- 本の紹介
- 最新テクノロジーを活用した新たなビジネスにおける法律実務を解説。知財・データの保護や契約の在り方について最新の改正およびガイドラインをもとに留意点を明らかにする。
目次
AI・IoT・ビッグデータの法務最前線
目次
はじめに
第1章 テクノロジーの進歩がもたらす変革
1 情報テクノロジーの進歩と法システムの変革
2 先端情報テクノロジーの概観
3 先端情報テクノロジーによる法システムの変革
(1) AI と法
(2) IoT・ビッグデータと法 …他
コラム X-Tech
第2章 A I 創作物と知財
1 はじめに
2 現行知財制度の下でのA I が創作した表現物の保護と
今後の在り方
(1) AI が創作した表現物は著作権法で保護されるか
(2) AI 創作物であることを秘匿して著作権法の保護を受けることは
できるか …他
3 A I が生成した発明・意匠・商標について
(1) AI による発明と特許法
(2) AI による意匠(デザイン)と意匠法 …他
4 自律的なA I 創作による著作権侵害
(1) AI による創作における依拠性
(2) AI の著作権侵害において責任を負う者
コラム リーガルテック
第3章 A I 開発委託契約
1 はじめに
2 A I 技術の解説
(1) AI 技術と機械学習の手法
(2) AI 技術の実用化プロセス
3 A I ソフトウェア開発の特徴
(1) 学習済みモデルの内容・性能等が契約締結時に不明瞭な
場合が多いこと
(2) 学習済みモデルの内容・性能等が学習用データセットによって
左右されること …他
4 A I ソフトウェアの開発方式
(1) AI 開発委託契約に適した開発方式
(2) 「探索的段階型」開発における各フェーズ …他
5 A I 開発委託契約における主な留意点
(1) 契約の法的性質(請負,準委任)
(2) 知的財産権の帰属,利用条件 …他
コラム ヘルステック
第4章 A I の保護と開発支援の法制度
1 はじめに
2 A I の知的財産法制上の保護
(1) AI の開発過程
(2) 元データの収集と法的保護 …他
3 データに施される暗号化技術等の保護強化
4 A I 開発にあたっての他人の著作物の利用
(1) 改正前著作権法第47条の7の規律
(2) 2018年改正後の現行著作権法による柔軟な規定の導入
…他
5 A I の利用に付随する他人の著作物の利用
第5章 ビッグデータの法的保護
1 はじめに
2 IoT とビッグデータ
(1) IoT とは
(2) IoT を支えるビッグデータ …他
3 ビッグデータの法的保護
(1) ビッグデータの活用を支える技術の保護
(2) 不正アクセス禁止法等による規制
(ビッグデータの間接的な保護)…他
4 おわりに
第6章 データの取引契約
1 はじめに
2 契約ガイドラインの概要(総論)
(1) ガイドラインの位置づけと,データ契約の3類型
(2) データ・オーナーシップ
3 データ提供型契約
(1) 派生データ等の利用権限
(2) 提供データの品質等に関する責任 …他
4 データ創出型契約
(1) 対象データの範囲・粒度
(2) 創出データや派生データの利用権限 …他
5 データ共用型(プラットフォーム型)契約
(1) プラットフォーム型における主要な特徴
(2) 利用規約の要否 …他
第7章 ビッグデータとプライバシー法制
1 はじめに
2 わが国におけるプライバシー法制
(1) 個人情報保護法による規制
(2) 電気通信事業法(通信の秘密)による規制 …他
3 欧州におけるプライバシー法制(GDPR)
(1) GDPR
(2) e プライバシー規則案
4 その他の各国のプライバシー法制
(1) アメリカの動向
(2) 中国の動向
5 パーソナルデータの活用に向けた最新の動き
(1) 情報銀行
(2) 信用スコア …他
6 パーソナルデータの活用と消費者への配慮
(1) Suica の事例
