- 本の紹介
- 中小企業の経営力・資金調達力の強化や取引拡大には、適切な財務情報の作成・活用が不可欠である。本書はその必須ツール「中小企業の会計に関する基本要領」を完全解説。
目次
詳解 中小会社の会計要領
目次
はじめに
第Ⅰ部 中小会社会計の検討
第1章 日本の中小企業の会計の変遷
―中小会計要領の公表に至る経緯
1 中小企業の会計の変遷
2 「研究会報告書」の公表
⑴ 中小企業の会計の必要性
⑵ 中小企業の会計の理論的構図 ……ほか
3 中小指針の公表
⑴ 中小指針の特質
⑵ 中小指針の現状 ……ほか
4 新たな会計ルール(中小会計要領)の公表
⑴ 新たな会計ルールの前提要件
⑵ 新たな会計ルールの基本方針
5 トップダウン・アプローチからボトムアップ・アプローチへ
第2章 中小企業の会計と中小企業政策
1 中小企業をめぐる経済環境
⑴ 中小企業の重要性
⑵ 中小企業を取り巻く構造的問題
2 厳しい内外環境を勝ち抜く自立的な中小企業となるために
⑴ 戦略的経営力の強化
⑵ 戦略的経営のための財務経営力,その前提としての正確な
財務情報
3 正確な財務情報取得の前提としての会計の重要性
⑴ 適時・正確な会計帳簿の作成とそれに基づく適切な会計処理
⑵ 中小企業における会計処理の実態 ……ほか
4 中小会計要領の普及・活用
⑴ 普及・活用の重要性
⑵ 具体的な普及・活用支援策
5 中小企業関係者への期待
第3章 中小企業の会計と金融庁の対応
1 金融庁の取組み姿勢
2 日本における中小企業の会計の概要
⑴ 企業会計の基準
⑵ 中小企業の会計に関する指針 ……ほか
3 中小企業の会計の普及・活用
⑴ 中小指針の普及・活用
⑵ 中小会計要領の普及・活用
第4章 会社法からみた中小企業の会計
1 「一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行」
2 中小指針策定の経緯
3 未解決であると認識されてきた問題
4 中小会計要領の会社法における位置づけ
5 中小会計要領の特徴と会社法
⑴ 会社法・会社計算規則との整合性
⑵ 簡便な会計処理の方法および手続 ……ほか
第5章 税法からみた中小企業の会計
1 税法と会計の交錯
⑴ トライアングル体制とその崩壊
⑵ 税法上の関係規定 ……ほか
2 課税所得の決定要素(政策要素)
⑴ 課税所得決定の諸要素
⑵ 所得概念と課税所得 ……ほか
3 課税所得の計算方法
⑴ 課税所得計算の3方法
⑵ 確定決算基準の意義と機能
4 中小企業会計の動向
⑴ 問題の発端
⑵ 中小指針への統一とその問題点 ……ほか
5 税法と中小企業会計の関係の方向性
⑴ 中小企業会計の特質
⑵ 税法と中小企業会計の関係のあり方
第Ⅱ部 中小会計要領の逐条解説
第6章 中小企業の会計基本要領(総論)
1 目的
2 本要領の利用が想定される会社
3 企業会計基準,中小指針の利用
4 複数ある会計処理方法の取扱い
5 各論で示していない会計処理等の取扱い
6 国際会計基準との関係
7 本要領の改訂
8 記帳の重要性
9 本要領の利用上の留意事項
第7章 中小企業の会計基本要領(各論)
1 収益,費用の基本的な会計処理
2 資産,負債の基本的な会計処理
3 金銭債権および金銭債務
4 貸倒損失,貸倒引当金
5 有価証券
6 棚卸資産
7 経過勘定
8 固定資産
9 繰延資産
10 リース取引
11 引当金
12 外貨建取引等
13 純資産
14 注記
第8章 様 式 集
1 貸借対照表
2 損益計算書
3 株主資本等変動計算書
4 個別注記表
5 附属明細書
第9章 中小会計要領チェックリスト
1 中小会計要領チェックリストの作成経緯
