- 本の紹介
- IFRSと中国版IFRSの間にはどのような差異が存在するのか、その差異の原因は何か、中国の会計環境にどのような影響を与えるのかを、理論と実証の両面から検討する。
目次
中国会計基準のコンバージェンス
―理論と実証の融合
目次
はしがき
初出一覧
序 章 会計情報の果たす役割と本書の研究課題
1. 会計の目的と情報開示
2. 会計基準の国際化
3. 会計情報の有用性研究の展開
4. 本書の構成と概要
5. 本書の学術的意義
第1章 会計基準国際化の歴史的展開
1.はじめに
2.IASCのコア・スタンダードとその影響
3.IASCからIASBへの組織変革とその活動
4.会計基準のコンバージェンスをめぐるアメリカおよび日本の動向
5.むすび
第2章 会計目的と会計観の変容
1.はじめに
2.概念フレームワークにおける会計目的と会計観
3.会計情報の質的特性の変遷
4.実現利益と包括利益の相克
5.むすび
第3章 会計法規体系の整備と特徴
1.はじめに
2.改革開放政策の実施に伴う会計法規の整備と発展
3.会計法規体系の構成
(1)会計法
(2)「企業財務会計報告条例」
(3)「企業会計制度」と「企業会計基準」
4.会計法規体系の特徴
5.むすび
第4章 IFRSの受け入れに対する中国の対応
1.はじめに
2.中国版IFRSが公表された背景
3.中国版IFRSの内容
4.中国版IFRSとIFRSの差異
(1)公正価値の取扱い
(2)減損の戻入れの可否
(3)関連当事者の取扱い
(4)共通支配下の企業結合の取扱い
(5)投資不動産の範囲と外貨換算の処理
5.IFRSとの差異をもたらす会計環境
(1)経済環境
(2)会計目的
(3)文化的要素
6.むすび
第5章 中国版IFRSの導入が会計制度に与える影響
1.はじめに
2.コンバージェンスへの対応と姿勢
3.会計基準づくりの理論基礎と会計目的
4.コンバージェンスへの対応がもたらす会計処理への影響
(1)公正価値の取扱い
(2)包括利益の表示
5.むすび
第6章 証券市場の展開と情報開示制度
1.はじめに
2.証券市場の形成と初期の発展状況
3.証券行政および情報開示制度の整備
(1)証券市場の発展と関連法規の整備
(2)株式会社の上場基準と情報開示制度
4.証券市場の発展
5.証券市場が内包する諸問題と実証研究への影響
(1)A株,B株による1株2価格の問題
(2)株式の流通問題
6.むすび
第7章 中国版IFRSの公表に対する上海・深圳市場の反応
1.はじめに
2.先行研究のレビュー
3.リサーチ・デザイン
4.検証の結果と分析
5.むすび
第8章 中国版IFRSの導入と会計情報の価値関連性
1.はじめに
2.先行研究のレビュー
3.リサーチ・デザイン
4.検証の結果と分析
5.むすび
第9章 中国版IFRSの導入と会計情報の質
1.はじめに
2.会計情報の質的特性と先行研究
3.リサーチ・デザイン
4.調査の結果と分析
5.むすび
第10章 中国版IFRSの導入と利益の質
1.はじめに
2.利益の質と会計発生項目の関係
3.利益の質に関する先行研究
4.リサーチ・デザイン
5.調査の結果と分析
6.むすび
補 章 証券市場の効率性の検証
1.はじめに
2.効率的市場仮説の内容と検証手法
3.先行研究のレビュー
4.調査の方法と結果の分析
5.むすび
■参考文献
■索 引
著者プロフィール
《著者紹介》
蒋 飛鴻(しょう ひこう,JIANG Feihong)
1991年 蘇州大学英文科卒業(中国江蘇省)
1998年 明治大学経営学部卒業
2004年 明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(博士・経営学)
2005年 同済大学(School of Economics and Management,Tongji University・中国上海)専任講師
2008年 明治大学経営学部,専門職大学院(会計専門職研究科,グローバル・ビジネス研究科)兼任講師
2011年 明治大学大学院経営学研究科特任講師
2013年 実践女子大学人間社会学部准教授(現在に至る)
2019年 中央財経大学(School of Accountancy, Central University of Finance andEconomics・中国北京),Research
Scholar(2020年まで)
〔主要業績〕
「中国版IFRSの公表に対する上海・深圳市場の反応」(『企業会計』第70巻第4号),「中国会計
基準のIFRSへのコンバージェンスと会計情報の質」(『年報 経営分析研究』第35号),「IASB
の概念フレームワークにおける会計目的と会計観の変容」(『曾計』第198巻第5号),『財務
分析からの会計学』(共著,森山書店),『企業簿記論』(共著,白桃書房)など。