- 本の紹介
- 中堅企業・小規模企業法務部員のために、契約上の注意事項・契約書作成方法をモデル文書を具体的に例示して分かりやすく解説。業務上の必須事項をコンパクトにまとめた実用書。
目次
まえがき
第1部 なぜ法律知識が必要なのか
§1 はじめに
1 法務担当者の能力はピンキリ
2 良い経営者は,専門家を大切にする
3 法務担当者として要求されるレベルは?
§2 法律を知らないために起きた実例
1 裁判書類の放置の例
2 契約書の不備による巨額の損失
3 犯罪をおかしてしまう経営者が刑務所行きになる
4 以上のような「極端な例」ではなくても
§3 なぜ法律知識が必要か
1 コンプライアンスを守らないと会社は窮地に陥る?
2 「法律を知ること」の実務的なポイントは?
3 企業が依頼する法的専門家
§4 企業経営を行う上で,適用される代表的な法律
1 民法(借地借家法なども含む)
2 商法(総則・商行為法,会社法,手形小切手法)・金融証券取引法
3 労働法(労働基準法,労働組合法等)
4 知的財産権に関する法律(特許,著作権,商標,不正競争防止法等)
5 製造物責任法
6 独占禁止法・下請法
7 税法(法人税法・所得税法)
8 民事訴訟法(民事訴訟法,民事執行法等)
9 倒産法(破産法,会社更生法,民事再生法等)
10 刑 法
11 消費者契約法
12 景品等表示法
13 個人情報保護法
14 個別の業種に対応する法律(建築業法,特定商取引法,宅建業法,証券業法等)
15 パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)
§5 企業が対応すべき法律事項
(弁護士への相談事項)
1 法令遵守(コンプライアンス)や内部統制の体制構築
2 経営全般・企業の方針転換,危機への対応
3 株主総会,取締役会,役員構成,株主対策,定款
4 各種の契約書のチェック・作成
5 各種法令リサーチ・業務の適法性のチェック
6 債権回収のアドバイスあるいは実行
7 従業員とのトラブル等の労働関連・会社役員との関連
8 知的財産権関連
9 企業の行う,あるいは受けた紛争(訴訟等)への対応
10 暴力団等の反社会的勢力に対する対応
11 企業の終了―清算,倒産手続
§6 顧問弁護士(法的専門家)の メリット・意味合い
1 企業の「ホームドクター」
2 顧問契約の範囲内での業務対応
3 リスクマネジメントとしての効用大(弁護士へのアクセスが容易になる)
4 有事においての迅速な対応
5 経営全般のコンサルタントとしての活用
6 訴訟等の紛争についての対応
7 複数の弁護士の利用が可能
8 外国関連業務への対応
9 企業の信用力向上
10 役員・従業員の福利厚生
第2部 取引を安全に開始するために
§1 典型的な例(取り込み詐欺)
§2 取引の相手方の調査の必要性と方法
1 民間信用情報機関の活用
2 取引にあたって調査票の提出を要求
3 取引にあたって決算書(貸借対照表,損益計算書)の提出を要求
4 商業登記簿謄本,不動産登記簿謄本の入手・債権譲渡登記の調査
5 事務所への訪問
6 事前のみならず継続して調査する必要性
§3 契約書の重要性
1 「取引基本契約書」等の作成の効用
2 契約書の種類について
3 自前の契約書の用意
4 契約の変更
§4 事前の担保設定
1 現金決済が最も望ましい
2 手形・小切手の入手
3 保証金の受領
4 不動産担保
5 連帯保証人
6 物品の所有権・知財権利の留保
7 債権譲渡特例法
第3部 取引を円滑に継続するために
§1 企業における経営者,あるいは法務・管理部 設置の目的
1 法律に違反しないこと
2 法律に違反をすると,どのようなペナルティ・損害を受けるか?
3 法律を上手に利用すること
4 取引を円滑に継続すること→債権を滞りなく回収すること
§2 回収トラブルを未然に防ぐための「10か条」
1 基本契約書の作成・締結
2 個別契約の締結―伝票等の証拠を残す必要性
3 請求書の送付
4 保証(担保)を取る
5 取引先の経済状態等を継続的にチェックする
6 支払が遅延した場合の迅速かつ毅然たる態度
7 危険な所との取引は行わない,あるいは停止する
8 特定の取引先に依拠しないような経営方針
9 債権管理,回収の責任部署を整備
10 保険,共済の活用
§3 取引基本契約書の作成
1 継続的な取引の場合は必ず基本契約書を作成する
2 基本契約書の作成を弁護士に委任する意味合い
3 基本契約書に盛り込むべき一般的な事項と検討
4 相手方から提示された契約書について
§4 取引を終了する場合の注意
1 期間満了による終了
2 契約期間中での終了
3 合意による終了
4 契約終了の通知書について
5 契約終了後の注意点
第4部 債権の回収方法
§1 滞りなく債権回収を行うための方策
1 正しいシステムの構築(事前の調査,契約書の作成,担保の重要性)
2 支払が遅延した場合の即時の毅然たる対応
§2 債権回収が滞った後での効果的な回収方法 (法的手続以外)
1 まめな催告(電話,通知,直接訪問)
2 現物の引き上げ
3 交渉材料を利用しての債権回収
4 内容証明郵便の発送
§3 債権回収が滞った後での効果的な回収方法 (法的手続)
1 担保実行・保証人への請求
2 訴訟等の法的な手続き~請求する対象者~
3 仮差押(仮処分)
4 本訴訟の提起
5 強制執行
6 破産申立等
§4 債権回収に失敗した場合
1 取引金融機関,取引先対策(上場企業の場合,株主対策もある)
2 税務上の処理
3 原因の分析と今後の対策
4 保険,共済金の受領
5 会社経営に支障が生じた場合
第5部 企業のための改正民法(債権法)の実務対策
§1 はじめに
1 債権法改正の企業への大きな影響と対策の必要性について
2 民法と契約書の関係について
§2 改正民法(債権法)の実務対策
1 契約不適合責任①(サービス提供型の契約の場合)
2 契約不適合責任②(売買契約の場合)
§3 保証①(極度額の定めが必要な場合)
§4 保証②(公正証書の作成が必要な場合)
§5 定型約款①(拘束力が生じる要件)
§6 定型約款②(変更)
第6部 企業倫理を重視する目的について
Ⅰ 企業倫理を遵守する基本的な目的は?
Ⅱ 「王将事件」に関する第三者委員会の調査報告書 の公表内容とその評価
1 報告書に基づく王将事件の概要
2 報告書が指摘する原因と考えられる問題点
Ⅲ 「王将事件」から考える,企業の倫理上のポイント
最後に