- 本の紹介
- 1930年代、米国SECはなぜ民間に会計基準の設定を付与したのか。この時点をベンチマークにして、近年の金融危機まで、会計基準の設定プロセスの変化を明らかにしていく。
目次
会計規制の研究
目次
はしがき
序 章 研究の目的と課題
1 会計基準設定のアウトソース
2 規制のオーバーラップ
3 会計規制の国際的展開
第1部 会計基準設定のアウトソース
第1章/会計基準設定のアウトソース:仮説
1 はじめに
2 会計基準の性格と会計基準設定者の役割
3 会計基準の設定とエンフォースメント
4 分析対象期間における結果についての事実認定と検討課題
5 仮 説
6 おわりに:次章に向けて
第2章/証券二法の制定過程
1 はじめに
2 証券二法の制定
3 考 察
4 おわりに:次章に向けて
第3章/SEC創設期における会計規制の方向性
1 はじめに
2 初代SEC委員および委員長の任命
3 SECの創設期における方向性
4 考 察
5 おわりに:次章に向けて
第4章/ 1933年証券法の制定までの自主的会計規制
―NYSEと会計プロフェッションの取組み
1 はじめに
2 1933年までの状況
3 証券法への会計プロフェッションの影響
4 考 察
5 おわりに:次章に向けて
第5章/会計プロフェッションによる自主規制体制の確立
1 はじめに
2 証券諸法への会計プロフェッションの対応
3 会計プロフェッションの「統合」
4 「会計原則」の公表
5 自主規制体制の確立
6 考 察
7 おわりに
第6章/第1部の総括
1 はじめに
2 仮説の検証結果
3 おわりに
第2部 規制のオーバーラップ
第7章/米国の石油・ガス会計
1 はじめに
2 問題の所在
3 規制の説明理論
4 予備的考察1:議会制度と議員の行動
5 予備的考察2:議員の投票行動に関する実証分析
6 過程追跡
7 考 察
8 おわりに
第8章/金融規制と会計規制の相克
1 はじめに
2 米国の金融規制システムの特徴
3 SECによる銀行ディスクロージャー規制
4 S&L危機と時価会計
5 ファイヤー・ウォールの撤廃とSECによる規制の失敗
6 おわりに
第3部 会計規制の国際的展開
第9章/英国におけるPFI会計
1 はじめに
2 英国におけるPFI会計をめぐる問題の所在
3 PFI会計に対する大蔵省の立場
4 PFI会計基準をめぐる大蔵省とASBの対立と妥協
5 PFI会計基準をめぐる対立の構図
6 PFI会計基準をめぐる利害対立の意味
7 おわりに:次章に向けて
第10章/ 国際的なPFI会計基準の設定と承認
1 はじめに
2 グローバル化と国家の役割の変容
3 IFRIC第12号の概要
4 EUにおける承認問題
5 考 察
6 おわりに:次章に向けて
第11章/ グローバルな会計規制の枠組みとその変化
1 はじめに
2 グローバル・スタンダードへの関心の高まり
3 IASCの組織改革
4 グローバルな会計基準設定主体としてのIASB
5 国際金融規制と会計規制の枠組み
6 おわりに
終章/総括と展望
1 総 括
2 展望と今後の課題
■参考文献
■索 引
著者プロフィール
大石 桂一(おおいし けいいち)
1990年 九州大学経済学部卒業,九州大学大学院経済学研究科進学
1996年 佐賀大学経済学部専任講師,助教授を経て
1999年 九州大学より博士(経済学)の学位を取得
2006年 九州大学大学院経済学研究院助教授,准教授を経て
2013年 九州大学大学院経済学研究院教授となり,現在に至る。
[主要著書]
『ケリー・ニュートンの会計政策論』(単訳,九州大学出版会,1999年)
『アメリカ会計規制論』(単著,白桃書房,2000年)
『マクロ会計政策の評価』(共著,神戸大学経済経営研究所,2002年)
『体系現代会計学第1巻 企業会計の基礎概念』(共著,中央経済社,2011年)
『金融危機と会計規制―公正価値測定の誤謬』(共著,中央経済社,2012年)