- 本の紹介
- 日本のM&Aビジネスを世界レベルに導く1冊。ターゲットの選定、デューデリジェンス、クロージング、価格修正といったプロセス重視の企業買収を世界を知る著者が詳解。
目次
新版 M&Aのグローバル実務<第2版>
目次
はじめに
第0章 企業価値向上のためのM&A勝利の方程式
0.1 M&Aの定着
0.2 M&Aの効果
0.3 買収価格の役割
0.4 クロスボーダーM&A後のハンズオフ経営の落とし穴
0.5 強い日本を子供たちの世代に残すためのM&A
第1章 企業買収における基本的留意点
1.1 企業買収における成功と問題点
1.2 企業買収における買い手のリスク
1.3 買収の進行過程
第2章 買収の基本合意
2.1 買収チームの結成
2.2 買収ターゲットの選定
2.3 買収交渉
2.4 基本合意の確認
第3章 買収価格算定(valuation & pricing )
3.1 価格算定の基本的考察
3.2 株価倍率方式
3.3 買収事例比較方式
3.4 D C F 方式
3.5 修正簿価方式
第4章 買収形態の検討
4.1 買収形態の種類
4.2 資産買収における重要ポイント
4.3 株式買収
4.4 海外M&Aでの日本からの出資形態と税務対策
4.5 企業買収と税務戦略
第5章 デューデリジェンスの意義
5.1 デューデリジェンスの概要
5.2 財務諸表の限界
5.3 スタンドアローン問題
第6章 事業の概況調査
6.1 会社の概況調査
6.2 事業活動全般の調査
第7章 人的資源の調査
7.1 経営陣の調査
7.2 一般従業員の調査
第8章 生産販売活動の調査
8.1 製造設備関係の調査
8.2 販売関係の調査
第9章 財務諸表項目の調査
9.1 資産項目の調査
9.2 負債および偶発債務の調査
9.3 損益計算書項目の調査
9.4 管理システムの整備状況の調査
第10章 買収契約とクロージング
10.1 買収契約書の作成
10.2 少数株主持分の取得
10.3 買収契約書調印後の作業
10.4 買収後の留意事項
第11章 組織再編の形態と1株当たり利益
11.1 株式を対価とするM&A
11.2 共同事業型のM&A
11.3 1株当たり利益(EP S )
第12章 株式公開企業のM&Aと取締役の責任
12.1 公開企業をターゲットとした現金買収の形態
12.2 第三者割当増資による新株式引受け
12.3 公開買い付け手続き
12.4 少数株主の存在
12.5 M&Aについての取締役の判断基準
12.6 ファイナンシャルアドバイザー(FA)によるフェアネス・オピニオン
12.7 株価に対するプレミアム
第13章 戦略的事業売却
13.1 「選択と集中」のための戦略的事業売却
13.2 戦略的事業売却の判断基準
13.3 戦略的事業売却のための株主価値分析
13.4 売却価値の分析
第14章 M&A会計
14.1 日本における企業結合会計
14.2 持分プーリング法と米国におけるM&A会計の歴史
14.3 パーチェス法による投資コストの反映
14.4 持分プーリング法を廃止した米国会計基準
14.5 買収形態とM&A会計
14.6 日本における「対等合併」とM&A会計
14.7 パーチェス法における買い手,買収ターゲットの認定
14.8 パーチェス法における買収コストの測定
14.9 パーチェス法における貸借対照表の評価替え
14.10 パーチェス法適用における留意点
14.11 IAS 36号によるのれんの減損会計
14.12 のれんの減損会計とコーポレイトガバナンス
14.13 のれんの減損会計の手続き
第15章 M&Aとガバナンス
15.1 対等合併の弊害
15.2 株主価値とM&A
15.3 買い手にとっての株主価値向上とガバナンス
15.4 売り手にとっての株主価値向上とガバナンス
15.5 日本のM&A実務の課題
索引
著者プロフィール
渡辺章博(わたなべあきひろ)
1981年中央大学商学部会計学科を卒業後,単身,米国に渡りKPMG ニューヨーク事務所にてM&Aを担当。
1990年,日本人として最年少でパートナー(共同経営責任者)となる。
1994年帰国,KPMG コーポレイトファイナンスの代表としてM&A案件のアドバイザリーや企業価値評価,買収監査等のサービスを提供。
2002年に日本では初となる本格的な独立系M&Aアドバイザリー会社であるグローバルコーポレイトアドバイザリー株式会社を設立。
その後,2004年4月にGCA 株式会社を新たに設立して,佐山展生と共に代表取締役に就任。
2006年10月にGCA は東証マザーズに上場を果たす(M&A助言会社では初の上場)。
2008年3月米国独立系M&AアドバイザリーファームSavvian LLC と経営統合し,現在,独立系M&A助言会社最大手のGCA サヴィアン株式会社の代表取締役として「強い日本企業」を子供たちの世代に継承するためのM&A
スペシャリストとして活躍中。
インド最大の製薬会社ランバクシー社の社外取締役・監査委員会委員長,米国石油・天然ガス会社サムソン・インベストメント社外取締役,国際評価基準委員会(International
Valuation Standards Council)評議委員,神戸大学大学院経営研究科(ビジネススクール)客員教授,一橋大学法科大学院(ロースクール)客員教員,中央大学大学院戦略経営研究科「M&A
戦略」(ビジネススクール)客員教授。
米国・日本公認会計士。
著書
「企業買収実務ハンドブック」(日経BP社),
「M&Aとガバナンス」(共著,中央経済社)
「コメンタール国際会計基準」(共著,税務経理協会),
「アメリカの税金百科」
「アメリカの会計百科」(共著,有斐閣)KPMG LLP/編,
「ストックオプション導入・成功の実際」(共著,日本実業出版)など。
- 担当編集者コメント
- 本書が刊行された当時、“デューデリ”と言って、通じる実務家は決して多くありませんでした。
著者の渡辺章博氏は、1994年に米国から帰国後、M&Aにおけるプロセス重視を早くから打ち出し、現在、日本で展開される世界規模のM&Aシーンの礎を築いた実務家と言っても過言ではないでしょう。
著者の言葉にある「20年以上にわたって読み継がれる」ことは、この時代にあっては、かなり難しいことです。常に先を照らしているのか、永遠に変わらぬ真理を説いているのか、
経験に裏打ちされた極上のM&Aノウハウをご堪能ください。
- 著者から
- “失敗案件”という烙印を押されないためのノウハウ集として、20年以上にわたって読み継がれるM&A実務のバイブル