公正価値会計のフレームワーク
ドロン・ニッシム 著
ステファン・ペンマン 著
角ヶ谷 典幸 訳
赤城 諭士 訳
発行日:2012/02/14
A5判 / 168頁
ISBN:978-4-502-44910-9
- 本の紹介
- Principles for the Application of Fair Value Accountingの全訳。公正価値はどのような資産・負債に適用されるべきか。公正価値会計の採否を測る5つの原則を提示する。
目次
公正価値会計のフレームワーク
目次
日本語版への序文
「会計および証券分析に関する卓越した研究センター」について
序 章 本書の概要
一対一の原則
資産・負債対応の原則
情報保存の原則
無裁定見積りの原則
正しい調整の原則
第1章 公正価値会計をめぐる諸課題
公正価値会計とは何か
誰にとっての公正価値か
本書で採用するアプローチ
本書の限界
本書の構成
第2章 公正価値会計と歴史的原価会計の製品としての諸特性
株主向けの理想的な公正価値会計の諸特性
理想的な歴史的原価会計の諸特性
公正価値会計と歴史的取引会計に対する需要
第3章 公正価値会計の五原則
原則1: 一対一の原則
公正価値が株主にとっての価値を示すのは,株主の富が市場価格
に対するエクスポ-ジャーに基づいて決定される場合だけである。
原則2: 資産・負債対応の原則
公正価値は,諸資産・諸負債が一体として用いられる場合には,
それらが統合された単位で適用されなければならない。
原則3: 情報保存の原則
会計が価格情報を伝達するのであれば,当該価格は会計に対して
情報を提供することはできない。
原則4: 無裁定見積りの原則
「公正な」価値の見積りが可能なのは,観察される価格が無裁定見
積りの原則に従う場合である。
原則5: 正しい調整の原則
「公正」を期すために,公正価値会計は実際の取引に対照させて
[見積値に対する]正しい調整を行わなければならない。
五原則の結びつき
1つの統合原理:裁定取引の経済学
第4章 公正価値会計の適用とその実務的配慮
近似値を用いた公正価値会計
補足開示
歴史的原価会計のもとでの公正価値の適用
第5章 マーケット・ソリューション
(市場による自発的な解決策)の教訓
第6章 総括:公正価値会計の適用可能性
第7章 産業別の公正価値の報告方法
貸借対照表および損益計算書の表示
非金融会社のための公正価値会計
銀行のための公正価値会計
保険会社のための公正価値会計
付録A:公正価値会計に対する賛成論と反対論
付録B:歴史的取引会計のバリュエーション事例―コカ・コーラ社
■訳注
■参考文献
■訳者あとがき
■索 引
著者プロフィール
【訳者紹介】
角ヶ谷 典幸(つのがや のりゆき)
九州大学大学院経済学研究院准教授・博士(商学)(一橋大学)
〔主要著書等〕
『割引現在価値会計論』(森山書店,2009年),
『リース会計基準の論理』(共編著,税務経理協会,2009年),Tsunogaya, N. et al.,“The Case for Economic
and Accounting Dualism: Towards Reconciling the Japanese Accounting System
with the Global Trend of Fair Value Accounting,” Accounting, Economics,
and Law, Vol.1, Issue2, 2011.
赤城 諭士(あかぎ さとし)
九州産業大学商学部准教授・博士(商学)(明治大学)
〔主要著書等〕
『会計利益計算の構造と論理』(分担執筆,創成社,2006年),
『全経簿記上級 商業簿記・会計学テキスト』(分担執筆,中央経済社,2010年),
『スタンダードテキスト 財務会計論Ⅲ 問題演習編〈第2版〉』(分担執筆,中央経済社,2010年)