人事評価の会計学―キャリア・コンサーンと相対的業績評価
- 本の紹介
- 日本的雇用システムの急速に崩れつつある中、キャリア・コンサーンと相対的業績評価に関する問題がクローズアップされている。本書は、優れた研究論文をわかりやすく解題。
目次
第1章 キャリア・コンサーンと相対的業績評価(太田康広)
<第1部 キャリア・コンサーン>
第2章 働く動機づけとしてのキャリア・コンサーン(村上裕太郎)
第3章 業績指標をまとめるメリット(三輪一統)
第4章 非営利組織のキャリア・コンサーン(木村太一)
第5章 キャリア・コンサーンと報酬契約(西谷順平)
第6章 情報収集活動と成果主義(廣瀬喜貴)
<第2部 相対的業績評価>
第7章 相対的業績評価によるノイズ削減(松田康弘)
第8章 業績指標の努力感応度と精度(若林利明)
第9章 リーダーシップと情報共有(黄耀偉)
第10章 事業部制の選択と業績評価(濵村純平)
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第11章 数学付録(太田康広)
- 担当編集者コメント
- 〇本書の趣旨
日本的雇用システムを特徴付ける終身雇用や年功序列といった仕組みは,近年,急速に崩れつつある中、人材の労働生産性を適切に評価し、適材適所を促進し、状況が変わったときには素早く配置転換することが重要になってきます。
そうした中、キャリアの早い段階において、自分の能力がどれくらいなのか自分自身でもわかっていない若手の社会人が,短期的に求められている以上の努力をする「キャリア・コンサーン」という現象が生じています。
また、業績を評価される人がコントロールできない他人の業績と比べられて、その人の報酬が決まる「相対的業績評価」の問題もクローズアップされてきています。
いずれも人事評価にあたって業績指標をどのように使うかという問題と関わっており、学術的に興味深いテーマというだけでなく、実務においても重要なテーマといえるでしょう。
本書は、研究や実務に活かしていただくため、この分野の基礎的な重要文献を厳選してわかりやすく解題しています。
〇オススメします!
➊管理会計の分野で理論的な研究をしようとしている研究者や博士課程の大学院生
❷ミクロ経済学のプリンシパル・エージェント・モデリングで類似の研究対象に取り組んでいる隣接他分野(産業組織論,ファイナンス,「法と経済学」,労働経済学等)の研究者や博士課程の大学院生
❸人事評価に関心を持つ実務家やMBA の学生
<著者紹介(執筆順)>
太田康広(第1章、第11章) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授
村上裕太郎(第2章) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授
三輪一統(第3章) 大阪大学大学院経済学研究科講師
木村太一(第4章) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科専任講師(有期)
西谷順平(第5章) 立命館大学経営学部教授
廣瀬喜貴(第6章) 大阪市立大学大学院経営学研究科准教授
松田康弘(第7章) 東北大学大学院経済学研究科准教授
若林利明(第8章) 上智大学経済学部経営学科准教授
黄耀偉(第9章) 東北大学大学院経済学研究科助教(有期)
濵村純平(第10章) 桃山学院大学経営学部経営学科准教授