- 本の紹介
- 上場企業に実施したIFRS導入の際のコスト・ベネフィット調査をもとに、回答者が重視した過年度修正、連結、収益認識、業績報告、退職給付などの諸項目を分析し、導入にかかわる課題を検討。
目次
IFRS導入のコスト分析
目次
はしがき
第1編 IFRS導入のコストとベネフィット
第1章 IFRS導入のコスト・ベネフィット研究⑴
―アメリカ,EU,オーストラリアの状況
Ⅰ はじめに
Ⅱ IFRS導入のコスト・ベネフィットに関する先行研究
1 諸外国・地域における先行調査・先行研究
2 日本を対象とする先行調査・先行研究
Ⅲ アメリカ
1 期待されるベネフィット
2 予想されるコスト
Ⅳ EU
Ⅴ オーストラリア
Ⅵ む す び
第2章 IFRS導入のコスト・ベネフィット研究⑵
―日本におけるIFRS導入前調査の分析
Ⅰ はじめに
Ⅱ 調査の背景―日本におけるIFRSへの対応
Ⅲ 調査の概要
Ⅳ 回答企業の特性
Ⅴ 調査結果
1 IFRS導入に関するコストとベネフィットに関する全般的な評価
2 IFRS導入が困難な領域
3 IFRS導入に際しての追加的な手間や時間
4 IFRS導入コスト
5 IFRS導入と経営戦略 ……ほか
Ⅵ む す び
第3章 コスト・ベネフィット調査の論点整理⑴
―原則主義・規則主義に関する問題
Ⅰ はじめに
Ⅱ いつ,どのように原則主義がIASBに現れたのか
1 アメリカにおける原則主義の展開
2 IASBの見解
Ⅲ 英連邦諸国の研究
1 Alexander[1999]
2 Nobes[2005]
Ⅳ 原則主義による実務の展開
―リース会計基準を事例とした考察
1 現行基準の場合
2 新基準案の場合
Ⅴ む す び
第4章 コスト・ベネフィット調査の論点整理⑵
―専門的知識の習得,トレーニングの観点から
Ⅰ はじめに
Ⅱ IFRS導入とトレーニング・研修の困難性
Ⅲ 文化的差異とトレーニング・研修の困難性
Ⅳ IFRS導入により求められる資質とトレーニング・研修
Ⅴ IFRS導入コスト・ベネフィットの関係からみたトレーニング・研修
Ⅵ む す び
第2編 会計基準のコスト分析
第5章 過年度遡及修正
Ⅰ はじめに
Ⅱ 基準設定までの経緯とIFRSとの同異
1 基準設定までの経緯
2 日本基準とIFRSの同異
Ⅲ コスト増と捉えられる直接的な理由
Ⅳ コスト増と捉えられる間接的な理由
1 作業上のコスト
2 思考上のコスト
3 心理的コスト
4 経済的コスト
Ⅴ む す び
IV 目 次
第6章 連結財務諸表
Ⅰ はじめに
Ⅱ 識別可能資産・負債の公正価値測定
Ⅲ 連結のれんの処理
1 正ののれん
2 負ののれん
Ⅳ 連結利益の解釈
Ⅴ む す び
第7章 収益認識
Ⅰ はじめに
Ⅱ IFRS導入に伴うコスト
Ⅲ 日本における収益の定義,収益認識規準および測定規準
Ⅳ 物品の販売・役務の提供
1 物品の販売
2 役務の提供
3 収益の測定
4 取引単位の識別
5 収益の総額表示と純額表示
Ⅴ 工事契約
Ⅵ 農 業
Ⅶ む す び
第8章 業績報告
Ⅰ はじめに
Ⅱ 1計算書方式と2計算書方式
1 IAS1「財務諸表の表示」―1計算書方式と2計算書方式
2 公開草案「その他の包括利益の項目の表示IAS第1号の
修正案」―1計算書方式のみ採用の提案
3 企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」
―1計算書方式と2計算書方式
Ⅲ 費用項目の分類方法―性質別分類と機能別分類
1 性質別分類と機能別分類
2 業績報告を行う計算書の具体的例示
Ⅳ 特別損益区分と経常利益
Ⅴ 組替調整が行われる項目と行われない項目の区分
Ⅵ む す び
第9章 退職後給付
Ⅰ はじめに
Ⅱ 貸借対照表(財政状態計算書)
1 IAS 19と日本基準
2 ED IAS 19と公開草案
Ⅲ 損益計算書(包括利益計算書)
1 IAS 19と日本基準
2 ED IAS 19と公開草案
Ⅳ 数理計算上の差異
1 IAS 19と日本基準
2 ED IAS 19と公開草案
Ⅴ む す び
第10章 金融商品
Ⅰ はじめに
Ⅱ IASBにおける金融商品会計基準の最近の動向
Ⅲ 金融資産の測定
1 その他有価証券の評価差額の処理
2 測定区分
3 OCIオプション
Ⅳ 償却原価および減損
1 償却原価法
2 償却原価で測定する金融資産の減損処理
Ⅴ む す び
▪巻末付録 国際財務報告基準(IFRS)導入の
コスト・ベネフィット調査
▪索 引
著者プロフィール
《編著者紹介》
小津 稚加子(おづ ちかこ)
九州大学大学院経済学研究院准教授。
神戸商科大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得退学。
2007年度より日本学術会議連携会員。
主要業績
『多国籍企業の会計』(監訳)中央経済社(2007年),
「EUにおける会計基準統合プロセス」『企業会計』(2009年),
「SME版IFRSの開発過程」『経済学研究』(2010年)等がある。
梅原 秀継(うめはら ひでつぐ)
中央大学商学部教授。
明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了・博士(経営学)。
2007年度日本会計研究学会学会賞受賞。
2011年度より公認会計士試験委員。
主要業績
『のれん会計の理論と制度』白桃書房(2000年),
「会計主体と株主持分―一般理論および連結基礎概念の適用をめぐって」『會計』(2006年)等がある。