秘密保持契約・予備的合意書・覚書の法務と書式

牧野 和夫

定価(紙 版):2,860円(税込)

発行日:2021/07/20
A5判 / 216頁
ISBN:978-4-502-38621-3

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本の紹介
本契約にたどり着くまでに当事者間で交わされる文書に関わる実務について、法的の意義を明確にしながら、英文・和文の条項例を多数紹介しつつ解説する。最新の実務動向も反映。

目次



秘密保持契約・予備的合意書・覚書の法務と書式
目次

はじめに――本書の射程
Ⅰ NDA(秘密保持契約)の基本
 1 交渉を開始する前にNDA を締結する  
  ⑴ NDA 締結の必要性について  
  ⑵ 営業秘密として法的保護を受けるための3要件  
  ⑶ NDA 締結の3つの形態  
  ⑷ NDA の書式(日英)・条項と締結上の留意点  
  ⑸ 典型的な(双方向開示の)NDA の書式(日英)  
 2 NDA をめぐる最新実務
  (IT 業界の最新のトレンドを含む)  
  ⑴ 新しい条項や交渉で問題となる条項  
  ⑵ PDF・電子データによる締結と法的効力  
  ⑶ 競業避止義務条項  
  ⑷ 従業員誓約書に含まれる条項  
 3 NDA をめぐる実務問題  
  ⑴ 成果物の権利関係は覚書で確認  
  ⑵ 万能ではないNDA  
  ⑶ ペナルティー(損害賠償の予定,違約金)規定について  
  ⑷ 正式契約(取引契約)への移行と過去のNDA の取扱い  
  ⑸ 従業員の採用・退職への対応が重要  
  ⑹ 営業秘密の法的保護戦略  
  ⑺ 準拠法・紛争解決方法の選択・指定(一般論)  
  ⑻ NDA における準拠法,紛争解決方法の選択・指定  

Ⅱ LOI(予備的合意書)・覚書の基本
 1 単なるレターではないLOI・覚書  
  ⑴ 中間合意書(LOI・覚書)の役割  
  ⑵ 中間合意書の戦略的活用―適切なタイミングで締結  
  ⑶ LOI と覚書の相違点  
  ⑷ 中間合意書の形式  
  ⑸ 中間合意書の目的・機能  
  ⑹ 類型ごとの活用ポイント~ドラフト時の基本方針  
  ⑺ 中間合意書をめぐる訴訟事件  
  ⑻ 中間合意書(LOI・覚書)の法的拘束力  
  ⑼ 上場会社の中間合意書・LOI と開示義務  
  ⑽ 限定保証・責任制限・免責補償規定の基礎知識  
  ⑾ 契約期間の考え方  
  ⑿ 準拠法・紛争解決方法の選択のポイント  
 2 実例にみるLOI ドラフトの実践  
  ⑴ 企業買収の交渉の場面  
  ⑵ 企業買収の場合の中間合意書・LOI の基本雛形  
  ⑶ 法的拘束力についての表現のバリエーション  
  ⑷ 独占交渉権について  

Ⅲ タームシートとメンテナンス覚書
 1 タームシートの活用  
  ⑴ タームシートを利用した契約交渉戦略の勧め  
  ⑵ ベンチャー企業向けの出資・投資契約の「タームシート」  
  ⑶ 正式契約交渉における「タームシート」の活用  
 2 メンテナンス覚書(その他の覚書)の活用  
  ⑴ メンテナンス覚書の目的  
  ⑵ 使い勝手の良い「覚書(Memorandum)」  
  ⑶ 注意が必要なサイド・レター  

