コーポレートガバナンス・コード講義―会社法と金融商品取引法との関連性
- 本の紹介
- ソフトローとして実務上重要な役割を有するコーポレートガバナンス・コードにつき、指針の趣旨を、特に会社法と関連付けながら実務家及び法学部・法科大学院生向けに解説。
目次
第1章 コーポレートガバナンス・コードの意義と機能
第1節 コーポレート・ガバナンスの意義と全体の構成等
1 上場会社の活動とコーポレート・ガバナンス
2 機関投資家とスチュワードシップ・コード
第2節 コーポレート・ガバナンスとは何か
1 企業統治と経営の監視・監督
2 攻めのガバナンスと企業の持続的成長・企業価値の向上
3 コーポレート・ガバナンスの対応部署
第3節 ガバナンス・コード等の性質と拘束力はどうなるか
1 コーポレートガバナンス・コードの位置付け
2 コードの性質と拘束力
3 コーポレート・ガバナンスに関する報告書とは何か
第4節 コンプライ・オア・エクスプレインとは何か
1 実施(遵守)または説明ルール
2 ガバナンス・コードに違反した場合等への対応
3 東京証券取引所の市場の区分とガバナンス・コードの適用範囲
4 コードを補完する実務指針等
第2章 株主の権利・平等性と株主総会
第1節 株主の権利・平等性の確保
第2節 株主の権利の確保
1 反対票の取扱い
2 株主総会の決議事項の取締役会への委任
3 株主権の行使への十分な配慮
第3節 株主総会の環境整備
1 株主総会の環境整備の重要性
2 株主への適切な情報提供と招集通知
3 株主総会の日時の設定と議決権の行使
4 株主総会と対話ガイドラインの要請
第3章 会社の資本政策と政策保有株式等
第1節 会社の資本政策の在り方
1 資本政策と資本コスト
2 株主との対話における資本コストの取扱い
第2節 政策保有株式
1 政策保有株式の意義とその開示等
2 政策保有株式の検証等と政策保有株主との関係
第3節 事業ポートフォリオの取扱い
1 事業ポートフォリオと企業価値の向上
2 会社の事業の評価手法
第4章 企業買収や支配権の移動等への対応等
第1節 企業買収と買収防衛策
1 企業買収と買収防衛策
2 ライブドアの敵対的買収事件と買収防衛策の4類型
第2節 公開買付け(TOB)への対応
1 会社側の明確な説明と不当な措置の防止
2 敵対的な公開買付けの実施とブルドックソース事件の買収防衛策
第3節 支配権の変動等への対応
1 MBO等の意義と問題点
2 MBOと二段階買収
3 M&A指針の公正性担保措置
第4節 関連当事者間の取引の監視
1 関連当事者間の取引に関するチェックの必要性
2 関連当事者間の取引と会社法等
第5章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働等
第1節 ステークホルダーと企業価値の向上
1 ステークホルダーとサステナビリティの重視
2 経営理念と行動準則の策定等
第2節 社会・環境問題への対応や多様性の確保等
1 社会・環境問題への対応
2 中核人材等の多様性の確保
第3節 内部通報制度や企業年金の運用
1 内部通報制度
2 企業年金の積立金の運用
第6章 適切な情報開示と透明性の確保
第1節 情報開示の在り方と建設的な対話
1 上場会社と情報開示の重要性
2 適時開示の重要性と適時開示体制の整備
第2節 情報開示の充実と主体的な情報発信
1 経営理念や経営戦略等の情報開示
2 英語による情報開示
3 サステナビリティについての取組みの開示
第3節 外部会計監査人との関係
1 会計監査人の意義と責務
2 監査役会等による対応
3 取締役会と監査役会による対応
第7章 取締役会の役割と責務
第1節 取締役会の位置付けとその意思決定過程等
1 経営の中枢としての取締役会
2 取締役会の意思決定過程の合理性の担保
第2節 経営戦略や経営計画の検討等
1 経営理念等の確立
2 経営戦略等に関する3つの補充原則
第3節 経営陣の支援と報酬制度の設計
1 経営陣への支援と報酬のインセンティブ機能の重視
2 具体的な報酬制度の設計
3 サステナビリティ方針の策定や事業ポートフォリオ戦略の監督
第8章 取締役会による監督と監査役の役割等
第1節 取締役会による経営陣等に対する監督機能
1 実効性の高い監督の具体化
2 情報開示の監督・内部統制等の整備
3 利益相反の適切な管理
第2節 監査役と監査役会等の役割
1 監査役等の意義と役割
2 監査役会の独立性と情報収集力
第9章 社外取締役と独立社外取締役等
第1節 社外取締役の意義
1 会社法における社外取締役の意義
2 社外取締役の役割と活用方法
第2節 独立社外取締役の役割等
1 独立社外取締役の位置付け
2 独立社外取締役の活用
第3節 独立社外取締役の実効性の確保
1 独立社外取締役同士の情報交換・情報共有等
2 筆頭独立社外取締役の選定等
第4節 独立社外取締役の独立性の判断基準
1 社外役員と独立社外取締役
2 独立役員と各社の独立性判断基準
3 独立役員届出書とは何か
第10章 指名委員会・報酬委員会等の活用
第1節 任意の委員会の設置と活用
1 会社法の委員会の位置付け
2 任意の委員会の設置
3 各会社の委員会の設置等の状況
第2節 指名委員会
1 指名委員会の意義
2 社長・CEO等の選任等
3 後継者計画とは何か
第3節 報酬委員会
1 報酬委員会の意義
2 報酬委員会の役割
第11章 取締役会と監査役会の実効性
第1節 取締役会の多様性とスキルの開示等
1 取締役会の多様性と適正規模の両立
2 監査役の財務・会計に関する知見等
3 取締役等の他社の役員兼任状況の開示
第2節 取締役会の実効性の評価と評価結果の開示
1 取締役会の実効性の評価
2 実効性の評価結果の概要の開示
第3節 取締役会の審議の活性化と情報入手等
1 取締役会の会議運営の在り方
2 取締役等の情報入手等
3 取締役等のトレーニング
第12章 株主との対話
第1節 株主との建設的な対話の重要性
1 株主との建設的な対話の重要性
2 対話と持続的な成長に向けた取組み
第2節 株主との対話に関する方針の開示
1 株主との対話(面談)への対応
2 対話方針の意義と具体的な記載事項
3 株主構造(実質株主)の把握の重要性
第3節 経営戦略や経営計画の策定・公表
1 経営戦略等の開示と説明の在り方等
2 収益力・資本効率等の重視
第4節 スチュワードシップ・コードと対話ガイドライン
1 スチュワードシップ・コードの意義と概要等
2 対話ガイドラインの意義と概要等
第13章 グループ企業のガバナンス
第1節 グループ経営の在り方とグループ本社等の役割
1 グループ経営の意義
2 グループ経営と会社法・実務指針等
3 グループ経営と取締役会等の役割
第2節 親会社の取締役会や支配株主の責務等
1 親会社取締役会と親会社取締役の責務
2 支配株主の責務とガバナンス・コード
3 対話ガイドラインと支配株主の責務
第3節 支配株主を有する上場会社と独立社外取締役等
1 相当数の独立社外取締役の選任か特別委員会の設置
2 特別委員会の意義と役割
3 内部統制システムや内部監査部門等