーリング法容認を考える
目次

 まえがき

 序 章 持分プーリング法をめぐる議論
  1 国際的潮流
  2 企業結合会計の変遷
  3 問題意識
  4 本書の構成と研究の独創性

第1部 コンバージェンス
 第1章 企業結合会計基準の背景
       ─制度の本質から持分プーリング法を斟酌する意味─
  1 コンバージェンスの要請と日本の立場
  2 会計不信とコンバージェンス
  3 企業結合の波
  4 支配の変化
  5 関連諸制度
  6 制度の本質からみた持分プーリング法

 第2章 同等性評価における企業結合の補完措置と各国対応
  1 2007年問題から2009年問題へ
  2 同等性評価の問題
  3 コンバージェンスとの関係
  4 企業結合に関連する補完措置
  5 補完措置への対応
  6 今後の課題

 第3章 企業結合と共同支配─ IFRS3を中心に─
  1 企業結合会計をめぐる共同支配の問題
  2 共同支配の改訂と経緯
  3 支配概念の解釈
  4 2つの支配─単独と共同─
  5 共同支配とJV の判定─「契約上の合意」と「支配の存在」─
  6 共同支配概念と支配概念の関係

第2部 共同支配企業の形成
 第4章 共同支配企業の形成とエンティティ
  1 エンティティの変容
  2 共同支配企業の取扱い
  3 IASB とFASB の基本スタンス
  4 会計単位としてのエンティティ
  5 支配の限界と共同支配企業の捕捉

 第5章 ジョイント・ベンチャー会計の変遷
  1 ジョイント・ベンチャーの多様性
  2 ジョイント・ベンチャー会計の起源
  3 海外のジョイント・ベンチャー会計
  4 持分法と比例連結
  5 基準設定以前の問題点とその後

 第6章 建設業ジョイント・ベンチャーの会計指針
       ─IAS31との比較を通じて─
  1 建設業とジョイント・ベンチャー(JV)
  2 建設業を取り巻く環境
  3 建設業会計と会計指針
  4 IAS31との整合性
  5 会計指針の意義

 第7章 共同事業における管理会計情報のフロー
       ─価値連鎖概念を援用して─
  1 会計情報ニーズの変化
  2 日本の製造業と会計情報
  3 価値連鎖分析とその援用
  4 会計情報のフローと実体概念
  5 考察を通じて

第3部 共通支配下の取引(企業集団内の再編)
 第8章 共通支配下の取引に関する企業結合会計基準とIFRS の
       論拠
  1 企業集団内の企業結合取引と会計基準のニーズ
  2 共通支配下の取引の位置づけ
  3 会計上の取扱い
  4 異なる論拠
  5 IASB の方向性に対する視座

 第9章 少数株主持分と基礎概念の論理一貫性
  1 企業集団における企業結合取引の解釈
  2 企業集団内の組織再編取引と問題点
  3 連結会計基準における取扱い
  4 少数株主持分の表示区分の変化
  5 基礎概念の論理矛盾
  6 問題解決に向けて

 第10章 セグメント情報の充実に向けて
  1 セグメント情報の環境的側面
  2 セグメント情報の開示基準
  3 企業集団の資本政策─トラッキング・ストック─
  4 ジェンキンズ・レポートの開示スタンス
  5 セグメント情報の開示実態
  6 開示の充実に向けて

第4部 関連法制とガバナンス
 第11章 企業再編税制における時価の論点
  1 企業再編税制導入と背景
  2 企業再編税制の概観
  3 課税の公平性と「時価」の問題
  4 「時価」の解釈と会計処理
  5 資産評価と「時価」の明確化

 第12章 LLP・LLCの会計問題─実務対応報告第21号を中心に─
  1 LLP・LLC の制度化
  2 LLP・LLC 制度の概要
  3 LLP・LLC の会計処理
  4 法的性質のちがいと会計処理方法の選択適用
  5 今後の課題

 第13章 敵対的買収が企業のディスクロージャー情報に与えた影響
        に関する事例研究
  1 所有者構造の変化
  2 敵対的買収が増加する背景
  3 敵対的買収とコーポレート・ガバナンスの関係
  4 事例研究
  5 ディスクロージャーの拡充に向けて

 終 章 持分プーリング法容認の論拠と今後の対応
  1 論点整理
  2 結  論

  参考文献

  索  引


著者プロフィール 齋藤 雅子(さいとう まさこ)
2001年 関西学院大学商学部卒業
2003年 関西学院大学大学院商学研究科博士課程前期課程修了 修士(商学)
2006年 関西学院大学大学院商学研究科博士課程後期課程単位取得
2006年 大阪産業大学経営学部経営学科専任講師(現在に至る)
2008年 関西学院大学大学院商学研究科博士課程後期課程修了 博士(商学)

【主要業績】
「共同支配企業の形成とエンティティ」『企業会計』第57巻第5号,2005年。
「企業結合と共同支配に関する考察」『会計プログレス』第6号,2005年。
“The Eff ect of Regulatory Changes for Business Combinations in Japan,” International Review of Business, No.8, 2006.
「企業結合会計に関わる収斂と対立」(第10章担当,分担執筆),平松一夫編著『国際財務報告論─会計基準の収斂と新たな展開─』中央経済社,2007年。

























著者紹介

齋藤 雅子(さいとう まさこ)