共同研究開発契約の法務〈第2版〉

重冨 貴光
酒匂 景範
古庄 俊哉

定価(紙 版):3,630円(税込)

発行日:2022/09/01
A5判 / 296頁
ISBN:978-4-502-44241-4

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本の紹介
共同開発研究の開始から終了まで、契約上・実務上の留意点を時系列で解説した好評書の最新版。スタートアップとの案件における留意点や最新裁判例を追記。6種の書式例を収録。

目次

はしがき

第 1 章 共同研究開発とは
 第1節 共同研究開発の意義・類型
 第2節 共同研究開発を巡る近時の動き
 第3節 共同研究開発のメリット・デメリット
 第4節 他の共同形態との比較

第 2 章 共同研究開発の進め方
  1 共同研究開発のパートナー探索・候補選定 
  2 秘密保持契約 
  3 (場合によって)レター・オブ・インテント,フィージビリティ・スタディ契約 
  4 共同研究開発契約交渉・締結 
  5 共同研究開発の遂行 
  6 成果に基づく事業遂行 

第 3 章 共同研究開発初期段階
 第1節 秘密保持契約
  1 秘密保持契約を締結する目的と必要性 
  2 秘密保持契約の内容と検討のポイント 
 第2節 フィージビリティ・スタディ契約
  1 フィージビリティ・スタディとは 
  2 フィージビリティ・スタディ契約の内容 
 第3節 レター・オブ・インテント
  1 レター・オブ・インテントとは 
  2 レター・オブ・インテントの目的・内容・形式 
  3 レター・オブ・インテントの法的拘束力 
  4 レター・オブ・インテントの例 
 第4節 独占禁止法上の問題点
  1 検討すべき市場 
  2 共同研究開発自体による独占禁止法上の問題 
  3 他の事業者の参加の制限 
  4 ケーススタディ 

第 4 章 共同研究開発契約の締結段階
 第1節 共同研究開発契約
  1 目的と必要性 
  2 共同研究開発契約のポイント 
  3 共同研究開発契約書の条項解説 
 第2節 成果の取扱い
  1 使用者(企業)の権利取得に伴うデフォルトルール(法律上のルール) 
  2 成果の取決めに関する留意点 
 第3節 独占禁止法に関連する実務上の諸問題
  1 はじめに 
  2 目的,役割・費用分担,情報開示等 
  3 他の研究開発の制限等 
  4 既存技術の取扱いの制限 
  5 競合製品等の生産・販売の制限   
  6 共同研究開発の成果の帰属等
  7 共同研究開発の成果の秘密保持義務,改良発明等 
  8 共同研究開発の成果である技術を利用した製品の取扱い 
  9 共同研究開発に伴う情報交換 
  10 ケーススタディ 

第 5 章 大学・研究機関との産学連携,外国企業やスタートアップとの共同研究開発
 第1節 大学・研究機関との共同研究開発
  1 はじめに 
  2 大学等との共同研究開発案件に臨む際の基本的視座 
  3 共同研究開発契約時点における成果取扱いに関する取決め 
   Q&A  大学との共同研究開発における成果の譲り受け 
   Q&A  共有成果の実施に関する大学の責任免除 
  4 企業による独占的実施権の維持 
  5 不実施補償 
  6 特許に関する費用負担 
 第2節 外国企業との共同研究開発
  1 成果の取扱い―共有法制 
  2 共有成果の取扱い―テリトリーによる製造販売事業の区分 
  3 成果に関する第1国出願ルール 
  4 輸出管理規制 
  5 言語 
  6 準拠法 
  7 紛争解決 
  8 外国における競争法 
 第3節 スタートアップとの共同研究開発
  1 はじめに―事業会社とスタートアップとの共同研究開発の基本的視座 
  2 独占禁止法上の留意点 
  3 事業会社とスタートアップとの共同研究開発契約における交渉のポイント 

第 6 章 共同研究開発の遂行段階における留意点
 第1節 役割遂行
   Q&A  試作品の品質評価 
   Q&A  システム開発案件におけるトラブル発生責任の解明 
 第2節 計画・進捗管理
 第3節 情報管理
 第4節 費用管理

第 7 章 共同研究開発終了段階
 第1節 はじめに
 第2節 共同研究開発終了時において行うべき一般的処理
  1 成果の確認(有無・内容) 
  2 成果の帰属の取決め 
  3 成果の実施・利用条件の取決め 
  4 今後における同一・類似テーマの研究開発実施のあり方に関する取決め 
  5 秘密情報の返還 
  6 費用の精算 
 第3節 終了原因に応じた処理
  1 期間満了の場合 
  2 合意解約の場合 
  3 中途解約の場合 
  4 解除事由による契約解除の場合 
 第4節 共同研究開発後の事業化
  1 事業化のスキーム 
  2 成果を利用した取引関係 
  3 成果のライセンス 
  4 共同研究開発組織による事業化 

第 8 章 共同研究開発に関する裁判例
 第1節 共同研究開発契約の成否および契約締結に至らなかった場合
     の責任に関する争い
 第2節 共同研究開発契約における当事者の義務の履行・不履行に関
     する争い
 

著者紹介

重冨 貴光(しげとみ たかみつ)
[プロフィール]
弁護士法人大江橋法律事務所パートナー
弁護士・弁理士・ニューヨーク州弁護士。1997年大阪大学法学部卒業,1999年弁護士登録。2003年6月University of Washington School of Law卒業(IP LL.M.)後,2004年までFish & Richardson P.C. (New York). Bardehle Pagenberg Dost Altenburg Geissler (Munich)にて勤務。2005年ニューヨーク州弁護士登録。2005年弁理士登録。

【取扱分野】
知的財産権(特許・商標・著作権・意匠・不正競争防止法)に関する紛争解決,ライセンス,共同研究開発などの知的財産取引,国際取引,国際紛争解決(訴訟・仲裁),企業法務全般。

酒匂 景範(さこう かげのり)
[プロフィール]
弁護士法人大江橋法律事務所パートナー
弁護士・ニューヨーク州弁護士。2001年京都大学法学部卒業,2002年弁護士登録。2009年弁護士・ニューヨーク州弁護士。2001年京都大学法学部卒業,2002年弁護士登録。2009年UC Berkeley School of Law卒業(LL.M.)後,2010年までWeil, Gotshal & Manges LLP (Silicon Valley office)にて勤務。2010年ニューヨーク州弁護士登録。2016年公認不正検査士登録。

【取扱分野】
独占禁止法,国内・国際紛争解決(訴訟・交渉),コンプライアンス(危機管理,不正調査),企業再編,M&A等。

古庄 俊哉(ふるしょう としや)
[プロフィール]
弁談士(2006年登録。弁護士法人大江橋法律事務所パートナー),弁理士(2015年登録),ニューヨーク州弁護士(2013年登録)
2004年京都大学法学部卒業,2011年University of Washington, Center for Advanced Study & Research on Intellectual Property主催 Patent and Intellectual Property Law and Practice Summer Institute修了,2012年University of Washington School of Law修了(IP LL.M.)。

主な取扱分野は,特許,商標,ノウハウ等の知的財産に関する紛争解決,ライセンス・共同
研究開発などの知的財産取引,企業法務全般など。

[主な著作]
『共同研究開発契約の法務第2版』(共著,中央経済社,2022年)