消費税インボイスの実務対応ガイドブック

税理士法人山田&パートナーズ

定価(紙 版):3,300円(税込)

発行日:2023/08/31
A5判 / 260頁
ISBN:978-4-502-46851-3

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本の紹介
インボイス制度導入に伴い直面する様々な課題への対応を事業者の立場に応じて実務目線で解説。現場で生じる疑問をQ&Aで解説すると共に、巻末にはチェックリストを付す。

目次

§1 インボイス制度の全体像
1  消費税の申告納税制度の仕組み
2  インボイス制度導入による消費税申告への影響
⑴ 「買手」と「売手」の2つの立場
⑵ インボイス制度導入前の申告計算
⑶ インボイス制度導入後の申告計算

§2 制度導入による影響が大きい事業者
1  免税事業者である売手への影響(フリーランスなど)
⑴ フリーランス等が登録をしない場合の影響
⑵ フリーランス等が登録をする場合の影響
⑶ 小規模事業者向けの特例計算(簡易課税・2割特例)
⑷ 簡易課税・2割特例の選択方法
⑸ フリーランス等が登録をする場合の事務負担等
⑹ フリーランス等における登録の検討
2   課税事業者である買手への影響(仕入先にフリーランス等が多数あるケース)
⑴ 仕入先の登録状況の確認
① 対象先の抽出
② 登録状況の確認方法
⑵ 仕入先に登録する意向がない場合の対応
⑶ 値下げ等を要請する場合の留意点
① 独占禁止法における「優越的地位の濫用」
② 下請法における違反行為 27
③ インボイス制度において問題となる行為
⑷ 仕入先へのアプローチ方法の検討
⑸ 免税事業者からの仕入れに係る経過措置

§3 登録の手続き
1  登録申請と通知
2  登録番号
3  登録スケジュール
⑴ 令和5年10月1日から登録をする場合
⑵ 令和5年10月2日以後から登録をする場合
4  登録情報の公表
5  公表事項の検索
6  免税事業者が登録をする場合
⑴ 制度開始と同時に登録する場合
⑵ 制度開始後に登録をする場合
7  国外事業者が登録する場合
8  新たに事業を開始した者が登録する場合
9  相続により事業を承継した者が登録する場合
10 登録事項の変更を行う場合
11 登録の取りやめを行う場合
12 事業を廃止した場合
13 税務署長による登録の取消し
14 登録の取りやめ・取消し後の対応

§4 登録手続きに関するQ&A
Q 1 免税事業者のまま登録をしない場合の手続き
Q 2 相続により事業を承継した相続人が登録をしない場合の注意点
Q 3 新設分割により分割承継法人が事業を引き継いだ場合の登録手続きに関する注意点

§5 売手の立場からみたインボイス制度
1  登録するかどうかの検討
⑴ 登録の検討フロー
⑵ 登録の検討ポイント
2  請求書等の様式変更対応
⑴ 適格請求書(インボイス)の法定記載事項と記載例
⑵ 区分記載請求書等保存方式との比較
⑶ 適格簡易請求書(簡易インボイス)とその法定記載事項
⑷ 適格請求書(インボイス)と適格簡易請求書(簡易インボイス)の比較
⑸ 適格返還請求書(返還インボイス)
3  インボイスの交付フロー対応
⑴ インボイスとする書類の決定
⑵ 様式の変更
⑶ 一取引について複数の請求書等がある場合の対応
⑷ 請求書等を交付していない取引への対応
⑸ 交付義務への対応
⑹ 特殊取引・特殊事業への対応
4  申告・経理実務
⑴ 売上税額の計算方法
⑵ 簡易課税制度を採用する場合

