IFRS対応の理論武装―原則主義という「壁」の乗り越え方
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- 原則主義の名のもと、各企業の自主性が重んじられるIFRSの導入には、自社の実態を踏まえた理論武装が不可欠。固定資産、収益認識などの重要論点ごとにその構築法を伝授。
目次
IFRS対応の理論武装
原則主義という「壁」の乗り越え方
目次
はじめに
第Ⅰ編 「理論武装」構築の基本的考え方
第1章 IFRS対応で求められる理論武装
1 原則主義の考え方と特徴
2 原則主義の壁と理論武装の必要性
3 理論武装のパターンと方向性
4 理論武装の文書化
5 IFRS導入プロセスにおける理論武装
第2章 IFRSの基本スタンスと概念フレームワーク
1 公正価値の重視
2 貸借対照表の重視と包括利益
3 概念フレームワークのエッセンス
第Ⅱ編 重要論点別「理論武装」の構築法
第3章 有形固定資産の理論武装
1 日本の実務とIAS16号
2 IAS16号の全体像
3 減価償却方法
4 耐用年数
5 コンポーネント・アカウンティング
6 残存価額
7 取得原価
8 毎期の見直し
第4章 収益認識の理論武装
1 収益の概念とIFRSの改訂状況
2 IAS18号の概要
3 「顧客との契約から生じる収益」の概要
4 出荷基準の採用可否
5 請求済み未出荷販売の計上要件
6 返品権付き販売の取扱い
7 製品保証の取扱い
8 複合取引の取扱い
9 不利な履行義務の取扱い
10 契約コストの取扱い
11 総額表示と純額表示
第5章 無形資産の理論武装
1 開発費の資産計上
2 ソフトウェアの取扱い
3 無形資産の償却
第6章 減損会計の理論武装
1 日本の減損会計とIAS36号
2 減損の兆候の具体的判断
3 減損損失の戻入れの具体的判断
4 企業経営における減損会計の位置付け
第7章 連結財務諸表の理論武装
1 IFRS10号の概要
2 連結の範囲
3 決算日差異の容認
4 会計方針の統一
5 みなし取得日およびみなし売却日
6 在外子会社の換算と機能通貨
第8章 税効果会計の理論武装
1 税効果会計の考え方
2 繰延税金資産の回収可能性
3 日本における回収可能性の判断基準
4 IAS12号における規定
5 修正66号で対応する繰延税金資産の回収可能性
第9章 リースの理論武
1 リース会計の変遷とIAS17号の見直し
2 IAS17号の概要
3 公開草案の概要
4 簡便な会計処理の選択
5 リース期間の見積り
第10章 棚卸資産の理論武装
1 IAS2号の全体像
2 操業度差異の取扱い
3 標準原価法および売価還元法の採用可否
4 最終仕入原価法の採用可否
第11章 非上場株式の理論武装
1 IFRS9号によるインパクト
2 非上場株式の会計処理ルール
3 適切な評価技法の選択
4 取得原価をもって公正価値とみなす方法
5 公正価値ヒエラルキーの決定
第12章 その他の理論武装
1 借入費用の理論武装
2 未払有給休暇の理論武装
3 退職給付に係る簡便法の理論武装
4 関連当事者の理論武装
5 初度適用の理論武装
著者プロフィール
木村 直人(きむら なおと)
監査法人アヴァンティア 代表社員 公認会計士。
1979年,長崎生まれ。
2004年,早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。
公認会計士2次試験合格後,TAC株式会社,準大手監査法人を経て,
2008年監査法人アヴァンティアの設立に参画。
現在,上場企業を中心とした監査業務に携わるとともに,同監査法人のIFRS専門デスク室長として,「経営に活用するIFRS」をテーマに,IFRS導入アドバイザリーサービスや各種セミナーを積極的に展開している。
その他,千葉大学法経学部非常勤講師(現任),千葉大学大学院人文社会科学研究科非常勤講師(現任)なども務める。
- 担当編集者コメント
- IFRS関連書籍が数ある中で,異色の1冊です。
原則主義といわれるIFRSですが,たとえば減価償却は定額法,収益認識は着荷基準しか認めない,と言っているわけではありません。自社の財務実態が適切に表現しえる手法でいいのです。そのためには,自社なりの考え方をいかに構築するかが重要です。
IFRSの任意適用企業は50社程度になるともいわれますが,その他の企業も含め,IFRS基準書に振り回されず,正しく向き合うために,ぜひご一読ください。