中堅企業の質的成長―240社の社長インタビュー調査から

清水 馨

定価(紙 版):4,620円(税込)

発行日:2024/01/17
A5判 / 296頁
ISBN:978-4-502-47811-6

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本の紹介
中堅企業研究の渉猟と分析枠組を提示し、地道で膨大な実態の調査、分析を通じて、最後にそれらを総括し、中堅企業の存立と成長メカニズムを新たに明らかにした渾身の労作。

目次

第Ⅰ部 中堅企業の文献渉猟と分析枠組
第1章 中堅企業研究序論
1-1 中堅企業を研究する目的
1-2 中村秀一郎による中堅企業研究
1-3 清水龍瑩『中堅・中小企業成長論』
1-4 Kuhn MID-SIZED FIRMS
1-5 Clifford = Cavanagh Winning Performance
1-6 Simon Hidden Champions
1-7 Coltorti, Resciniti, Tunisini『イタリア中堅製造企業』
1-8 本書における中堅企業の定義
1-9 本章のまとめ

第2章 中堅企業の成長要因に関する先行研究
2-1 先行研究の全体像
2-2 1960年代の研究
2-3 1970年代の研究
2-4 1980年代の研究
2-5 1990年代以降の研究
2-6 先行研究の問題点と今後の課題
2-7 本章のまとめ
  
第3章 分析枠組の提示
3-1 中堅企業に新たな分析枠組が必要になる理由
3-2 取引の過程
3-3 取引後の対応
3-4 自己認識能力
3-5 本章のまとめ

第Ⅱ部 中堅企業の実態
第4章 過去の中堅企業の従業員規模と現状との比較調査
4-1 中堅企業周辺研究の方法論的限界
4-2 各種調査方法の長短
4-3 過去に中堅企業だった企業の現在
4-4 データベースからの考察
4-5 量的成長と質的成長
4-6 本章のまとめ

第5章 中堅企業と大企業との経営比較─上場製造業のべ1,136社回答のアンケート調査に基づいて─
5-1 大企業と比較する意義と目的
5-2 仮説の構築
5-3 仮説の検証
5-4 本章のまとめ

第6章 中堅企業経営者に対するインタビュー調査
6-1 インタビュー調査の意義
6-2 後退要因の抽出
6-3 存続要因の抽出
6-4 企業経営者の意識と文献の成長要因との比較
6-5 本章のまとめ

第Ⅲ部 新しい視点
第7章 中堅企業の分類
7-1 われわれの論考に対する指摘
7-2 中堅企業を分類する目的と切り口
7-3 中堅企業の成り立ちと大企業との関係による分類
7-4 各型の対応
7-5 本章のまとめ

第8章 買い手との力関係と利益率
8-1 買い手分類の意義
8-2 売り手による買い手の選定
8-3 力関係
8-4 能力カーブ
8-5 S製作所から見た買い手の分類
8-6 売り手の質的成長
8-7 縄張り行動と信頼関係
8-8 本章のまとめ

第9章 中堅企業の経営目的
9-1 中堅企業における目的の位置づけ
9-2 企業目的研究
9-3 上位目的と下位目的
9-4 企業目的における経営者の役割
9-5 経営目的
9-6 経営哲学
9-7 経営目的の階層
9-8 本章のまとめ

第10章 良い取引相手を選び続ける
10-1 要約と結論
10-2 残された研究課題

著者紹介

清水 馨(しみず かおる)
[プロフィール]
1969年 文京区白山に生まれる
1988年 駒場東邦高等学校卒業
1992年 慶應義塾大学商学部卒業
1998年 慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学
2000年 千葉大学法経学部専任講師
2013年 千葉大学法政経学部教授
2017年 千葉大学大学院社会科学研究院教授,現在に至る
2023年 博士(商学)(慶應義塾大学)の学位を取得