Q&A電子契約入門

宮内 宏

定価(紙 版):3,300円(税込)

発行日:2022/07/19
A5判 / 260頁
ISBN:978-4-502-43381-8

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本の紹介
電子契約・電子署名のしくみや効力、紙による契約との比較、本人確認の方法、電子証明書の記載内容・種類・選択、システム変更、契約書の保存など、実務上の留意点を解説。

目次

1 電子契約とは
 1■ 電子契約の定義
   Q1 電子契約とは  
   Q2 電磁的記録とは  
   Q3 電子情報処理組織とは  
   Q4 「自然人」の意味  
   Q5 電子契約と電子署名・電子証明書の関係  
 2■ 電子契約のメリット・デメリット
   Q6 電子契約のメリット  
   Q7 電子契約のデメリットとその対処  
   Q8 紙文書の管理との比較  
 3■ 電子契約の利用分野
   Q9 電子契約の適用分野   
   Q10 公的機関との契約  

2 電子契約の有効性
 1■ 原則(民法521条,522条)
   Q11 契約の成立要件  
   Q12 電子化について外国での法制度  
 2■ 書面を必要とする契約と電子化できる契約
   Q13 紙が必要な契約と電子化できる契約の見分け方  
 3■ 契約書以外に書面が必要な契約
   Q14 契約書を電子化できても他に紙が必要な契約  
   Q15 債権譲渡契約の電子化の可否  
 4■ 業法における規制
   Q16 業法における電子契約の規制  

3 電子契約の導入
   Q17 取引の相手方に電子契約を導入してもらうための工夫   
   Q18 相手方も同じシステムを利用する必要性  
   Q19 契約の相手方は紙,当方は電子文書に電子署名  

4 電子署名の仕組みと効力
 1■ 電子署名の仕組み(押印との対比)
   Q20 電子署名とは  
   Q21 電子署名(デジタル署名)と押印の関係  
   Q22 電子署名法とは  
   Q23 電子署名の種類  
   Q24 デジタル署名とは  
   Q25 押印の電子署名への置き換え  
   Q26 電子証明書を用いない簡易な方式の使用可否  
   Q27 電子署名についてのガイドラインや認定基準  
 2■ 電子署名の法的効力(民事訴訟法228条1項,電子署名法3条)
   Q28 電子署名の法的効力  
   Q29 電子署名法3条の推定効の要件  
   Q30 電子署名法3条かっこ書を満たさない(推定の効力を得られない)電子署名の効力  52
   Q31 日本の電子署名の海外での有効性  
   Q32 電子契約や電子署名法に関する判例  
   Q33 電子署名法3条以外の方法による真正な成立の証明  
   Q34 電子署名の検証の必要性  
 3■ 電子証明書とその種類
   Q35 電子証明書とは  
   Q36 電子証明書の記載内容  
   37 電子証明書の発行機関  
   Q38 マイナンバーカードにより行われた電子署名の検証  
 4■ 電子証明書の選択
   Q39 パブリック証明書,プライベート証明書とは  
   Q40 電子証明書の選択  
   Q41 認定認証業務の電子証明書とそれ以外の電子証明書の 信頼性  
   Q42 海外の事業者が発行した電子証明書を用いた電子署名の 取扱い  

5 電子署名の実現方法と電子契約における選択
 1■ 概要(本人確認のレベルと,3つの方式)
   Q43 電子署名を行う3つの方法  
   Q44 ローカル署名,リモート署名の特徴と法的位置付け  
   Q45 リモート署名は本人による署名か  
   Q46 立会人型電子署名とは  
   Q47 立会人型電子署名は電子署名法2条1項にいう本人の 電子署名か  
   Q48 立会人型電子署名による真正な成立の推定  
   Q49 符号及び物件の適正管理と真正な成立の推定の関係  
   Q50 電子契約書の受領側の留意点  
 2■ 本人確認レベル
   Q51 電子署名利用開始時に行われる本人の身元確認  
   Q52 電子署名法3条の推定効と身元確認の関係  
 3■ 本人確認レベル及び方式の選択(印鑑の使分けとの対比など)
   Q53 電子署名の使分け  
 4■ 社内における電子署名の利用
   Q54 社内文書への電子署名の利用  
   Q55 取締役会議事録の電子化  
   Q56 従業員が会社に提出する書類に用いる電子署名の留意点  

