- 本の紹介
- 経営危機に陥ったシャープが鴻海の子会社となり、その後、どのような取り組みを展開したのか、経営再建を成功に導いた基本的要因は何かなど、この間の経緯を丹念に解明する。
目次
シャープ再建の軌跡
目次
第1 章 シャープ買収への道のり(2012年3月~2016年8月)
1 鴻海のシャープ出資案の難航(2012年3月~2015年5月)
2 「日の丸液晶大連合」構想の浮上(2015年5~12月)
⑴ 「日の丸液晶大連合」構想の背景
⑵ 「日の丸液晶大連合」のメリット
⑶ 「日の丸液晶大連合」のデメリット …他
3 土壇場の逆転勝利(2016年1月~2月25日)
4 「偶発債務」による契約調印の延期(2016年2月26日~3月16日)
5 最終合意(2016年3月17日~4月2日)
6 出資完了(2016年4~8月)
〈第1章の注〉
第2 章 組織体制の変化
1 トップ経営陣の刷新
⑴ 旧経営陣の総退陣
⑵ 戴正呉新社長の奮闘
⑶ 鴻海流意思決定スタイルの導入 …他
2 資本関係の整理
⑴ JIS保有優先株の買戻し
⑵ クアルコム持ち株の売却
⑶ サムスンとの資本関係の解消 …他
3 傘下事業の再編
⑴ 本社ビルの売却
⑵ 知的財産専門子会社の創設
⑶ 取引業者の選別 …他
4 鴻海との共同事業
⑴ テレビの共同開発
⑵ 最軽量掃除機の共同開発
⑶ SDP広州工場の建設 …他
5 従業員モティベーション
⑴ 人員削減のうわさ
⑵ 人材流出
⑶ 報酬制度の改革 …他
〈第2章の注〉
第3 章 主要製品分野の変化
1 液晶パネル事業
⑴ ライバル各社の動向
⑵ 高級ディスプレイの開発
⑶ 有機EL事業の混迷 …他
2 テレビ事業
⑴ 鴻海との共同開発
⑵ テレビ販売目標の公表と達成
⑶ ブランド使用権の買戻し …他
3 スマートフォン事業
⑴ シャープの苦境
⑵ 貸し出しサービスへの参入
⑶ 統一ブランド商品の発売
4 アイデア家電事業
⑴ 空気清浄機
⑵ ロボホン
⑶ 調理家電 …他
5 太陽光発電事業
⑴ 世界市場の変容
⑵ 国内市場の飽和感
⑶ シャープの方向転換と事業縮小 …他
6 AIoT関連事業
⑴ クルマ型監視ロボット
⑵ AI搭載エアコン
⑶ 音声対話型AI技術システム …他
7 新規事業分野
⑴ 緑色半導体レーザー
⑵ 海外販路開拓
⑶ 空中表示素子 …他
〈第3章の注〉
第4 章 経営再建の成功
1 経営指標の改善
⑴ 鴻海傘下入り前の危機的状況(2010〜2015年度)
⑵ 鴻海傘下入り後の業績回復(2016年度以降)
2 東証1部復帰
3 信頼回復
⑴ 自己資本の充足
⑵ 格付けの引き上げ
⑶ 株価の回復 …他
4 まとめ
〈第4章の注〉
第5 章 再建成功の要因:鴻海とのシナジー効果を中心に
1 シナジー効果に関する理論説明
⑴ アンゾフの企業成長戦略
⑵ 多角化戦略がもたらすシナジー効果
2 シャープと鴻海の協力事例リスト
3 シャープ再建におけるシナジー効果の重要性
〈第5章の注〉
第6 章 今後の課題:経営戦略論による分析
1 鴻海・シャープの相互信頼関係を構築できるか
⑴ 買収前の相互不信
⑵ 信頼構築の努力
⑶ 郭台銘次第
2 鴻海流文化をどの程度取り入れるべきか
⑴ 鴻海の企業文化
⑵ 郭台銘の経営スタイル
⑶ 鴻海流文化の有用性の検討 …他
3 「液晶の次も液晶」か
⑴ 液晶=シャープのコア・コンピタンス
⑵ 韓国勢の有機EL制覇
⑶ 有機ELにおける日本企業の劣勢
4 ブランド力を維持できるか
⑴ 市場開拓の努力
⑵ ブランド戦略による分析
⑶ 海外市場拡大とブランド力向上の両立可能性
5 事業分野の優先順位をどう付けるか
⑴ BCGによるPPM分析モデル
⑵ 先行き不安の液晶事業
⑶ 足踏み状態の有機EL事業 …他
6 その他
⑴ ワンマン経営体制の解消
⑵ 従業員モティベーションの向上
⑶ イノベーション能力の維持 …他
〈第6章の注〉
著者プロフィール
喬 晋建