- 本の紹介
- 大規模な設備投資やM&A、海外進出、新卒大量採用など日本企業の成長志向が強まるなかで、新時代の財務管理のあり方を示すとともに、潜在化・内在化された課題をも指摘する。
目次
成長戦略のための
新ビジネス・ファイナンス
目次
はしがき
第1章 企業価値とグローバル市場
1 企業価値とは何か
2 株式市場のグローバル化
3 グローバル連携と企業価値向上
4 成長戦略と新ビジネス・ファイナンス
第2章 企業価値向上の財務戦略
1 価値創造の時代の財務
2 企業価値向上の財務戦略
3 財務戦略のリスク
4 「内部統制」5つの疑問
5 財務数値から見える企業の本質
第3章 企業行動と企業評価の新機軸
1 はじめに
2 企業権力の正当性
3 企業の社会的責任の始まり
4 企業の社会的責任と利益追求
5 企業の社会的責任―企業の取り組みと金融市場の動き
6 結び
第1部 成長戦略と企業価値
第4章 機関投資家の投資行動
1 株式保有構造の推移
2 投資家別の株式保有状況
3 持株比率とROEの関係
4 2007年時点における株式保有状況
第5章 環境経営戦略のための3つのステップ
―「コスト」・「投資」・「効果」の視点から
1 地球温暖化の現状と企業に与える影響
2 企業の環境保全活動と3つのステージ
3 環境保全における「コスト」・「投資」・「効果」
4 企業成長のための環境経営戦略
第2部 企業価値向上と証券市場
第6章 中小企業金融におけるエクイティ・ファイナンスのあり方
1 はじめに―問題の所在
2 戦後の金融制度改革とエクイティ・ファイナンスの後退
3 金融の自由化と中小企業金融
4 エクイティ・ファイナンスのための基礎的条件
5 市場の活用と中小企業のエクイティ・ファイナンス
6 「顔」の見えるエクイティ・ファイナンスの展開
第7章 新規株式公開時における株主構成と企業価値
1 はじめに
2 株主構成と企業価値
3 実証分析
4 結論
第8章 新興企業の成長とIPO
1 問題の所在
2 企業の成長パターンと成長戦略
3 IPO前後の成長パターンの検証
4 結びにかえて
第9章 社債市場創設による中小企業の成長と地域活性化
1 本章の目的
2 地方経済における中小企業への制約
3 中小企業の資金調達に関する研究の特徴
4 中小企業の社債利用の実態
5 中小企業の社債による資金調達の試み
6 地域限定の社債市場の創設による地域活性化
第10章 買収防衛策としての株式持ち合いと
コーポレート・ガバナンス
1 日本企業が導入している買収防衛策
2 復活したと言われる株式持ち合いの特徴
3 株式持ち合いを行なっている企業の分析
4 株式持ち合いの現代的意義と企業のガバナンス
5 今後の課題142
第3部 新ビジネス・ファイナンスの今日的課題
第11章 日本企業の配当政策―過去・現状・展望
1 問題の所在
2 安定配当政策の形成過程とそれを支えた要因
3 経営環境の変化と配当政策の多様化
4 敵対的買収防衛策としての配当政策の有効性
5 小括
第12章 財務リストラ後のM&A
―資金調達の特徴と設備投資との関係
1 問題意識
2 分析対象
3 買収実施企業の資金調達
4 設備投資との関係
5 おわりに
第13章 証券化の今日的役割
―資金調達手段から利益拡大を実現する証券化
1 これまでの証券化の役割
2 効率的な経営を実現するための証券化―住友不動産の事例
3 証券化商品市場を支える投資家
4 それぞれの主体の利益拡大のための証券化とこれからの課題
5 まとめ
第14章 金融ビッグバン以降における金融機関の経営改革
1 はじめに
2 金融ビッグバンの主な項目
3 金融機関の経営改革
4 今後の課題
第15章 企業財務の変容と制度会計の問題点
1 開題―財務活動の変化と会計の対応
2 従来の「資本の部」
3 新制度の資本の部―「純資産の部」
4 結び
著者プロフィール
〈編著者紹介〉
坂本 恒夫(さかもと つねお)
明治大学経営学部教授,同大学教務部長。経営学博士。
1947年京都府生まれ。
1979年明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。
1991年より現職。
主要著書:
『テキスト財務管理論〈第3版〉』(編著)中央経済社,2007年。
『戦後経営財務史』T&Sビジネス研究所,2000年。
『企業集団財務論』泉文堂,1990年など。
文堂 弘之(ぶんどう ひろゆき)
常磐大学人間科学部准教授。経営学博士。
1970年東京都生まれ。
2001年明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。
2005年より現職。
主要著書:
『M&A21世紀 [1]企業評価の理論と技法』(第2章)中央経済社,2001年。
『企業集団と企業間結合の国際比較』(第8章)文眞堂,2000年。
『企業財務制度の史的展開』(第8章)税務経理協会,1998年など。