§6 売手の立場からみたインボイスQ&A
Q 1 簡易インボイスを交付することができる事業
Q 2 複数事業を営んでいる場合の簡易インボイスの交付
Q 3 外貨建取引がある場合のインボイスの記載
Q 4 旧税率の取引がある場合のインボイスの記載
Q 5 インボイスの交付義務が免除される場合
Q 6 診療所におけるインボイスの交付義務
Q 7 インボイスに記載した消費税額と会計帳簿に記載した仮受消費税の額とが異なる場合
Q 8 割引券の利用がある場合の簡易インボイスの記載
Q 9 口座振替を利用している場合のインボイスの交付
Q10 売手負担の振込手数料に係るインボイスの取扱い
Q11 任意組合の組合員におけるインボイスの交付方法
Q12 販売奨励金がある場合における返還インボイスの交付
Q13 委託販売におけるインボイスの交付方法
Q14 農協等を通じて行う委託販売に係るインボイスの交付義務の免除
Q15 外国法人のインボイス対応(消費者向け電気通信利用役務の提供)
Q16 外国法人のインボイス対応(事業者向け電気通信利用役務の提供)
Q17 インボイスを交付しない場合の罰則規定
Q18 インボイスの保存方法
Q19 インボイスと誤認されるような書類を交付した場合
Q20 発行したインボイスに誤りがあった場合
Q21 共有名義の不動産を譲渡した場合のインボイスの交付方法
Q22 売上税額の計算方法の選択

§7 買手の立場からみたインボイス制度
1 仕入税額控除の要件
⑴ 概 要
⑵ 保存すべき請求書等の範囲
① 保存すべき請求書等
② 適格請求書の記載事項
⑶ 保存すべき帳簿の記載事項
⑷ 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合
① 帳簿のみの保存の特例に該当する取引
② 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿への一定の記載事項
⑸ 中小事業者の少額取引に係る事務負担の軽減措置(経過措置)
① 経過措置の内容
② 少額取引の判定
③ 特定期間における課税売上高の判定
④ インボイスの保存義務の変遷
2  請求書の交付のない取引先への対応
⑴ 取引先の整理
⑵ 仕入明細書等に基づく仕入税額控除
① 買手の対応方法
② インボイス制度における仕入明細書の記載事項
③ 相手方の確認方法
④ インボイス制度における仕入明細書の具体例
⑶ 複数の書類により適格請求書の記載事項を満たす場合の仕入税額控除
3  申告・経理業務への影響
⑴ 積上げ計算と割戻し計算
① 仕入税額控除の計算方法
② 請求書等積上げ方式について
③ 決算期をまたぐ場合の請求書等積上げ方式
⑵ 免税事業者との取引に係る経過措置
① 経過措置
② 経過措置の適用要件
⑶ 会計処理との関係
① 法人税の所得計算への影響
② 経過措置の取扱い

