- 本の紹介
- 法学部・法科大学院の教科書としての内容に加え、研究者の視点から雇用社会における法的問題にも言及し体系的な解説を行う。令和4年施行の育児介護休業法までをフォロー。
目次
第1編 総 論
第1章 労働法思想の歴史と労働法のあり方
第1節 労働法思想の系譜
第2節 労働法の理念
1 私的自治の原則と使用者の指揮命令(権)の制限
2 労働市場の分化と社会的排除,雇用の安定性
第3節 労働法の歴史
1 序 2 戦前の労働法制
3 戦後の労働法
第2章 労働法の法源
第1節 労働契約
1 労働契約における合意 2 労働契約上の付随義務
3 労働者の損害賠償責任
第2節 労働協約
第3節 就業規則
1 はじめに 2 就業規則の法的性質
3 就業規則の変更による労働条件の不利益変更
第4節 労使慣行
第5節 憲 法
1 自己決定権ないしプライバシー権 2 人格権
3 平等権 4 思想良心の自由等
5 生存権 6 労働基本権
第6節 法 律
第7節 判 例
第3章 労働法の適用範囲
―労働法における「労働者」および「使用者」
第1節 労基法,労契法における「労働者」
第2節 労組法における「労働者」
第3節 労組法における「使用者」
1 判例における労組法上の「使用者」 2 派遣先の労組法上の使用者性
3 法人格否認の法理
第4節 労基法,労契法における「使用者」
第2編 個別的労使関係法
第1章 労働関係の成立に関する法規整
第1節 はじめに
第2節 採用内定 内々定
1 採用内定 2 採用内定取消 3 内々定とその取消
第3節 労働条件明示義務
第4節 試用期間
1 試用期間の法的性質 本採用拒否の適法性
2 試用期間の有期雇用化・延長
第2章 労働関係の展開に関する法規整
はじめに
第1節 労働者の人権保障
1 強制労働の禁止 2 中間搾取の禁止
3 公民権行使の保障 4 前借金相殺の禁止
5 強制貯蓄の禁止 6 賠償予定の禁止
7 差別的取扱いの禁止
第2節 一般的人格権保護とハラスメント防止
1 人格の保護 2 業務命令権 3 職場におけるハラスメント(パワー・ハラスメント)
4 個人情報とプライバシーの保護
第3節 賃 金
1 賃金とは 2 賃金の支払いの諸原則
3 非常時払 4 その他 5 最低賃金
6 職能資格制度と人事考課 7 成果主義賃金 8 企業年金法
第4節 雇用における男女の平等法制
1 労基法4条 2 男女雇用機会均等法とコース別採用
3 育児介護休業法 4 マタニティ・ハラスメント
5 セクシュアル・ハラスメント 6 おわりに
第5節 非典型雇用
1 非正規従業員と法規整 2 有期雇用をめぐる労働法制
3 パートタイム労働者の処遇 4 労働者派遣
第6節 労働時間規制
1 労働時間をめぐる雇用社会の現状 2 労働時間の概念
3 割増賃金 4 時間外労働・休日労働 5 時間外労働の上限規制
6 労働時間等設定改善法 7 深夜業 8 労働時間の適用除外
9 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)
10 休憩時間 休日
第7節 柔軟な労働時間制度とみなし制
1 変形労働時間 2 フレックスタイム制
3 裁量労働制 4 事業場外労働みなし制
第8節 年次有給休暇
1 日本における年休取得の難しさ 2 年次有給休暇請求権の要件
3 時季指定権 時季変更権 4 計画年休 5 年休の利用目的
6 年休権行使の法的効果
第9節 労働災害保険と安全配慮義務
1 労災保険制度の仕組み 2 労災保険制度と労基法上の災害補償制度
3 業務上災害 4 安全配慮義務 5 通勤災害 6 業務上の疾病
7 脳心臓疾患および過労死 8 過労自殺・うつ自殺
9 労災保険,労基法上の災害補償責任,民事上の損害賠償の調整
第10節 人事異動・処分
1 配置転換 2 出 向 3 転 籍
4 休 職
第11節 懲 戒
1 懲戒とは 2 懲戒処分の効力 3 懲戒の具体的な事由
4 内部告発と公益通報者保護法
第12節 女性および年少者に対する労基法上の保護規定
1 妊産婦,女性などに対する保護規定 2 年少者に対する法規制
第13節 就業者の多様化
1 高年齢雇用 2 障害者雇用
第3章 労働関係契約の終了
第1節 解 雇
1 解雇の自由と解雇権濫用法理 2 労基法等における規制
3 解雇権濫用法理の具体的な内容 4 解雇訴訟
第2節 解雇以外の終了事由
1 辞職と合意解約 2 退職勧奨
第3節 企業組織の変動
1 合 併 2 事業譲渡 3 会社分割
第3編 団体的労使関係法
第1章 労働組合と団体交渉
第1節 労働組合の結成と運営
1 労働組合の役割と組織構造 2 労働組合の団結権
3 労働組合の組織―労働組合への加入と脱退の自由 4 労働組合の運営
5 労働組合の組織変動
第2節 団体交渉
1 団結権 団体交渉権の歴史(素描) 2 団体交渉の当事者,担当者
3 団体交渉義務
第3節 労働協約
1 労働協約とその成立要件 2 労働協約の効力
3 労働協約の更新と終了
第2章 争議権と組合活動権
第1節 争議権
1 争議行為の概念 2 争議行為の正当性
3 ストライキの効果 4 ロックアウト
第2節 組合活動権
1 組合活動と組合活動権 2 リボン闘争・組合バッジの着用
3 ビラ貼り ビラ配布 4 街頭での情報宣伝活動(街宣活動)
第4編 労働紛争の処理システム
第1章 個別労働紛争解決促進法
第1節 総合労働相談コーナー
第2節 都道府県労働局長による助言 指導,民事上の個別労働紛争
第3節 労働委員会による個別労働関係紛争の調整手続
第2章 集団的労使紛争の調整,解決
第1節 不当労働行為救済手続
1 不当労働行為救済手続の歴史と目的 2 不利益取扱いの禁止
3 正当な理由のない団体交渉拒否の禁止 4 支配介入の禁止 5 救済手続
第2節 労働争議の調整
第3章 司法的な救済
第1節 労働審判制度
第2節 裁判所による解決