- 本の紹介
- 企業は戦略実現のために、英米生まれの管理会計技法を日本式に変えて、活用している。本書は、そうした実態を調査し、日本的管理会計の実像を明らかにするものである。
目次
日本的管理会計の探究
目次
序
第1章 日本的管理会計の探究に向けて
1 はじめに:問題の所在
2 日本的管理会計とは
3 管理会計の理論・実務ギャップ
3.1 日米実務ギャップ:米国的管理会計の日本企業への導入
3.2 日本企業における管理会計の理論・実務ギャップ
4 小 括
4.1 本書の研究課題
4.2 本書の構成
第2章 日本企業の管理会計実態―文献調査―
1 研究方法
2 日本企業の管理会計実態
2.1 原価計算
2.2 原価管理全般
2.3 製品開発コストマネジメント ……ほか
3 日本企業の管理会計実態のまとめ
3.1 主要手法ほかの普及実態
3.2 主要手法ほかの利用実態
4 小括:さらなる実態調査に向けて
4.1 残された課題
4.2 実態調査のための研究フレームワーク
4.3 研究フレームワークから見た既存の実態調査
第3章 わが国製造業における管理会計の実態調査
1 郵送質問票調査の方法とサンプルの特徴
2 本社と事業部門の会計業務分担
3 原価計算
3.1 標準原価計算
3.2 直接原価計算
3.3 製造間接費の配賦計算
4 原価管理
4.1 原価・物量情報の活用
4.2 原価企画
4.3 品質コストマネジメント ……ほか
5 利益計画の策定
6 CVP分析
7 業績管理
7.1 業績管理システム
7.2 業績と報酬の関連性
8 予算管理
9 設備投資予算(設備投資案件の経済性評価)
10 小 括
第4章 わが国非製造業における管理会計の実態調査
1 郵送質問票調査の方法とサンプルの特徴
1.1 調査の目的
1.2 調査の方法とサンプルの特徴
2 本社と事業部門の会計業務分担
3 原価計算
3.1 標準原価計算
3.2 直接原価計算
3.3 本社費・共通費の配賦計算
4 原価管理
4.1 原価・物量情報の活用
4.2 原価企画
4.3 品質コストマネジメント ……ほか
5 利益計画の策定
6 CVP分析
7 業績管理
7.1 業績管理システム
7.2 業績と報酬の関連性
8 予算管理
9 設備投資予算(設備投資案件の経済性評価)
10 小 括
第5章 日本企業におけるコストマネジメントの実証研究[1]
―コンテクスト要因と手法の利用―
1 コンテクスト要因
1.1 意思決定環境
1.2 組織コンテクスト
1.3 本社・事業部門経理の原価管理重視度
2 分析フレームワークとリサーチ・デザイン
2.1 分析フレームワーク
2.2 データの収集
2.3 変数の測定と操作化
3 小括:分析結果と考察
3.1 分析結果
3.2 考 察
第6章 日本企業におけるコストマネジメントの実証研究[2]
―組織コンテクスト,原価企画とMPCの利用と効果―
1 原価企画の利用と効果
1.1 仮説構築
1.2 分析フレームワークとリサーチ・デザイン
1.3 分析結果と考察
2 MPCの利用と効果
2.1 仮説構築
2.2 分析フレームワークとリサーチ・デザイン
2.3 分析結果と考察
3 小 括
第7章 日本企業におけるマネジメント・コントロールの実証研究
―コンテクスト要因,業績・予算管理の利用と効果―
1 仮説構築
1.1 意思決定環境の業績・予算管理への影響
1.2 組織コンテクストの業績・予算管理への影響
1.3 組織規模の業績・予算管理への影響 ……ほか
2 分析フレームワークとリサーチ・デザイン
2.1 分析フレームワーク
2.2 データの収集
2.3 変数の測定と操作化
3 分析結果と考察
3.1 業績管理の利用への影響要因
3.2 予算管理の利用への影響要因
3.3 業績・予算管理の組織業績への影響
4 小 括
第8章 日本的管理会計の展開
1 はじめに
2 分析フレームワーク
3 リサーチ・デザイン
3.1 データの収集
3.2 変数の測定と操作化
4 分析結果と考察
4.1 クラスター分析による日本企業の管理会計行動パターンの
分類
4.2 クラスター間の影響要因の差の分析
5 小 括
5.1 日本企業(製造業)の管理会計行動パターン(発展モデル)の
提示
5.2 本章の貢献と今後の課題
終 章 結論と実務家へのメッセージ
1 本書の要約と結論
2 実務的インプリケーション
■付録/わが国製造業における管理会計実態調査・質問項目
■参考文献
■索 引
著者プロフィール
【著者紹介】
吉田 栄介(よしだ えいすけ)
2000 年 神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。博士(経営学),近畿大学商経学部講師(常勤)
2002 年 慶應義塾大学商学部専任講師,助教授,准教授を経て
2012 年 慶應義塾大学商学部教授,現在に至る。
〔主要著書・分担執筆〕
『原価企画能力のダイナミズム』中央経済社,2012 年。
『会計専門家からのメッセージ―大震災からの復興と発展に向けて―』同文舘出版,2011 年(共著)。
『管理会計研究のフロンティア』中央経済社,2010 年(共著)。
『管理会計の基礎(第4 版)』税務経理協会,2010 年(共著)。
『経済・経営のための統計学』有斐閣,2005 年(共著)。
『成功する管理会計システム:その導入と進化』中央経済社,2004 年(共著)。
『持続的競争優位をもたらす原価企画能力』中央経済社,2003 年。
福島 一矩(ふくしま かづのり)
2009 年 慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学,西南学院大学商学部専任講師を経て
2011 年 西南学院大学商学部准教授,現在に至る。
〔主要論文・分担執筆〕
「わが国製造業におけるマネジメント・コントロールによる製品イノベーションの促進に関する実証研究」『原価計算研究』第36 巻第1号,2012 年。
「マネジメント・コントロールによるイノベーションの創出:質問票調査に基づく探索的探究」『管理会計学』第20 巻第1 号,2012 年。
「組織成長とマネジメント・コントロールの変化:組織ライフサイクルに基づく考察」『企業会計』第64 巻第2 号,2012 年。
「組織成長のマネジメント・コントロールへの影響に関する実証研究:組織規模の視点からの考察」『メルコ管理会計研究』第4 巻第2 号,2011 年。
「組織ライフサイクルとマネジメント・コントロールの変化」『原価計算研究』第35 巻第1号,2011 年。
『管理会計研究のフロンティア』中央経済社,2010 年(共著)。
妹尾 剛好(せのお たけよし)
2011年 慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学,和歌山大学経済学部講師,現在に至る。
〔主要論文・分担執筆〕
「インタラクティブ・コントロール・システムとしてのバランスト・スコアカードの検討:食品X 社の事例からの考察」『メルコ管理会計研究』第5 巻第1
号,2012 年(共著)。
「機能部門におけるバランスト・スコアカードの重要性:キリンビール株式会社の事例からの考察」『原価計算研究』第35 巻第2 号,2011 年。
「予算管理への影響要因:予算編成・目標の困難化と戦略リンクの強化への影響分析」『原価計算研究』第35 巻第1 号,2011 年(共著)。
『管理会計研究のフロンティア』中央経済社,2010 年(共著)。