- 本の紹介
- 経済環境の構造変化の中で、日本の経営者報酬制度の特徴を分析し、コーポレートガバナンスの観点から適正なインセンティブを経営者に付与するアクセルとしてのあり方を示す。
目次
日本の戦略的経営者報酬制度
目次
はしがき
第1 章 経営者報酬制度はなぜ改革が必要なのか
1.1 背景と問題意識
1.2 本書の目的と経営者報酬制度の改革の必要性
1.3 報酬ガバナンスの確立と高度化
1.4 本書のフレームワークと構成
第2 章 経営者報酬制度の概要と日本企業の固有性
2.1 法的な規律からの経営者報酬制度
2.2 報酬要素
2.3 日本企業の経営者報酬制度の現状とその固有性
2.3.1 海外企業との比較
2.3.2 日本企業の経営者報酬制度の固有性
2.4 経営者報酬制度とコーポレートガバナンス
2.4.1 コーポレートガバナンスに対する多様な捉え方
2.4.2 コーポレートガバナンスにおける経営者報酬制度の位置付け
2.4.3 エージェンシー問題とインセンティブ設計
2.4.4 エージェンシー問題と経営者報酬制度に関する先行研究
2.4.5 先行研究からの知見
第3 章 日本企業の経営者報酬制度の固有性の生成とその要因
3.1 固有性の要因
3.2 内部組織と固有性の生成
3.2.1 日本企業の経営者選抜
3.2.2 トーナメント理論と経営者選抜
3.2.3 日本企業の賃金制度
3.2.4 インセンティブ理論からの考察
3.3 コーポレートガバナンスと固有性
3.3.1 インサイダー型のコーポレートガバナンス
3.3.2 メインバンクシステムによるエージェンシー問題の緩和
3.4 税制の影響
3.5 心理学的な視点からの考察
3.5.1 パズリングな現象
3.5.2 組織アイデンティフィケーション
(OI: OrganizationalIdentification)
3.5.3 モチベーションのクラウディング・アウト効果
第4 章 日本企業の経営者報酬制度の変容
4.1 欧米における経営者報酬制度の変遷
4.1.1 欧米における経営者報酬制度の変遷の概要
4.1.2 世界金融危機後の経営者報酬制度に対する法規制
4.1.3 米国の経営者報酬制度の規制強化
4.1.4 欧州の報酬規制
4.2 米国における経営者報酬制度の変遷
4.2.1 米国の経済環境の構造変化と経営者報酬制度の変遷
4.2.2 米国企業における内部組織の変容
4.2.3 機関化現象の進展と経済の金融化がガバナンスに与えた
影響
4.2.4 法規制の根底にある思想
4.2.5 米国の経営者報酬制度の変容
4.3 ドイツにおける経営者報酬制度の変遷
4.3.1 ドイツにおける内部組織の変容
4.3.2 ドイツにおけるコーポレートガバナンス改革
4.3.3 ドイツにおける法規制の変遷
4.3.4 ドイツの経営者報酬制度の変容
4.4 日本企業の経営者報酬制度の変容と今後の展望
4.4.1 内部組織の変容
4.4.2 株式持合いの低下とメインバンクの役割の変容
4.4.3 法規制と税制の改革
4.4.4 日本企業の経営者報酬制度の変容と展望
第5 章 経営者報酬制度の実態調査
5.1 日本企業における経営者報酬制度の実態調査
5.1.1 調査概要
5.1.2 各項目の集計結果分析
5.2 機関投資家へのアンケート調査の集計結果とインタビュー調査
5.2.1 機関投資家へのアンケート調査の集計結果
5.3 国内外機関投資家へのインタビュー調査報告の結果から
第6 章 日本企業の経営者報酬制度のあり方の方向性
6.1 経営者報酬制度の変革の必要性
6.2 報酬デザインのあり方
6.2.1 年次賞与(短期インセンティブ)
6.2.2 長期インセンティブ
6.2.3 日本企業の報酬デザインのあり方の方向性
6.3 報酬ガバナンスの改革
6.3.1 報酬委員会のあり方
6.3.2 日本企業の経営者報酬制度に関する情報開示のあり方
6.3.3 リスク管理
第7 章 これからの報酬デザイン
参考文献
索 引
著者プロフィール
境 睦(さかい むつみ)
桜美林大学大学院経営学研究科教授。
1966年生まれ。早稲田大学大学院商学研究科博士課程単位取得満期退学,桜美林大学経済学部専任講師,経営政策学部助教授,ビジネスマネジメント学群教授を経て2018年より現職。博士(経営学)(明治大学)。日本財務管理学会副会長,日本中小企業・ベンチャービジネスコンソーシアム副会長。
主要著書
『中小企業のアジア展開』(2016年,編著,中央経済社)。
『グラフィック経営財務』(2019年,編著,新世社)。