- 本の紹介
- 日本企業が真のグローバル企業に脱皮していく手段としてIFRSを捉え、海外主要企業のディスクロージャーから、連結グループ戦略を描くために必要な論点や課題を読み解く。
目次
CEO・CFOのための
IFRS財務諸表の読み方
目次
はじめに
第1部 IFRS時代の財務諸表を知る
第1章 日本企業を取り巻く国際化の流れと課題
1 資本市場のグローバル化と企業経営
2 日本企業のグローバル化と海外展開
3 企業会計のグローバル化と諸制度
4 日本の企業会計制度の課題
第2章 IFRSの基本的な考え方
1 概念フレームワーク
2 原則主義
3 資産負債アプローチと包括利益及び公正価値評価
4 経済的単一体説
5 IFRSと企業の会計戦略
第2部 IFRS財務諸表の開示を読む
第1章 開示情報の読み方の基本
1 IFRSが求める情報開示
2 概念フレームワークにみる情報開示の視点
3 IFRS財務諸表の目的
4 IFRSが想定する財務諸表の利用者とそのニーズ
5 IFRS財務諸表の質的特性
6 IFRS財務諸表への計上プロセス
第2章 企業価値最大化活動を表現する財務諸表体系
1 完全な1組の財務諸表
2 比較情報
3 財政状態計算書(貸借対照表)
4 包括利益計算書
5 所有者持分変動計算書
6 キャッシュ・フロー計算書
7 財務諸表の注記
8 財務諸表の表示プロジェクト
第3章 経済的単一体説による企業集団の開示
1 事業ポートフォリオ形成
2 ガラス張りの連結財務諸表
3 セグメント情報(IFRS8号)
4 企業結合(IFRS3号)
5 資産の減損(IAS36号)
6 支配の喪失(IAS27号),重要な影響力の喪失(IAS28号)
7 売買目的で保有する非流動資産及び非継続事業(IFRS5号)
8 外国為替レート変動の影響(IAS21号)
第3部 経営戦略に影響を与えるIFRSの個別論点
第1章 重要な経営資源「ヒト」に関する論点
1 従業員給付(IAS19号)
2 関連当事者の開示(IAS24号)
第2章 企業価値最大化活動に影響する個別論点
1 収益認識(IAS18号)
2 棚卸資産(IAS2号)
3 有形固定資産(IAS16号)
4 リース(IAS17号)
5 無形資産(IAS38号)
6 引当金(IAS37号)
第3章 公正価値測定
1 定 義
2 評価技法と評価の際に使用されるインプット
3 開 示
第4章 法人所得税
1 IFRSにおける法人所得税の取扱い
2 財務諸表の表示区分と脚注
3 日本基準とIFRSの脚注事項の比較分析から見えてくるもの
第5章 報告頻度と期中報告
1 報告頻度と対象期間(IAS34号)
2 四半期報告書の構成要素
第4部 日本企業がグローバル競争で勝ち残るための条件
第1章 シングルカンパニーモデルによる連結経営管理体制の確立
第2章 IFRS時代の経理・財務機能
1 日本企業の経理・財務部門の現状
2 あるべき経理・財務部門の役割
第3章 経理・財務部門における人的資源の活性化と組織の再構築
1 経理・財務部門の人的組織の現状
2 外部専門人材としての会計士の有効活用
3 グローバル企業にふさわしい人事政策
第4章 国際税務戦略の重要性
1 国際税務戦略
2 日本人と日本企業の税金に対する認識
3 日本企業の税務部門の実体
4 米国企業の国際税務戦略
5 日本企業の国際税務戦略
第5章 M&A戦略への影響
1 経営戦略の変化とM&A
2 IFRSが求めるM&Aの情報開示
3 日本におけるM&A計画
4 M&A計画の可視化の重要性
5 インテルのマカフィー買収にみるプレスリリースから読み取れる
こと
第5部 IFRS時代の連結グループ経営戦略
第1章 IFRS導入後の本業と企業価値の定義
1 企業価値,事業価値と自己資本価値の定義
2 IFRSの導入と包括利益計算書
3 有価証券報告書から帳簿上の企業価値を計算する方法
