- 本の紹介
- 本書はIFRS適用後の経営を見据え、現在の管理会計や意思決定からの変化とその対応を解説している。具体的なケースを数多く盛り込み、戦略的IFRS経営の最適解を探る。
目次
戦略IFRS 経営はこう変わる!
目次
はじめに
PART1 IFRS適用で重要度を増す「管理会計」
❶ 重要なのはIFRS導入後!
1 IFRS にどっぷり浸かる企業活動
2 IFRS導入はIFRS 経営の始まり
❷ トップマネジメントのためのIFRSへ
1 IFRS 財務諸表は誰のために作られる?
2 財務会計と管理会計の分離
3 管理会計を主に財務会計を従にする
4 IFRS 対応でグローバル管理制度を構築する
❸ 無駄のないIFRS導入アプローチ
1 IFRS対応に着手するには早すぎる!?
2 グローバル管理制度構築を優先し,制度対応は後回しに
PART2 IFRS時代の6つの意思決定ポイント
Point1 意思決定の出発点が変わる
1 会計は意思決定の出発点
2 意思決定要素のバランスに変化が
3 会計処理に依拠した意思決定には注意
Point2 リースによる調達か,購入による調達か
1 リースメリットが減退
2 例外規定のないIFRS
3 リース取引に何を求めるか
4 IFRS の改訂の方向性
Point3 確定拠出か,確定給付か
1 確定拠出型制度と確定給付型制度
2 日本基準の会計処理
3 IFRS の会計処理
4 企業の意思決定
Point4 株式の持合いか,解消か
1 日本企業独特の「株式持合い」
2 日本基準では,益出しに使われることも
3 日本企業による修正が反映されたIFRSの規定
4 IFRS ではメリットが減退
5 IFRS がアライアンス関係見直しのいい機会に
Point5 受取手形のファクタリングか,割引きか
1 受取手形のファクタリング
2 受取手形の割引き
3 IFRS 適用により会計処理が変わる
4 日本基準は財務構成要素アプローチ
5 IFRS ではリスク経済価値アプローチ ……ほか
Point6 優先株式か,普通株式か
1 資金調達の意思決定
2 日本基準では形式を重視した会計処理
3 IFRS では実質を重視した会計処理
4 企業の意思決定
PART3 IFRS時代の管理会計
❶ 原価計算はこう変わる
1 原価計算への影響
2 IFRS が定める原価計算
3 日本基準における固定製造間接費の配賦方法
4 IFRS における固定製造間接費の配賦方法
5 設例でみるIFRS 下の設備意思決定への影響 ……ほか
❷ グローバル・マネジメントはこう変わる
1 日本企業のグローバル化の進展
2 国内外で会計方針の不統一を容認する日本基準
3 決算日のズレを容認する日本基準
4 IFRS で連結経営管理の基礎ができる
5 分権型マネジメントからシングルカンパニーモデルへ ……ほか
❸ 変動損益計算書で読み解く管理会計への影響
1st Stage 日本基準における意思決定
1 IFRS 導入前の変動損益計算書
2 IFRS 導入で変動損益計算書はどう変わるか
2nd Stage 販売促進費への影響
1 販売促進費は費用処理か売上控除か?
2 日本基準では費用処理と売上控除が併存
3 IFRS では売上控除
4 販売促進費の形態とその会計処理
5 販売促進費を合理的に見積ることができない場合 ……ほか
3rd Stage 未払有給休暇による影響
1 有給休暇も費用計上
2 有給休暇の分類
3 なぜ有給休暇を費用計上するのか?
4 未払有給休暇の計上
5 未払有給休暇の管理可能性 ……ほか
4th Stage 開発費の資産計上による影響
1 研究開発費は競争力の源泉
2 日本基準は発生時費用処理
3 資産計上を求めるIFRS
4 なぜ資産計上するのか?
5 業種別の資産化率 ……ほか
5th Stage 有形固定資産の減価償却費への影響
1 実態に応じた減価償却が求められる
2 日本では税法基準を監査上容認
3 忠実性を求めるIFRS
4 残存価額の差異は解消傾向
5 使用実態を考慮した減価償却方法の決定 ……ほか
6th Stage 借入費用の資産化による影響
1 借入費用が固定資産の取得原価に
2 日本基準は部分的に原価算入を容認
3 IFRS は要件を満たせば原価算入を強制
4 資産化の開始と終了
5 資産化が求められる理由 ……ほか
7th Stage IFRS 導入による意思決定の変化
1 会計論点ごとの両部門の差異
2 修正仕訳が及ぼす影響額一覧
3 IFRS 導入で結論が変わる
PART4 経営管理指標への影響
❶ IFRSの適用で変わる指標,変えるべきでない指標
1 トップマネジメントの仕事を助ける経営管理指標
2 企業経営の羅針盤が変わる
❷ 新たに導入される経営管理指標
1 経営管理指標も時代とともに変化
2 包括利益指標の導入
3 金融関連指標の導入
❸ 本質的には変わらない経営管理指標
1 経営管理指標のつながりを説明できるか
2 経営管理指標の構成要素への影響
3 資産への影響
4 負債への影響
5 純資産への影響 ……ほか
❹ 経営管理指標の変化へのアクション
1 経営管理指標への対応アプローチ
2 投資家への説明も重要な役割
著者プロフィール
中川 宏介(なかがわ こうすけ)
㈱イージフ 会計コンサルティング事業部長
公認会計士
早稲田大学卒業後,朝日監査法人(現有限責任あずさ監査法人)入所。
製造業,サービス業,種苗業などの幅広い業種において,法定監査業務の現場責任者として活躍。そのほか,財務デューデリジェンス業務,財務諸表作成支援業務等に携わり,これらの経験を買われ㈱イージフへ入社。
現職では,会計コンサルティングディビジョンの責任者として,決算早期化や原価計算制度の構築,IFRS対応など,さまざまなプロジェクトを立ち上げるとともに,その傍らで執筆活動やセミナー講師などのマーケティング活動も精力的にこなしている。
松岡 佑三(まつおか ゆうぞう)
㈱イージフ 会計コンサルティング事業部
公認会計士
筑波大学卒業後,新日本監査法人(現新日本有限責任監査法人)に入所。
製造業,小売業,自動車産業,倉庫運輸業等の幅広い業種で,現場責任者として活躍。
このほか,企業会計に関する外部研修講師,IPO支援,アニュアルレポート作成支援,J-SOX導入支援にも携わる。
また,監査クライアントに対してIFRS対応の助言,最新情報の提供を行う。
㈱イージフ入社後は,IFRS対応コンサルティングに注力するほか,IFRSに関するセミナー・企業研修講師,雑誌・書籍の執筆,決算支援サービス,業務改善プロジェクト等に携わっている。
- 担当編集者コメント
- IFRSを適用した場合の管理会計への影響と対応を解説した書籍です。IFRSの基準解説ではなく、実務に沿った内容です。また、数値例を用いたケーススタディにより、自社への影響も手に取るようにわかります。早期適用を考えている企業の担当者は必読の1冊。