- 本の紹介
- ドイツ・フランスの会計制度思考は、単一化を目指す英米と異なり、むしろ多様である。それら諸国の公会計・検査制度を研究することで、わが国の会計検査の在り方を考える。
目次
ドイツ・フランスの公会計・検査制度
目次
プロローグ ドイツとフランスの公会計・検査制度の意味
序 章 会計思考をめぐるドイツとフランスの間
第1節 企業会計をめぐるドイツとフランスとの関係
第2節 公会計制度史におけるドイツとフランス
第3節 公会計の制度改革をめぐるドイツとフランスの苦悩
第4節 そして,わが国
第Ⅰ部 ドイツの予算および会計制度
第1章 予算および会計制度の概要
第1節 ドイツの制度とその環境
第2節 公会計制度の沿革とその特徴
第2章 公会計改革へのチャレンジ
第1節 改革をめぐる議論の経緯
第2節 公会計改革の議論の開始
第3節 委員会等による報告書
第4節 2009年改正HGrGの要点
第5節 HGrGおよびBHO改正後の動向
第3章 州レベルにおける公会計制度の改革
第1節 連邦に先行する州制度の改革
第2節 各州における制度の改革状況
第4章 決算書の構造
第1節 決算書の根拠法・根拠規定
第2節 決算書の体系
第5章 2009年改正HGrGによる決算書作成
第1節 決算書の構成
第2節 決算書の内容
第6章 2009年公会計制度改革の意味とわが国への示唆
第1節 2009年改正HGrGの理想的側面
第2節 改正HGrG適用への異なる対応
第3節 2009年公会計制度改革の現実的側面
第4節 わが国への示唆と問題提起
第Ⅱ部 フランスの予算および会計制度
第1章 フランス政府会計の生成と発展
第1節 政府会計概念拡張の必要性と政府固有のニーズ
第2節 命令機関・出納機関分離原則と複式簿記政府会計の確立
第3節 半発生主義「権利確定原則」の確立
第4節 決算証拠書類としての政府財務会計
第5節 政府資金統計としての政府財務会計
第6節 プラン・コンタブル・ジェネラル
第7節 わが国への示唆
第2章 フランス政府会計・監査改革の経緯と現状
第1節 保証型監査による発生主義政府会計の新たな位置づけ
第2節 1999年のプレLOLF改革:固定資産評価と減価償却導入
第3節 LOLF政府会計改革の概要
第4節 新しいプラン・コンタブルと内部会計処理
第5節 政府会計基準
第6節 政府決算における財務諸表の報告
第7節 保証型監査の導入
第8節 内部統制の意義と役割
第9節 情報システムの問題
第10節 国際比較の中のフランス政府監査
第11節 わが国への示唆
第Ⅲ部 ドイツの会計検査制度
第1章 ドイツにおける会計検査制度の生成と発展
第1節 1969年財政改革までの会計検査院制度の形成
第2節 1969年財政改革後の会計検査院制度
第2章 連邦会計検査院による検査報告の実際
第1節 各年度の所見
第2節 所見の具体的内容
―「2009年度所見(Bemerkungen 2009)」
第3章 連邦会計検査院および連邦会計検査院長による
提言活動の実際
第1節 2007年度所見より「より多くのより良い経済性調査」
第2節 連邦委託官報告「連邦予算の負担軽減および現代化の
好機」(2009年11月23日)
第4章 会計検査院制度の理論的分析
第1節 検査者としての会計検査院
第2節 助言者としての会計検査院
第5章 わが国への示唆
第1節 公会計制度改革との連携
第2節 提言活動の積極化
第Ⅳ部 フランスの会計検査制度
第1章 国の決算検査の歴史と現状
第1節 会計検査院の基本的機能
第2節 決算検査の歴史的推移
第3節 国の財務書類と監査証明
第2章 会計システムと内部統制の検査および固定資産と
棚卸資産の検査
第1節 会計システムと内部統制の検査
第2節 固定資産と棚卸資産の検査
第3章 金融資産の検査
第1節 金融資産の会計の特色
第2節 オペレータの会計処理に関する不備
第3節 社会負債償却金庫の結合除外に関する見解の相違
第4節 フランス外国貿易保険会社と預金供託金庫の特別会計の
結合除外
第5節 その他の金融資産の会計処理の不備
第4章 費用と収益の検査およびわが国の将来に向けての提言
第1節 費用と負債の検査
第2節 収益の検査
第3節 最高権力府の会計の不備
第4節 会計検査院の決算検査の特色とわが国への提言
索引
著者プロフィール
亀井孝文