クロスボーダーM&Aの契約実務

森 幹晴 編著

定価(紙 版):4,180円(税込)

発行日:2021/03/22
A5判 / 344頁
ISBN:978-4-502-37271-1

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本の紹介
クロスボーダーM&Aの契約上の実務論点や交渉上のポイントを解説。主要項目ごとに契約上の留意点、和英対照のサンプル条項、参考事例を明示。米国・欧州・アジア特有の留意点にも言及。

目次



クロスボーダーM&Aの契約実務

目次

第1章 クロスボーダーM&Aの契約実務(全体像)
第1節 クロスボーダーM&Aの契約実務
 1 クロスボーダーM&Aの成功と課題
 2 M&Aにより何を手に入れるのか
 3 交渉力と交渉戦略
第2節 M&Aと取締役の善管注意義務(経営判断原則)
 1 M&Aと取締役の善管注意義務(経営判断原則)
 2 経営判断原則に関する最高裁の考え方と「高値掴み」の事例
 3 買収後に対象会社が経営破綻した事例
第3節 意向表明書(Letter of Intent)
 1 意向表明書(Letter of Intent)のポイント
 2 バリュエーションの提示
 3 独占交渉権
第4節 株式譲渡契約の全体像
 1 株式譲渡契約の全体像
 2 譲渡価格とその支払方法
 3 契約当事者とディールストラクチャー …他
第5節 ファイナンスの視点から見たM&A契約の理解

第2章 M&A契約の米国型・欧州型とアジア
第1節  伝統的に契約スタイルは対極にある米国型と欧州型
第2節 米国型と欧州型の典型的な相違点
 1 Closing Adjustment(価格調整)方式とLocked Box
   (固定価格)方式
 2 MAC条項と取引実行の前提条件
 3 参考事例 …他

第3章 株式譲渡契約(非上場会社の買収)
第1節 譲渡価格
 1 デットライクアイテムと価格減額要因
 2 価格調整(Closing Adjustment) 方式と固定価格
   (LockedBox)方式
 3 アーン・アウト(Earn-out)
第2節 取引ストラクチャー
 1 株式譲渡(Stock Deal)と資産譲渡(Asset Deal)
 2 部分買収・二段階買収
 3 株式譲渡(Stock Deal)で株主が複数存在する場合 …他
第3節 買収準備行為
 1 事業・資産のカーブアウト
 2 スタンドアローン問題
 3 株主関連取引の解消・清算
第4節 表明保証
 1 表明保証条項とは
 2 表明保証の基準時
 3 表明保証の分類 …他
第5節 表明保証保険
 1 表明保証保険とは
 2 表明保証保険の条件
 3 表明保証保険の引受審査(Underwriting)…他
第6節 誓約事項(コベナンツ)
 1 誓約事項(コベナンツ)とは
 2 クロージング前の誓約(Pre-closing Covenants)
 3 クロージング後の誓約(Post-closing Covenants)
第7節 取引実行の前提条件
 1 前提条件の役割
 2 個別の前提条件
第8節 契約解除
 1 重大な義務違反・表明保証違反
 2 Long Stop Date
 3 Break-up Fee …他
第9節 クロージング
 1 クロージング日の設定
 2 クロージングに向けた準備
 3 クロージング当日の実行方法 …他
第10節 ガン・ジャンピング規制
 1 ガン・ジャンピング規制とは
 2 クロージング前の対象会社への影響力行使
 3 M&A取引の過程における情報交換とカルテル規制 …他
第11節 補  償
 1 補  償
 2 補償の請求期限,補償額の下限・上限
 3 Pro-SandbaggingとAnti-Sandbagging …他
第12節 準拠法・紛争解決条項
 1 準 拠 法
 2 紛争解決条項
 3 参考事例
第13節 マネジメントとのサービス契約
 1 マネジメントとのサービス契約の位置づけ
 2 マネジメントとのサービス契約における交渉ポイント

第4章 上場会社の買収契約
第1節 上場会社の買収制度の概要
第2節 上場会社の買収契約(米国の上場会社の買収)
 1 取引ストラクチャーの検討
 2 上場会社の買収契約

第5章 事業会社の担当者が押さえておくべき論点
―「のれん」の減損問題,税務戦略,戦略的事業売却,
案件ソーシングからPMIまで
第1節 「のれん」の減損問題への実務的なアプローチ
 1 のれんの償却・非償却の議論
 2 PPAを通じた無形資産の認識とのれんの説明責任
 3 のれんの管理手法の確立 …他
第2節 クロスボーダーM&Aの税務戦略
 1 米国の税制体系
 2 税務に関する要検討事項
 3 おわりに
第3節 戦略的事業売却
 1 カーブアウト範囲の明確化
 2 想定される買手
 3 スタンドアローン問題とカーブアウト財務諸表 …他
第4節 案件ソーシングからPMIまで
 1 対象会社をどのようにソーシングすべきか
 2 クロスボーダーM&A/PMIを行う際,実務面ではどのような
   ことを意識すべきか
 3 日本の事業会社が取り組まなければならないことは何か …他
用語索引 
事例索引



著者プロフィール
〈編著者〉
森   幹 晴


著者紹介

森 幹晴(もり みきはる)
[プロフィール]
弁護士,ニューヨーク州弁護士

東京国際法律事務所の共同創業者,代表パートナー。クロスボーダーM&A,国内M&A,国際仲裁・訴訟案件,エネルギー・インフラ案件,ヘルスケア・ライフサイエンス,テクノロジー・メディア・テレコム,不正調査・コンプライアンス案件等で,日本企業やグローバル企業に助言を行う。また,クロスボーダーM&A,国際紛争など,さまざまなテーマでセミナーや講演を行う。各種メディアのランキングを受賞し,日経電子版のThink!エキスパートとしてニュースにひとこと解説をしているほか,主要経済紙や雑誌にコメントが掲載される。日本企業の社外役員も務める。

【経歴】
2002年 東京大学法学部卒業
2004年10月~2015年12月 長崎・大野・常松法律事務所
2011年 コロンビア大学ロースクール修士課程修了
2011年9月~2012年7月 Shearman & Sterling LLPニューヨークオフィス勤務
2016年1月~2019年3月 日比谷中田法律事務所(2017年7月よりパートナー)
2019年4月 共同代表として,東京国際法律事務所を設立