Ⅳ 中間文書と契約をめぐる実務ポイント
 1 契約書の原本としてのPDF  
 2 中間文書の印紙税と電子署名  
  ⑴ 印紙税  
  ⑵ 電子署名  

Ⅴ 類型別にみる書式例
 1 業務提携・合併事業  
  ⑴ 業務提携基本合意書  
  ⑵ 具体的な内容が決まる前の業務提携基本合意書  
  ⑶ プレスリリース目的のLOI  
  ⑷ 合弁事業契約書(正式契約書)  
 2 購買・建設入札  
  ⑴ 買主が購入の意向を示す場合のLOI・意向書  
  ⑵ 建設プロジェクトの入札内示のLOI・意向書  
 3 販売店・代理店契約  
  ⑴ 販売店指名予定のLOI  
  ⑵ 代理店保護法制  
 4 M&A 企業・事業買収  
  ⑴ 会社買収M&A のLOI の条項と解説  
  ⑵ 事業買収のLOI ⑴  
  ⑶ 事業買収のLOI ⑵  
  ⑷ 事業買収の基本合意書  
 5 プロジェクト段階的覚書  
 6 タームシートの記載例  
  ⑴ 投資者側からみた投資契約のタームシート  
  ⑵ 共同研究開発契約のタームシートサンプル  
  ⑶ ソフトウェア・ライセンス契約のタームシート(英・日)  
  ⑷ ディストリビュータ契約(販売総代理店契約)のタームシート 
 7 サイド・レターの記載例―購買契約の例  




著者プロフィール
【著者紹介】
牧野 和夫(まきの かずお)
【 現職】 弁護士,弁理士,米国ミシガン州弁護士(芝綜合法律事務所),早稲田大学,琉球大学法科大学院,関西学院大学商学部・法学部,同志社大学商学部の各兼任講師。最先端法務研究会座長。Yahoo! News 正式コメンテーター。
【 略歴】 早稲田大学法学部卒,ジョージタウン大ロースクール法学修士,General MotorsInstitute 優等修了,ハーバードロースクール交渉戦略プログラム修了。いすゞ自動車法務部課長,アップルコンピュータ法務部長,クレディスイス生命保険法務部長,内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員,国士舘大学法学部教授,大宮法科大学院大学教授,早稲田大学(IT 系)大学院,一橋大学法科大学院講師等を歴任。
【 専門】 企業法務・知的財産・IT・海外法務・アメリカ法務・M&A・資金調達・人工知能・自動運転・創薬等。
【著書】 「初めての人のための契約書の実務」(中央経済社)など多数。


著者紹介

牧野 和夫(まきの かずお)
[プロフィール]
1981年早稲田大学法学部卒業。1989年米ゼネラルモーターズインスティチュート経営管理プログラム(優等)修了。1991年米ジョージタウン大学ロースクール法学修士号。1992年米国ミシガン州弁護士登録。2006年弁護士・弁理士登録。2013年ハーバード大学ロースクール交渉戦略プログラム修了。2022年米ジョージタウン大学国際通商(SDGs)アカデミー修了。いすゞ自動車株式会社法務部・課長・審議役,アップルコンピュータ法務部長,国士舘大学法学部教授,尚美学園大学大学院客員教授,東京理科大学大学院客員教授,早稲田大学大学院(国際情報通信研究科)講師,内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員,大宮法科大学院大学教授,東京医科歯科大学大学院講師,一橋大学法科大学院講師を経て,現在,弁護士・米国ミシガン州弁護士・弁理士(芝綜合法律事務所),早稲田大学エクステンションセンター,琉球大学法科大学院,同志社大学商学部,関西学院大学商学部・法学部の各兼任講師。専門は企業法務(国内外),契約交渉,紛争解決,国内外訴訟,知的財産,情報法(ネット上の法律問題),ライセンス,M&A,AI,IT法務等多岐に亘る。

[主な著作]
『初めての人のための英文・和文IT契約書の実務』(中央経済社,2018年)
『初めての人のためのビジネス著作権法』(中央経済社,2017年)
『初めての人のための英文契約書の実務』(中央経済社,2016年)
『国際取引法と契約実務〔第3版〕』(中央経済社,2013年)
『英文契約書の基礎と実務』(DHC,2012年)
『やさしくわかる英文契約書』(日本実業出版社,2009年)
『アメリカ法制度と訴訟実務』(レクシスネクシス,2007年)