フランスの流通―流通の歴史・政策とマルシェの経営

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田中 道雄

定価(紙 版):3,300円(税込)

発行日:2007/12/07
A5判 / 256頁
ISBN:978-4-502-39540-6

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本の紹介
わが国商業は環境が似る欧州に学ぶことは多い。仏流通の現状を解明しつつ流通史、流通政策、都市計画と絡め仏特有のマルシェの経営を詳述。その流通事情からわが国流通の未来を考える。

目次


フランスの流通
― 流通の歴史・政策とマルシェの経営 ―
目次

 はじめに

第?部 フランス流通の現状とその政策
 第1章 わが国におけるフランス流通の研究
  1 本書の課題
   1.1 わが国フランス流通研究の現状
   1.2 フランス流通事情考察の背景
  2 本書の構成
   2.1 フランス流通の現状とその政策
   2.2 フランスにおけるマルシェの存在
 
 第2章 EU のなかのフランス流通
  1 EU の拡大
  2 EU のなかのフランス流通の位置
   2.1 ヨーロッパにおける流通の動向
   2.2 直接投資の動き
  3 国際的な商業競争の状況
   3.1 大型店のグローバル化とフランス国内・外の動向
   3.2 グローバル化の進展と新たな兆候
 
 第3章 フランス流通の現状と動向
  1 フランス流通が直面する課題
  2 近年におけるフランス流通の構造変化
   2.1 大型店シェア上昇の継続
   2.2 消費者の行動と業態
  3 フランス小売業の現状
   3.1 大型店の動向
   3.2 ハードディスカウントの躍進
   3.3 中小小売業の動向
  4 重層的な流通競争の進行

 第4章 歴史的経緯にみるフランス流通
  1 知られざるフランス流通
  2 フランス流通の歴史的経緯
   2.1 ボン・マルシェの船出
   2.2 グループ化の動き
   2.3 均一ストアの展開
   2.4 セルフサービスの開始
   2.5 スーパーマーケットからハイパーマーケットの時代
   2.6 大型専門店の展開
   2.7 ロワイエ法の制定
   2.8 ハードディスカウントの登場
   2.9 ラファラン法の施行
   2.10  価格への傾斜
  3 流通政策の概略
   3.1 ロワイエ法の抱える課題
   3.2 ガラン法の背景
  4 むすびにかえて

 第5章 ラファラン法の経緯と影響
  1 ロワイエ法からラファラン法へ
  2 ラファラン法の概要
   2.1  法律制定の経緯
   2.2 法律の内容
  3 ラファラン法の成果と影響
   3.1 法律の成果
   3.2 影  響
  4 フランス流通の改革と今後の動向

 第6章 フランス流通と都市計画との関わり
  1 流通と都市計画との接点
  2 フランス都市計画の特性と概要
  3 交通体系に対する関心の深さ
   3.1 国内交通基本法の策定
   3.2 公共交通サービスの動向
  4 都市連帯・再生法による商業の扱い
  5 総合的視点に立ったまちづくり

第?部 中小小売業としてのマルシェの経営
 第7章 マルシェの歴史と性格
  1 マルシェの存在
  2 歴史とその概念
   2.1 市の形態とマルシェ
   2.2 マルシェ形成の意味
   2.3 マルシェの基本的認識と展開の状況
  3 性  格
   3.1 基本的特徴
   3.2 取り扱い商品
   3.3 利用目的と動向
  4 生鮮食品における存在感

 第8章 流通地位と商人像
  1 大規模小売業の攻勢と中小小売業の後退
  2 全体の流通に占めるマルシェの地位
   2.1 フランス消費市場における位置づけ
   2.2 流通地位
  3 企業実態とマルシェの商人像
   3.1 企業総数とその実態
   3.2 マルシェの商人像
  4 日常生活機能の充足

 第9章 マルシェの展開状況
  1 マルシェ開催の動向把握
  2 主要なマルシェの展開
   2.1 全国的な展開状況
   2.2 フランス南部における有名マルシェ
  3 事例にみるマルシェの動向
   3.1 サルト県(ル・マン)の事例
   3.2 ソンム県(アミアン)の事例
  4 住民生活と密接に関わるマルシェ

