揺さぶる経営学―LGBTQから問い直す企業の生産性

柳 淳也

定価(紙 版):3,740円(税込)

発行日:2023/03/29
A5判 / 184頁
ISBN:978-4-502-45701-2

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本の紹介
生産性至上主義に傾斜している経営学の本質を批判的に問い直す。とりわけ、今日話題となっているLGBTQをとりあげ、社会的課題と経営学との緊張関係を示す。

目次

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まえがき 

序章 マネジメント研究をクリティカルする
 1 記憶の断片を集める 
 2 宙吊りにしたままの問い 

第Ⅰ章 経営研究における生産性と多様性
 1 本書の目的・問 
 2 なぜ性的指向・性自認についての企業言説なのか 
 3 本書の構成 

第Ⅱ章 クリティカル・マネジメント研究(“CriticalManagement Studies”)の系統的レビュー
 1 クリティカル・マネジメント研究の始まり 
 2 方法─システマティック・レビュー
 3 ステージⅠ─レビューの計画(データの収集)
 4 ステージⅡ─レビューの実施(データ分析)
 5 ステージⅢ─CMSはいかに成立したのか
 6 考察─CMSの分類と展開
 7 小括─次章に向けて

第Ⅲ章 企業の多様性の包摂と活用
-日本企業における性的指向・性自認の多様性に関する「対応」・「取り組み」言説の変化-
 1 はじめに─LGBTQ包摂の取り組みはいかに始まったのか
 2 方法─CSR調査のテキスト分析
 3 結果─LGBTに対する方針と施策の急増
 4 議論─LGBTQインクルーシブな雇用プロセスへの示唆
 5 小括─次章に向けて

第Ⅳ章 企業の「利用可能な」多様性の包摂と活用
-日本企業における性的指向・性自認の多様性に関する「対応」・「取り組み」言説の批判的考察-
 1 はじめに─〈わたしたち〉は,いつから〈わたしたち〉になったのか
 2 方法─批判的に言説を分析する
 3 結果─基本方針・施策に関する記述欄の言説
 4 考察─不十分な企業言説タイプ
 5 小括─次章に向けて

第Ⅴ章 マネジメント研究はクリティカルされたか
 1 本書が分析してきたことはなんだったのか 
 2 第Ⅲ章と第Ⅳ章の差異 
 3 CMSがかかえる課題 
 4 結び─マネジメント研究はどこに向かえばよいのか

あとがき

著者紹介

柳 淳也(やなぎ じゅんや)
[プロフィール]
京都大学経営管理大学院 特定助教
1989年大阪府生まれ。大阪市立大学経営学研究科後期博士課程修了(経営学博士)。
関西を中心にLGBTQに関する子ども向け授業や教員研修を実施。近年は、大学や企業でのダイバーシティ研修、自治体向けの職員研修などにも携わっている。

[主な著作]
『「クリティカル・マネジメント研究」(“Critical Management Studies”) の系統的レビュー』(2020, 共著, 『赤門マネジメントレビュー』)など多数。

担当編集者コメント
表紙に掲載されている猫の版画は著者(柳先生)の自作です。
その版画にまつわるエピソードを著者自らが語ってくれました。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
https://digital.chuokeizai.co.jp/n/n2aaa2d9ffbf2