フランスの流通―流通の歴史・政策とマルシェの経営
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- わが国商業は環境が似る欧州に学ぶことは多い。仏流通の現状を解明しつつ流通史、流通政策、都市計画と絡め仏特有のマルシェの経営を詳述。その流通事情からわが国流通の未来を考える。
目次
フランスの流通
― 流通の歴史・政策とマルシェの経営 ―
目次
はじめに
第?部 フランス流通の現状とその政策
第1章 わが国におけるフランス流通の研究
1 本書の課題
1.1 わが国フランス流通研究の現状
1.2 フランス流通事情考察の背景
2 本書の構成
2.1 フランス流通の現状とその政策
2.2 フランスにおけるマルシェの存在
第2章 EU のなかのフランス流通
1 EU の拡大
2 EU のなかのフランス流通の位置
2.1 ヨーロッパにおける流通の動向
2.2 直接投資の動き
3 国際的な商業競争の状況
3.1 大型店のグローバル化とフランス国内・外の動向
3.2 グローバル化の進展と新たな兆候
第3章 フランス流通の現状と動向
1 フランス流通が直面する課題
2 近年におけるフランス流通の構造変化
2.1 大型店シェア上昇の継続
2.2 消費者の行動と業態
3 フランス小売業の現状
3.1 大型店の動向
3.2 ハードディスカウントの躍進
3.3 中小小売業の動向
4 重層的な流通競争の進行
第4章 歴史的経緯にみるフランス流通
1 知られざるフランス流通
2 フランス流通の歴史的経緯
2.1 ボン・マルシェの船出
2.2 グループ化の動き
2.3 均一ストアの展開
2.4 セルフサービスの開始
2.5 スーパーマーケットからハイパーマーケットの時代
2.6 大型専門店の展開
2.7 ロワイエ法の制定
2.8 ハードディスカウントの登場
2.9 ラファラン法の施行
2.10 価格への傾斜
3 流通政策の概略
3.1 ロワイエ法の抱える課題
3.2 ガラン法の背景
4 むすびにかえて
第5章 ラファラン法の経緯と影響
1 ロワイエ法からラファラン法へ
2 ラファラン法の概要
2.1 法律制定の経緯
2.2 法律の内容
3 ラファラン法の成果と影響
3.1 法律の成果
3.2 影 響
4 フランス流通の改革と今後の動向
第6章 フランス流通と都市計画との関わり
1 流通と都市計画との接点
2 フランス都市計画の特性と概要
3 交通体系に対する関心の深さ
3.1 国内交通基本法の策定
3.2 公共交通サービスの動向
4 都市連帯・再生法による商業の扱い
5 総合的視点に立ったまちづくり
第?部 中小小売業としてのマルシェの経営
第7章 マルシェの歴史と性格
1 マルシェの存在
2 歴史とその概念
2.1 市の形態とマルシェ
2.2 マルシェ形成の意味
2.3 マルシェの基本的認識と展開の状況
3 性 格
3.1 基本的特徴
3.2 取り扱い商品
3.3 利用目的と動向
4 生鮮食品における存在感
第8章 流通地位と商人像
1 大規模小売業の攻勢と中小小売業の後退
2 全体の流通に占めるマルシェの地位
2.1 フランス消費市場における位置づけ
2.2 流通地位
3 企業実態とマルシェの商人像
3.1 企業総数とその実態
3.2 マルシェの商人像
4 日常生活機能の充足
第9章 マルシェの展開状況
1 マルシェ開催の動向把握
2 主要なマルシェの展開
2.1 全国的な展開状況
2.2 フランス南部における有名マルシェ
3 事例にみるマルシェの動向
3.1 サルト県(ル・マン)の事例
3.2 ソンム県(アミアン)の事例
4 住民生活と密接に関わるマルシェ
第10章 法律と参入条件
1 管理されるマルシェ
2 法的なコントロール
2.1 法律No.69−3
2.2 規制と手続き
3 マルシェの参入条件と管理
3.1 マルシェ出店の事前申告
3.2 マルシェの出店場所の確保
3.3 行政によるマルシェの管理
3.4 パリにおけるマルシェの経営
4 変化する役割
第11章 非定住商業者の団体活動と地位の向上
1 競争環境の改善
2 協同団体としてのフランスマルシェ商業者連合協議会(FNSCMF)
2.1 組織概要
2.2 FNSCMF 事務局長へのインタヴュー
3 非定住商業者の専門化と地位向上への道
3.1 専門深化の提言
3.2 地位向上への道
4 経営と社会諸要素のモザイク
第12章 マルシェの将来的役割と条件変化
1 新たな魅力としてのマルシェ
2 社会的存在としての多様性
2.1 商業機能
2.2 観光の商業経済化
3 マルシェ再活性化の基本的視点
3.1 マルシェの魅力向上の基礎
3.2 マルシェに対する支援
4 マルシェ再活性化の具体的動き
5 独自のポジショニングの確立
第13章 マルシェの最新動向と設備の改善
1 DCASPL の実態調査
2 マルシェの最新動向
2.1 近年のマルシェ経営の概要
2.2 最近のマルシェの活動実態
3 マルシェの設備改善と地域差
3.1 マルシェの設備改善
3.2 設備改善の地域差
4 根強いマルシェの存在
終 章 これからのフランス流通―可能性とその課題
1 フランス流通の問題点
2 フランス流通とマルシェの動向より導かれるもの
3 日本の流通に資するもの
参考文献
索 引
著者プロフィール
田中 道雄(たなか みちお)
1947年兵庫県生まれ
大阪学院大学流通科学部教授
まちづくりデザイン研究所代表
実践経営学会常任理事,日仏経営学会理事,日本商業学会,日本中小企業学会
主 著
『商店街経営の研究―潮流・変革・展望』中央経済社,1995年。
『次世代ショッピングセンター』(共編著)中央経済社,2000年。
『現代フランスの流通と社会』(共編著)ミネルヴァ書房,2003年。
『中国の都市流通』税務経理協会,2003年。
『現代日本の流通と社会』(共編著)ミネルヴァ書房,2004年。
『現代中国の流通と社会』(共編著)ミネルヴァ書房,2005年。
『現代の流通と政策』(共編著)中央経済社,2006年。
『まちづくりの構造―商業からの視角』中央経済社,2006年。
『現代のマーケティング』(共編著)中央経済社,2007年。
『文化としての流通』(共著)同文舘,2007年。他多数。
翻 訳
『小売マーケティング』(英共訳)中央経済社,1992年。
『マーケティング・フォンダマンタル』(仏共訳)ミネルヴァ書房,1994年。