 第10章 法律と参入条件
  1 管理されるマルシェ
  2 法的なコントロール
   2.1 法律No.69−3
   2.2 規制と手続き
  3 マルシェの参入条件と管理
   3.1 マルシェ出店の事前申告
   3.2 マルシェの出店場所の確保
   3.3 行政によるマルシェの管理
   3.4 パリにおけるマルシェの経営
  4 変化する役割

 第11章 非定住商業者の団体活動と地位の向上
  1 競争環境の改善
  2 協同団体としてのフランスマルシェ商業者連合協議会(FNSCMF)
   2.1 組織概要
   2.2 FNSCMF 事務局長へのインタヴュー
  3 非定住商業者の専門化と地位向上への道
   3.1 専門深化の提言
   3.2 地位向上への道
  4 経営と社会諸要素のモザイク

 第12章 マルシェの将来的役割と条件変化
  1 新たな魅力としてのマルシェ
  2 社会的存在としての多様性
   2.1 商業機能
   2.2 観光の商業経済化
  3 マルシェ再活性化の基本的視点
   3.1 マルシェの魅力向上の基礎
   3.2 マルシェに対する支援
  4 マルシェ再活性化の具体的動き
  5 独自のポジショニングの確立

 第13章 マルシェの最新動向と設備の改善
  1 DCASPL の実態調査
  2 マルシェの最新動向
   2.1 近年のマルシェ経営の概要
   2.2 最近のマルシェの活動実態
  3 マルシェの設備改善と地域差
   3.1 マルシェの設備改善
   3.2 設備改善の地域差
  4 根強いマルシェの存在

 終 章 これからのフランス流通―可能性とその課題
  1 フランス流通の問題点
  2 フランス流通とマルシェの動向より導かれるもの
  3 日本の流通に資するもの

 参考文献

 索  引



著者プロフィール 田中 道雄(たなか みちお)
1947年兵庫県生まれ
大阪学院大学流通科学部教授
まちづくりデザイン研究所代表
実践経営学会常任理事,日仏経営学会理事,日本商業学会,日本中小企業学会

主 著
『商店街経営の研究―潮流・変革・展望』中央経済社,1995年。
『次世代ショッピングセンター』(共編著)中央経済社,2000年。
『現代フランスの流通と社会』(共編著)ミネルヴァ書房,2003年。
『中国の都市流通』税務経理協会,2003年。
『現代日本の流通と社会』(共編著)ミネルヴァ書房,2004年。
『現代中国の流通と社会』(共編著)ミネルヴァ書房,2005年。
『現代の流通と政策』(共編著)中央経済社,2006年。
『まちづくりの構造―商業からの視角』中央経済社,2006年。
『現代のマーケティング』(共編著)中央経済社,2007年。
『文化としての流通』(共著)同文舘,2007年。他多数。
翻 訳
『小売マーケティング』(英共訳)中央経済社,1992年。
『マーケティング・フォンダマンタル』(仏共訳)ミネルヴァ書房,1994年。


























著者紹介

田中 道雄(たなか みちお)
[プロフィール]
1947年 兵庫県生まれ
1992年 吉備国際大学社会学部助教授,教授を経て
2000年 大阪学院大学流通科学部教授
2014年 大阪学院大学商学部教授
2023年 大阪学院大学 名誉教授
まちづくりデザイン研究所代表

[主な著作]
『商店街経営の研究:潮流・変革・展望』中央経済社,1995年
『中国の都市流通』税務経理協会,2003年
『まちづくりの構造:商業からの視角』中央経済社,2006年
『フランスの流通:流通の歴史・政策とマルシェの経営』中央経済社,2007年
『文化保存型のまちづくり』創成社,2012年
『中小企業マーケティング』中央経済社,2014年
『まちづくり大全』中央経済社,2021年
『地域ブランド』中央経済社,2023年