§8 買手の立場からみたインボイスQ&A
1 .取引先へのアプローチ・取引条件の見直しと留意点
Q 1 買手の消費税の納税額への影響
Q 2 取引先のインボイスの登録状況の確認方法
Q 3 取引先に対する登録要請と独占禁止法等の規制
Q 4 登録のない事業者に対する消費税相当額の支払いについての考え方
Q 5 登録予定のない仕入先との取引の停止の可否
Q 6 引き続き同条件での取引を継続することの可否
Q 7 取引価格の見直し交渉(取引先がインボイスの登録をせず,双方で買手の消費税の負担増を折半する場合)
Q 8 新規取引先が登録事業者かどうか不明な場合に登録の有無に応じた価格交渉を行うことの可否
Q 9 負担の少ないインボイスの交付方法
Q10 免税事業者における消費税の請求
Q11 取引先の登録取消し等に備えた契約書の改定
Q12 登録済みの事業者との既存契約書に追記すべき事項
2 .買手において注意すべき取引とインボイスの要否
Q13 値引きやリベート(販売奨励金)を受けた場合の売手への適格返還請求書の交付の必要性
Q14 仕入価額から控除される金額がある場合のインボイスの作成方法
Q15 売手の売上計上時期と買手の仕入計上時期が異なる場合(令和5年10月1日をまたぐ場合)
Q16 令和5年10月1日(または登録日)をまたいだ請求書の取扱い
Q17 輸入取引とインボイス制度
Q18 非課税限度額を超える通勤手当
Q19 単身赴任者への旅費は仕入税額控除を受けられるか
Q20 福利厚生制度の利用に伴う費用負担と仕入税額控除の適用の可否
Q21 旅費交通費と帳簿のみの保存特例の関係
Q22 従業員が立て替えた旅費交通費と経費精算手続きの留意点
Q23 ETCクレジットカードにより高速道路の利用料金を支払う場合
Q24 一人当たり5,000円以下の飲食費の取扱い
Q25 同業者団体が主催する懇親会の会費を支払った場合における保存すべき書類
Q26 令和5年9月30日までに短期前払費用として処理した場合の請求書の取扱い
Q27 建物の購入に伴い買主負担となる建物分の未経過固定資産税の取扱い
Q28 建設仮勘定の仕入税額控除の時期
Q29 取引先(売手)負担とした振込手数料の取扱い
Q30 電気通信利用役務の提供を受けた場合の取扱い
Q31 親会社がグループ会社の経費の立替払いを行う場合
Q32 オーナー兼社長から事務所を賃借している場合の注意点
Q33 消費税率の経過措置の取扱い
Q34 リース取引におけるインボイスの保存の要否
3 .仕入税額控除の計算方法と会計税務処理
Q35 仕入税額控除の計算方法(請求書等積上げ方式,帳簿積上げ方式,割戻し計算)ごとの経理業務への影響
Q36 仕入税額控除の計算方法(請求書等積上げ方式,帳簿積上げ方式,割戻し計算)ごとの端数処理のルール
Q37 税抜経理方式と税込経理方式における仕入税額控除の計算方法の相違点
Q38 積上げ計算か割戻し計算かの判断指針
Q39 免税事業者等からの仕入れについて経過措置の適用を受ける場合の計算方法
Q40 免税事業者等からの仕入れについて,経過措置の適用を受ける場合の保存すべき帳簿の記載事項
Q41 法人税(または所得税)の所得金額の計算への影響
Q42 法人税の申告の際に税務調整が必要な場合の取扱い

§9 電子インボイスへの対応
1  電子インボイスとは
2  電子インボイスの提供方法
3  電子インボイスの記載事項
4  電子インボイスの保存
⑴ 電子帳簿保存法に従った保存要件により保存する場合
① 電子帳簿保存法に定める保存要件の具体的内容
② 検索要件が緩和される場合
③ 保存要件を満たせないことにつき「相当の理由」がある場合
⑵ 出力した書面により保存する場合(消費税法独自の容認規定)
5  電子インボイスの形態とDXの推進

§10 電子インボイスに関するQ&A
Q 1 電子インボイス保存における法人税と消費税の要件の違い
Q 2 Peppolとは
Q 3 クレジット明細データは適格請求書といえるか
Q 4 電子インボイスの利用に相手方の承諾は必要か
Q 5 スマホアプリによる決済
Q 6 令和5年度の電子帳簿保存法改正
Q 7 猶予措置の適用を受ける場合の電子データの保存方法
Q 8 「相当の理由」の意義

付録 インボイス制度 実務対応チェックリスト(課税事業者向け)売手の立場における制度開始前チェックリスト
買手の立場における制度開始前チェックリスト
電子インボイスに関するチェックリスト

著者紹介

税理士法人山田&パートナーズ(ぜいりしほうじんやまだあんどぱーとなーず)
[プロフィール]
2023年に創立42年となる総合型税理士法人として幅広いコンサルティングメニューを揃えている。法人の税務申告のみならず企業組織再編やM&A,オーナーの事業承継と相続対策を合わせた資産税業務,個人対応では資産承継コンサルティングや相続申告業務を行い,加えて,国際税務・医療機関向け・公益法人制度サポートについても専担部署を有する。
国際相続については,日本国内の相続対策や相続申告業務のノウハウと,海外拠点や海外専門家との連携力を活かして,米国をはじめ,英国,ドイツ,フランス,オランダ,シンガポール,香港,台湾,中国他多くの国々と日本にまたがる相続案件を手掛けている。