6 電子契約書の作成
   Q57 紙と比較した契約書の文言  
   Q58 契約の有効期間  
   Q59 訴訟に備えて準備しておくこと  

7 電子契約システム
 1■ 電子契約システム=文書の保管と電子署名の実行
   Q60 電子契約システムとは  
   Q61 電子契約の社内での導入プロセス  
 2■ 契約申込みなどの撤回
   Q62 意思表示を撤回する方法  
   Q63 誤送信の場合の対応  
   Q64 契約文書の訂正  
 3■ 代理人や代行者による電子署名
   Q65 代理人による電子署名  
   Q66 本人が行うべき署名操作の代行の可否  
   Q67 代行者名義での電子署名の有効性  
 4■ 電子契約システムの変更(他システムへの乗換え)
   Q68 他の電子契約システムに乗り換える際の留意点  
   Q69 電子契約システムの廃業に際して必要となる処理  

8 電子契約利用システムの構築
 1■ 社内システムへの電子契約の導入
   Q70 社内システムのワークフローへの電子契約の導入時の 注意点  
 2■ 顧客企業のシステムへの電子契約の導入
   Q71 システムベンダの留意点  

9 電子契約書の長期保存
 1■ 契約書の保存期間
   Q72 電子契約書の保存期間  
 2■ 電子署名とタイムスタンプ
   Q73 タイムスタンプとは  
 3■ 電子証明書の有効性・長期署名
   Q74 電子証明書の有効期間  
   Q75 電子証明書の有効性検証  
   Q76 電子証明書の有効期間満了後の電子契約書の有効性  
   Q77 電子契約書の有効性を維持するための方法  

10 電子取引と税務
 1■ 電子帳簿保存法
   Q78 電子帳簿保存法とは  
 2■ 電子取引とは
   Q79 電子契約書の税務上の位置付け  
 3■ 保存の要件
   Q80 電子契約書を保存するための方法と注意点  
 4■ インボイス制度
   Q81 インボイス制度と電子契約の関係  
 5■ 印 紙 税
   Q82 電子契約と印紙税  

11 トラストサービス
 1■ トラストサービスとは
   Q83 トラストサービスとは  
   Q84 トラストサービスの法制化  
 2■ 電子証明書タイプの電子委任状(電子委任状法)
   Q85 代理権限を記載した電子証明書 
   Q86 電子委任状法が必要な理由  
 3■ eシール
   Q87 eシールとは  
 4■ トラストサービスの検討状況
   Q88 トラストサービスの枠組みの検討  

12 令和3年法改正について
   Q89 令和3年の法改正で電子契約に関連するもの  

著者紹介

宮内 宏(みやうち ひろし)
[プロフィール]
1983年 東京大学工学部電子工学科卒業
1985年 東京大学工学系大学院電子工学専門課程(修士課程)修了
1985年 日本電気株式会社入社。同社中央研究所にて,コンピュータアニメーション,人工知能,情報セキュリティ等の研究活動に従事
2007年 東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻(法科大学院)卒業
2008年 法曹資格取得。第二東京弁護士会に弁護士登録
2011年 宮内宏法律事務所(現 宮内・水町IT法律事務所)設立 現在に至る。
2017年 長崎県立大学非常勤講師
2018年 法政大学非常勤縞師

【所属委員会等】
デジタル庁トラストを確保したDX推進サブワーキンググループ
東京都情報公開・個人情報保護運営審議会
八王子市情報公開・個人情報保護運営審議会