4 IFRS財務報告書におけるストックとフローの関係
第2章 マネジメント・アプローチと連結事業別企業価値
1 マネジメント・アプローチ
2 連結事業別企業価値
第3章 連結事業本部の財務管理
1 連結事業本部の資本構成と管理会計
2 企業財務最適化の理念と方向性
3 連結事業本部制の導入とシステムの導入
第4章 連結事業部別の最適資本構成とグループの資金調達
1 ゼロ金利時代が終焉するとき
2 CFOと管理連結制度の不在
3 連結事業本部の最適資本構成の設定方法
4 管理会計の難しさ
5 経営トップのコミットメント
第5章 IFRS時代の実態の把握と説明責任
1 連結事業本部長の責任
2 CEOの責任
著者プロフィール
石田 正(いしだ ただし)
公認会計士
1974年アーサーヤング東京事務所に入所,日本基準及び米国基準の会計監査,及び経理・財務アドバイザリー業務に関与。
監査法人勤務中,シンガポール及びロンドン事務所に駐在,東南アジア及びヨーロッパの日系ビジネス統括責任者。
1996年日本マクドナルドに転籍,
2005年まで日本マクドナルド代表取締役副社長(CFO),
2008年までセガサミーホールディングス専務取締役(CFO)を歴任。
現職カルビー㈱及びサミー㈱監査役,日本CFO協会主任研究委員,㈱シグマクシス エグゼクティブアドバイザー。
著作
『国際会計基準IFRS完全ガイド』(日経BP社)への寄稿,
「日経BP国際会計基準フォーラム」講師など,セミナー講演多数。
『包括利益経営−IFRSが迫る投資家視点の経営改革−』共著(日経BP社)がある。
明治大学商学部卒。
村藤 功(むらふじ いさお)
九州大学ビジネススクール教授
コンサルティング会社・投資銀行実務を経て2003年から九大教授として企業財務,M&Aを担当。
2011年3月まで2年間,産業マネジメント専攻長。
経産省主催の「地域金融人材育成システム開発」委員長。
キンザイ・CFO協会の「CFOプロフェッショナル検定」と銀行研修社の「中堅・中小企業CFO講座」の試験委員。
2009年まで経済同友会会員。
内閣府事業仕分人。
熱海市・久留米市・糸島市等の行政改革・事業仕分委員。
大前研一氏主催のBBTで番組講師,コンテンツ委員会委員。
ラジオ番組BBIQモーニングビジネススクールで金曜日財務担当。
著書
中央経済社から
『日本の実務に役立つ「コーポレート・ファイナンス」』
『M&A講義 事業ポートフォリオの最適化』,
東洋経済新報社から
『「連結財務戦略」連結財務戦略』
『日本の財務再構築』,
創成社から
『M&Aアドバイザーの秘密』がある。
東京大学法学部卒,ロンドン・ビジネス・スクールMBA。
高原 峰愛(たかはら みねえ)
アドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ株式会社
パートナー,公認会計士
1994年公認会計士林光行会計事務所に入所,会計監査業務,決算支援,税務コンサルティングに関与するかたわら,会社更生法,破産法など各種経済案件事象に管財人等補助者として特殊調査に従事。
その後アーサーアンダーセンビジネスコンサルティングに入所,大手外食企業の持株会社化支援,航空会社の子会社清算支援に従事。
2006年より現職。
M&Aの交渉支援(統合比率評価,スキームの提案など),企業価値評価,減損対応の企業価値評価などさまざまな企業価値評価に従事する。
龍谷大学経済学部卒。
- 担当編集者コメント
- 本書は,日本企業のCEO・CFOの方に向けて,IFRS時代のマネジメントをどのように考えていくべきか・変えていかなければならないか、を中心に解説しています。
そのため,会計処理技術の解説を目的とせず,マネジメントに関わる方がこれからの連結経営戦略を思い描くことができるよう,海外主要企業のディスクロージャーを読み解き,課題を発見し,問題解決の糸口を見つけ出すことができるように導きます。