2 中小会計要領チェックリストの概要
第Ⅲ部 中小会計要領の実践的課題
第10章 中小会計要領の制度的課題
1 制度的課題の概要
2 中小企業の会計制度の確立
3 中小会計要領の普及・活用
⑴ 中小会計要領の実務的支援
⑵ 中小会計要領の教育的支援
4 計算書類の信頼性保証の構図
⑴ 会計帳簿の記帳要件
⑵ 信頼性の制度的保証
5 中小会計要領の制度化へ向けた総力の結集
第11章 税理士の果たすべき役割
1 税理士の使命と業務
2 中小指針と中小会計要領
⑴ 中小指針の目的
⑵ 中小会計要領の目的 ……ほか
3 税理士の果たすべき役割
第12章 公認会計士の果たすべき役割
1 日本の経済社会の特徴と中小企業の会計の役割
2 日本公認会計士協会における中小会社の会計の研究活動
3 日本の会計基準の分布
4 中小企業にとっての最適な会計処理の方法に関する基本的な
考え方
5 IFRS,日本の正規の会計基準と中小企業の会計の関係
6 公認会計士の果たすべき役割(その1)―監査人として
7 公認会計士の果たすべき役割(その2)
―監査に準じた注目の業務,レビュー,AUP,コンピレーション
8 公認会計士の果たすべき役割(その3)
―会社の役員として,または顧問,アドバイザーとしての役割
9 公認会計士の果たすべき役割(その4)
―会社の財産評価のサポート
10 公認会計士の果たすべき役割(その5)
―ベンチャー企業の創業支援,育成支援
11 公認会計士の果たすべき役割(その6)
―会計基準の開発者,策定者,制度設計者としての役割
12 参考/海外の公認会計士の活躍の場
第13章 金融機関の果たすべき役割
―中小企業金融と中小会計要領
1 地域金融機関を取り巻く環境
2 地域金融機関の役割
3 地域金融機関と中小企業の決算書
4 地域金融機関からみた中小会計要領
5 今後の課題
参考資料 中小会計要領・中小指針・会社法(会社計算規則)・
企業会計原則・法人税法 比較一覧表
索引
著者プロフィール
《編著者紹介》
河﨑照行(かわさき てるゆき)
甲南大学会計大学院教授・院長 博士(経営学)
1950年生まれ。
1979年神戸大学大学院経営学研究科博士課程単位取得。
甲南大学経営学部講師,助教授,教授を経て現職。
企業会計審議会企画調整部会臨時委員,中小企業の会計に関する検討会ワーキンググループ委員を務める。
甲南大学副学長,税理士試験委員,公認会計士試験委員,経済産業省中小企業政策審議会臨時委員等を歴任。
(主要著書)
『情報会計システム論』(中央経済社,1997年),
『電子情報開示のフロンティア』(編著,中央経済社,2007年),
『シンプルIFRS』(監訳,中央経済社,2011年)ほか多数
万代勝信(まんだい かつのぶ)
一橋大学大学院商学研究科教授 博士(商学)
1958年生まれ。
1988年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得。
青山学院大学講師,助教授,一橋大学助教授を経て現職。
中小企業の会計に関する検討会座長を務める。
企業会計基準委員会委員,企業会計審議会臨時委員等を歴任。
(主要著書)
『現代会計の本質と職能』(森山書店,2000年),
『会計学論考』(共著,中央経済社,2007年)ほか多数
- 担当編集者コメント
- 2012年2月に公表された「中小企業の会計に関する基本要領」を主に策定メンバーにより解説した決定版。
充実した解説にくわえ、参考資料の「中小会計要領・中小指針・会社法(会社計算規則)・企業会計原則・法人税法 比較一覧表」は各項目ごとの差異が一目でわかるスグレものです。