(2) Tポイントの事例 …他
7 おわりに
第8章 新規事業の参入を促す制度
1 はじめに
2 グレーゾーン解消制度
(1) グレーゾーン解消制度とは
(2) グレーゾーン解消制度の流れ …他
3 新事業特例制度
(1) 新事業特例制度とは
(2) 新事業特例制度の流れ …他
4 新技術等実証制度(いわゆる「規制のサンドボックス」制度)
(1) 新技術等実証制度とは
(2) 新技術等実証制度の流れ …他
コラム CASE
第9章 第四次産業革命と標準必須特許
1 はじめに
2 特許庁による標準必須特許のライセンス交渉に関する手引き
(1) 手引き策定の意義
(2) ライセンス交渉の「誠実性」のポイント
3 サプライチェーンにおける交渉の主体
4 ロイヤルティベース(算定の基礎)
5 使途が異なる場合のロイヤルティ
6 アップル対サムスン事件知財高裁大合議判決
(1) 判決の意義
(2) 消尽・黙示の許諾 …他
7 標準必須特許に関する紛争の解決
(1) SEP をめぐる紛争解決の実情
(2) Unwired Planet v. Huawei 事件英国控訴院判決 …他
著者プロフィール
齋藤 浩貴(さいとう ひろき) 第1章,第2章,第4章,第9章
弁護士 森・濱田松本法律事務所パートナー
東京大学法学部卒業。ニューヨーク大学法科大学院修士課程修了。
1990年弁護士登録(第二東京弁護士会)。1995年ニューヨーク州弁護士登録。2015年日本ライセンス協会理事(~現在),次期会長(2020年会長就任予定)知的財産,技術取引,情報通信,エンタテインメントに関連する交渉案件,訴訟案件およびマネジメント案件を中心に取り扱い,国内外にわたる取引に豊富な経験を有している。
近時の主な著書・論文として,『著作権法コンメンタール〔第2版〕』(勁草書房,2015年,共著),『情報・コンテンツの公正利用の実務』(青林書院,2016年,共編著),「知的財産のライセンス契約」『講座
現代の契約法 各論2』(青林書院,2016年,共著)などがある。
上村 哲史(かみむら てつし) 第5章,第7章,第8章
弁護士 森・濱田松本法律事務所パートナー
早稲田大学法学部卒業。早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。2002年弁護士登録(第二東京弁護士会)。
早稲田大学大学院法務研究科非常勤講師(著作権等紛争処理法),文化庁「著作権等の集中管理の在り方に関する調査研究」委員会委員,日本弁理士会必修研修講師等を歴任。知的財産権,IT,エンターテインメント,営業秘密,個人情報保護等の案件について豊富な経験を有する。
近時の主な著書・論文として,『インターネット訴訟』(中央経済社,2017年,共著),『情報・コンテンツの公正利用の実務』(青林書院,2016年,共著),『企業の情報管理 適正な対応と実務』(労務行政,2016年,共著)などがある。
岡田 淳(おかだ あつし) 第3章,第6章,第7章
弁護士 森・濱田松本法律事務所パートナー
東京大学法学部卒業。ハーバード大学ロースクール卒業。
2002年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2008年ニューヨーク州弁護士登録。経済産業省「AI ・データ契約ガイドライン検討会」委員(作業部会主査併任),農林水産省「農業分野におけるデータ契約ガイドライン検討会」専門委員,東京大学未来ビジョン研究センター客員研究員,青山学院大学大学院客員教授,日本弁理士会必修研修講師等を歴任。知的財産,テクノロジー,個人情報保護等の案件を手掛ける。
近時の主な著書・論文として,『データ利活用のための政策と戦略』(商事法務,2019年),『実務担当者のための欧州データコンプライアンス―GDPR
からe プライバシー規則まで』(商事法務,2019年),『特許侵害訴訟』(中央経済社,2018年)(いずれも共著)などがある。